健康意識の高い方なら一度は「HIIT」を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
HIITは、短期間で確実に体が引き締まる最強ダイエットメニューです。特に、運動嫌いな方やトレーニング時間を短く済ませたい方に適したトレーニングと言えます。
しかし、「HIITでどんな運動をしたら良いか分からない」や「効率よく結果を出せるコツを知りたい」と思っている方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、HIITの特性や効果的な方法、おすすめのメニューを紹介します。
ぜひ参考にして、普段のトレーニングを充実させたものにしてください。
最強のダイエットメニュー”HIIT”とは?
HIITは“High-Intensity Interval Training”(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)の頭文字を取った略。
いわゆる高強度な運動と小休憩を繰り返す、高い運動効果が得られる短時間集中型のトレーニングです。
1回約4分間と短時間ですが、全力で取り組むとかなり体力消耗します。その分、筋トレ効果やダイエット効果が見込めるので正しいやり方をマスターしましょう。
HIITの特徴
HIITは極限まで体を追い込むトレーニングメニューです。
HIITの中でも特に有名なのが、タバタ式トレーニング。20秒間の高強度な運動と、10秒間の小休憩を計8セット繰り返す方式になります。
この20秒間を全力で取り組んでこそ、HIIT効果は最大限発揮されます。
わずか4分と短い運動時間ではあるものの、脂肪燃焼と持久力向上など科学的に多くの運動効果が証明されてきました。
一方、HIITには明確な運動時間や強度といった基準が存在しません。たとえば、40秒間の高負荷運動と10秒間の小休憩を計10セット繰り返すトレーニングもHIITに含まれ、自分の体力レベルに合わせて設定できます。
こうしたHIITの性質上、特に長い時間を運動に割けない人、途中で挫折してしまう人に向いていると言えるでしょう。
HIITのメリット・デメリット
HIIT最大のメリットは「脂肪燃焼効果の高さ」です。
脂肪燃焼の仕組みは少し複雑なので省略しますが、HIITは短時間で脂肪燃焼効果が高く発揮されるのはもちろん、アフターバーン効果というものもあります。
アフターバーン効果とは、高負荷の運動をした後に身体が酸素を消費しやすい状態、すなわち代謝の高い状態が継続する効果です。
アフターバーン効果のおかげで運動後も効率よくカロリーを消費できるため、脂肪燃焼に効果と言えます。
一方のデメリットが、「運動途中で止めると効果が半減すること」。運動不足の方や初心者の方は、体力的にきつく、約4分のHIITを全力疾走できない場合もあります。
体力や筋力レベルが伴うまで辛抱が必要ですが、他のトレーニングでは味わえない達成感や充実感もHIITならではの醍醐味と言えるでしょう。
HIITトレーニングで得られる効果
有酸素運動と筋トレをかけ合わせたHIITメニューを行うと、様々なトレーニング効果を得られます。ここからは、HIITメニューの具体的な運動効果を解説していきます。
HIIT効果①:短時間でも効率的に身体が引き締まる
HIITは数分間でも、効率よく体が引き締まるトレーニング。
全身痩せだけなく、部分痩せまで狙える応用力の高さが特徴です
二の腕、お腹、太ももなど部分特化した種目をHIITトレーニングに組み込めば、局所的な筋力強化、たるみの引き締めなどが達成できます。
また普段使わない筋肉を鍛えるので、脂肪燃焼や筋合成を促進する成長ホルモンの分泌も活性化。体中に酸素が行き渡り、デトックスや血流改善など多くの健康効果も得られます。
HIIT効果②:アフターバーン効果が得られる
HIIT運動後は最大で24〜72時間、脂肪燃焼が続くと言われています。
これは、EPOC(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)効果=(運動後過剰酸素消費)による、先ほども紹介したアフターバーン効果に起因するものです。
激しい運動後は体が酸欠状態なので、平時より大量の酸素摂取・消費が必要となるため、運動前よりじっとしていても酸素消費量が高まり、この状態を運動後過剰酸素消費と呼んでいます。
高強度の運動後は、筋組織も損傷しています。このダメージ回復にも酸素が必要となり、さらに多くの酸素が体内に取り込まれ、代謝の上がった状態を維持できるメカニズムです。
