糖質制限にチートデイはマスト?失敗しない方法やタイミングを解説

糖質制限やダイエット中の方なら、一度は耳にしたことがある「チートデイ」。

好きなものを好きなだけ食べてもOKな日
停滞期を乗り切るための特別な1日

こういった認識をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、実践方法や導入するタイミングを間違ってしまうとリバウンドの原因に。むしろダイエット前よりかえって体重が増加して、努力が水の泡となる場合もあるので要注意です。

そこで今回の記事では、チートデイの必要性や正しいやり方、注意点を詳しく解説します。

ぜひ理解を深めて、目標体型に近づきましょう!

糖質制限中にチートデイを設ける3つの目的

「チートデイ」とは、糖質制限やダイエット中に行う食事制限のこと。チートデイを直訳すると、「騙す日」や「ごまかす日」という意味になります。

チートデイの目的は、身体に「飢餓状態でない」と認識させること。1日限定であえてカロリーや糖質の制限のストッパーを外すことで、停滞期から抜け出すきっかけを作り出せるのです。

もう少し掘り下げていくと、以下3つの目的に分類できます。

目的①:モチベーションの維持

何かと辛い制限や我慢をともなう糖質制限。「どんなに頑張っても痩せないので止めたい」と挫折しかけた経験のある方も多いでしょう。

そんな時こそ、チートデイの出番です。

1日限りで好きなものを食べていい日を設けることでストレスを軽減。ダイエット中のモチベーションやメンタルヘルスの維持にとても役立ちます。

ずるずると続けてしまうと意味がありませんが、1日限定で食へのストレスを発散させてあげましょう。

目的②:基礎代謝の維持

糖質制限を続けていくと、身体が少ないエネルギーや糖質摂取に慣れることで、基礎代謝が落ちやすくなります。

代謝が落ちると、冷えや基礎体温の低下、疲労感を感じたり、脂肪が蓄積されやすいなど弊害が生じる場合も。

そこで、チートデイで大量に糖質を摂取することで、代謝のアップ効果が期待できます

チートデイのおかげで身体の飢餓状態がリセットされ、恒常性とも呼ばれるホメオスタシスの作用が弱まり、減量が再びスムーズに進むきっかけを作り出せるのです。

目的③:栄養不足を補う

ダイエット中は、糖質や脂質に加えて、ビタミン類やタンパク質の摂取量も減る傾向にあります。

意図的にチートデイを設けて、日頃補い切れない栄養を摂ることで、栄養不足の解消にも役立ちます

基本的には自分の好きな食事で構いませんが、余裕のある方はジャンクフードではなく、脂質の低い炭水化物やヘルシーなクリーンフード(肉や魚、野菜)を中心に献立を考えると良いでしょう。