当サイトの別記事にて、脂肪燃焼効果の高いトレーニングを紹介しています。体脂肪を減らしたい方は、ぜひご参考にどうぞ。
HIIT効果③:筋持久力がアップする
HIITトレーニングは、筋持久力の向上にも効果的です。
慶應義塾大学医学部発表の学術論文によると、高強度トレーニングと心肺持久力の向上に正の相関関係があることが判明しています。
週2回、1回30分の下肢中心のHIITを行ったグループ群では、16週間後に最高負荷量約23%、最高酸素摂取量約18%の改善が認められました。
HIITで心臓のポンプ機能や血液運搬力が強化された結果、これらの指標に影響を与えたものと推測できるでしょう。
最高酸素摂取量(1分間に体内へ取り込まれる酸素量)が高まると、心疾患や生活習慣病の予防にも効果を発揮します。スタミナを向上させて、より効率的なエネルギ消費で日常生活を過ごしましょう。
【+α】HIITメニューの効果を高めるコツ
トレーニング後も高い代謝が続くHIITトレーニング。間違った方法で行うと、せっかくの運動効果が半減してしまいます。ここでは、トレーニング効果を高めるコツを紹介します。
コツ①:目安は週2〜3回ペース
HIITを毎日行うのは逆効果です。
反対に、休息しすぎても一度増えた筋肉が減ってしまうので要注意。
HIITはわずか数分でも筋組織が破壊される高強度な運動メニューです。適切な頻度で行い、筋組織の修復を促してケガや筋肉疲労のリスクを減らすことが大切です。
一般的に、損傷を受けた筋肉のリカバリーには「超回復と呼ばれる約48〜72時間の休息」が不可欠。
超回復の簡単な仕組みは、以下の通りです。
- 運動で筋繊維が破壊される
- 休息中に傷ついた筋肉が修復される
- 回復した筋肉は、以前より容量が増える(=筋肥大)
- 同じ負荷ではダメージを受けない筋肉になる
- さらに高負荷な運動でダメージを与える
以上の1〜5を繰り返す中で、強靭な筋繊維は育まれるもの。休息なしに筋繊維の破壊と修復を繰り返じた場合、ケガや筋分解のリスクが高まる結果になりかねません。
超回復にかかる時間は、運動負荷や筋力レベルにより個人差があります。自分に合ったペースで、焦らず無理のないトレーニング計画を考えていきましょう。
コツ②:運動前のウォーミングアップ
ウォーミングアップは、HIITの運動効果を最大化させる必須要素。主に2つの役割があります。
1点目は、運動中の事故やケガの予防機能です。
筋肉や関節周りを十分に温めておくことで、運動中の予期せぬ衝撃やアクシデントへの反応が高まり、ケガの損傷リスクが低減します。
ノルウェーの女性フットボールクラブ(13〜17歳の1892人)を対象に行った実験にて、ケガのリスクを減らすウォームアッププログラムを1シーズン導入した結果、ケガのリスクは1/3分に、重症リスクは約50%にまで減少できました。(参照リンク)
この実験結果より、適切なウォーミングの重要性がうかがえます。
2点目は、これから行う運動に向けて精神集中させること。
身体を万全な状態に整えてトレーニングや競技に臨むと、関節の可動域や柔軟性がアップします。神経機能も高まるので、瞬発力や反射神経の向上も期待できます。
またウォーミングアップ時は、身体のコンディションを把握する貴重な時間です。筋肉の調子や違和感など、身体の声に意識を傾ける絶好のチャンスと捉えましょう。
コツ③:トレーニング後はプロテイン摂取
良質な筋肉を育むには、プロテイン摂取が不可欠です。
前述のとおり、HIITは脂肪燃焼効果が高いメニューですが、有酸素運動の要素を含むため、筋分解のリスクが懸念されます。
筋肉が減ってしまうと、基礎代謝が低下する原因につながるので、脂肪燃焼と筋力アップを同時達成するためにも、意識的に運動後30分以内を目安にプロテイン摂取を心がけましょう。
なお、以下の記事にて、女性向けの効率的なプロテイン選びのコツを解説しています。ぜひ参考にしてください。
コツ④:適切な食事管理も取り入れる
効果的に脂肪を落とすなら、アンダーカロリーが鉄則です。
アンダーカロリーとは、消費カロリー>摂取カロリーの状態を目指すもの。カロリー過多や暴飲暴食が続くと、いくらHIITでエネルギー消費してもダイエット効果は半減します。
脂肪をつけず筋肉をつけるには、高タンパク・低糖質・低脂質の食事バランスがベスト。筋トレ前後に少量の炭水化物と、前述したように筋トレ後30分以内のプロテイン摂取で筋トレ効果を引き出す食事を摂取しましょう。
筋トレ効果を高める食事のコツは、以下の記事で詳しく紹介しています。運動強度別のタンパク質や炭水化物の摂取目安を知りたい方は、参考にどうぞ。
【動画で解説】HIITメニューおすすめ3選!
いよいよHIITの実践に移ります。
HIITメニューに組み込む種目にルールは存在しません。今回ご紹介する3種類のHIITプログラムの中から、強化したい範囲や目的別に選んで取り組んでみましょう。
【HIITメニュー】
- マンションOK!飛ばないHIIT(4分間/6種目)
- 飛ばない腹筋HIIT(8分間/10種目)
- 全身バキバキになれる上級者向けHIIT(10分間/9種目)
【HIITメニュー①】マンションOK!跳ばないHIIT(4分間/6種目)
初心者向けは、6種目計4分間のHIITメニュー。
ヨガマット1枚分のスペースさえあれば、取り組める内容ばかりです。体幹(体の軸)とお尻周りの筋肉を意識して、HIIT効果を倍増させましょう。
【メニュー構成】
- ランジ
- 足上げスクワット
- プランク
- 膝つきスクワット
- マウンテンクライマー
- ディープスクワット
動画では、30秒運動10秒休憩のサイクルですが、自身の体力に合わせて運動時間を長くしたり短くしたりして調整してみましょう。
なお、スクワットは正しいフォームで行うのが難しい種目とも言えます。
以下の記事でスクワットの正しいやり方も解説しているので、参考にしてください。
【HIITメニュー②】飛ばない腹筋HIIT(8分間/10種目)
全身運動のイメージが強いHIIT。
実は、パーツ特化型のメニューも存在します。今回はお腹中心に鍛えられる動画プログラムをご紹介。
ドローインでお腹を常に引っ込めながら、アプローチしたい筋肉を意識するとさらに効果的です。
【メニュー構成】
- たまご腹筋(腹直筋)
- レッグスイッチ(腸腰筋、腹筋下部)
- バイシクル(下腹部)
- ツイストクランチ(腹斜筋)
- ワイパー(腹斜筋)
- ドローイン(インナーマッスル)
- プランク(腹直筋、腹横筋)
- バキューム(体幹強化)
- クロスマウンテンクライマー(お腹全体)
- マウンテンクライマー(お腹全体)
お腹中心であるため、最初は完走が難しいかもしれませんが、種目数の増減で自分の体力に合わせて調整してみてください。
【HIITメニュー③】全身バキバキになれる上級者向けHIIT(10分間)
動きの速さやスタンス(腕・脚の幅)を変えると,同じHIIT種目でも負荷調節できます。
本動画では、同種目をEASY(左の女性)/HARD(右の男性)と2パターンで実践しています。慣れてきたら段階的に難易度を変えて運動負荷を高めると、ぐんぐん体が引き締まりますよ。
【メニュー構成】
- バービージャンプ
- ウィンドミル
- ランジ
- 立ち腹筋
- スクワット
- プランクダッシュ
- クランチタッチ
- ロシアンツイスト
- プッシュアップ
パーソナルジムでもHIITメニューに取り組める?
HIITの特徴や、トレーニング効果を高めるコツを解説してきました。
具体的なHIITメニューも紹介しているので、明日から早速取り組んでくださいね。
もしHIIT効果を実感できない場合、筋肉への負荷不足や間違ったフォームでトレーニングしている可能性もあります。
自分一人では解決できない、正しいHIITの知識を身に着けたい方がいれば、プロに頼るのも一つの手立て。専門知識のあるトレーナーなら、効率よく目標数値や体型へと導いてくれるはずです。
当ジムELEMENTでは、有資格トレーナーによる科学的・医学的根拠に基づいたパーソナルトレーニングを提供しています。1回30分でも、一人ひとりの筋力・体力レベルに合うプログラムなので確実に理想体型を目指せます。
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