糖質制限の基本的な知識は、以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひご参考にどうぞ。

【セルフチェック】糖質制限にチートデイが必要か確認する3つのポイント

チートデイを取り入れる前に、本当に必要か否かの見極めが大切になります。

以下の項目に当てはまる方は、チートデイが必要なサイン。該当しない方は、痩せない原因が停滞期ではなく、別に起因する場合もあります

ポイント①:体脂肪率が25%を下回っている

体脂肪率が25%以下の方は、2週間に1度程度のチートデイが必要です。逆に、体脂肪率が25%を上回る人は、チートデイを行う必要はありません。

男女によって基準が異なりますが、25%以上の体脂肪率は、男性の場合ならもう少し体を絞りたいレベル。女性なら標準程度の健康的な体型になります。

オーバーカロリーや脂質の摂取しすぎ、運動不足など他に痩せない原因がないか、もう一度食生活や生活習慣を振り返りましょう。

ポイント②:PFCバランスやアンダーカロリーを日頃から守れている

普段の食生活で適切なPFCバランスと、アンダーカロリー(消費カロリー>摂取カロリーの状態)を守れている方は、チートデイを検討しましょう。

一方、暴飲暴食や食べ過ぎ傾向の方がチートデイを行うと、かえって増量してしまいます。

チートデイではなく、日頃の食事バランスをまずは見直してください。

ポイント③:停滞期を迎えた方

上記①、②に当てはまるにもかかわらず、1〜2週間以上体重変動が見られない方は、チートデイを設けても良いでしょう。

人間の身体は飢餓状態に陥ると、基礎代謝を抑制して、餓死の危機から逃れようとする防御反応が生じます。

この作用は「ホメオスタシス効果」と呼ばれ、それによって体重が思うようになかなか減らない停滞期がやってくるのです。

そのため、停滞期に入った方は、体重を落とすペースを緩やかにして、チートデイを正しく取り入れることが大事となります。

「このままの摂取カロリーでも餓死しない」と身体が判断すれば、ホメオスタシス効果が弱まり、再び減量モードへと切り替わり、停滞期から脱却できるでしょう。

糖質制限中のチートデイの正しいやり方

チートデイを始める前に、正しい方法を確認しておくことが大切。3つのポイントを押さえると、大きな失敗がありません。

①基本的に自分が好きな物を食べる

基本的には自分が好きな食べ物でストレス発散すればよし!」というのが、チートデイ本来の意味です。

ダイエットの長期戦を乗り切るためにも、代謝の維持や停滞期脱却のカンフル剤としてチートデイで上手に息抜きしてあげることが必要になります。

②炭水化物を中心に摂取

特に糖質制限中は、大好きな炭水化物を控える方も多いのではないでしょうか。

このチートデイでは炭水化物を中心に、白米やパン、カレーやパスタ、糖質の低い和菓子などを摂取して、代謝を向上させていきましょう。

チートデイに摂取したい炭水化物の摂取目安は、体重✖️10g程度。体重65kgの方でしたら、約650gの炭水化物の摂取が目安量です。

一般的な炊飯済みのご飯の場合、1膳あたり約160g。そのうち、炭水化物は約60g相当です。

しかし、糖質だけを大量に摂取する食事法は、急激に血糖値が急上昇し、血糖値を抑えるためにインスリンホルモンが分泌され太りやすくなります。

こうした理由から、炭水化物を摂取する時は、糖質の吸収を緩やかにし、インスリン分泌を抑える食物繊維を一緒に摂ると効果的

食べる順番や食べ合わせの工夫で、ぜひチートデイでも太りづらい身体を目指しましょう。

チートデイにおすすめの炭水化物メニュー】

お寿司、うどん、そば、パン(食パン、ライ麦ブレッド、腹持ちのいいベーグル等)、カレーライス、焼肉、ステーキ、焼き鳥、パスタ(トマト系や和風)、和菓子、果物

一口に炭水化物と言っても、その内容は様々。

食物繊維の多いパン類やさつまいも、低糖質なゆで蕎麦など、極力脂質をカットすると、脂肪の蓄積を抑えることが可能です。

③基礎代謝✖️3倍のカロリーを1日で摂取

チートデイは正しい方法を実践してこそ、効果が得られます。誤ったやり方では、痩せるどころかかえって太るので要注意です。

チートデイ当日の摂取カロリー目安は「基礎代謝✖️3kcal」で算出できます。

例えば、基礎代謝が1,200kcalの場合、少なくとも3,600kcalのカロリーを1日で摂取しなくてはなりません。例えば、炊飯済みの白米6.8合分、寿司(並8貫)6人前分に相当します。

糖質制限中のチートデイに避けた方がいい食べ物

チートデイでも食べない方がいい食材もあります。減量を成功させるためにも、中毒性のある食べ物や、消化に負担のかかる食事は控えた方が賢明です。詳しく解説していきましょう。

①アルコール

筋トレ効果や脂肪分解の抑制、食欲を促進する効果のあるアルコール類は、基本的にはおすすめしません。

それでも、「どうしても大好きなお酒を飲みたい!」という方は、ウイスキーやハイボール、焼酎といった低糖質な蒸留酒の摂取がおすすめ。

1日だけ心身を存分に解放してあげましょう。

②高脂質・高糖質なもの

チートデイには、脳の満腹中枢を刺激して、脂肪を溜め込まないようにする目的があります。

そのため、普段は我慢しているファーストフードも、1日限りのチートデイなら解禁OKです。

ただし、高脂質、高カロリーでトランス脂肪酸を大量に含むフライドポテトや、ハイカロリーな清涼飲料水やシェイクはおすすめできません。

不足している栄養を補って、美しく引き締まった身体を目指すためにも、エンプティーカロリーやジャンクフードは避けてください。どうしても食欲を抑えきれない場合、小サイズで量を抑える工夫を盛り込みましょう。

同様の理由で、体に良くないマーガリンやショートニングを含む菓子パンや加工食品、洋菓子もチートデイには控えることをおすすめします。

【失敗の原因】糖質制限中のチートデイ6つの注意点

停滞期の脱却や栄養不足の解消と、多くのメリットをもたらしてくれるチートデイ。しかし、やみくもに暴飲暴食すれば失敗します。

ここで失敗しやすい6つの原因を押さえておきましょう。

  1. 実施は1日のみ、最大週1回まで
  2. 1日3回に分ける
  3. 当日の運動は控える
  4. 独自ルールで行わない
  5. 翌日からダイエット食に戻す
  6. 「チートデイ=ご褒美」と考えない

詳しく解説していきます。

①実施は1日のみ、最大週1回までにする

糖質制限中のチートデイは、最初は週1回に設定してください。徐々に慣れてきたら、2〜3週間に1回と間隔を伸ばしてみましょう。

ただし、必ずしもチートデイを実施する必要はなく、停滞期を迎えたタイミングで都度設定すればOKです。

不必要な炭水化物の摂取は、エネルギー源を脂質とする身体に近づいてきたにもかかわらず、再び糖質をエネルギー源とする身体に戻してしまう可能性もあります。

②1日3食に分ける

チートデイの目的は、糖質制限中の飢餓状態から脱却することです。

そのため、好きなものを1度で大量摂取するよりも、1日3回に分けてバランスよく栄養を摂ることが身体にとっては理想的だと考えられています。

またドカ食いは消化器官への負担も大きく、身体にも悪影響です。

しっかり食べ物を咀嚼すると、消化の手助けにも役立ちます。

③当日の運動は控える

チートデイ当日は、運動する必要はありません。わざわざ摂取したカロリーが運動で消費されてしまうと、ホメオスタシスの状態から一向に抜け出せません。

翌日から再開する糖質制限に備えるためにも、チートデイ当日はカロリー摂取に専念しましょう。

④独自ルールで行わない

停滞期に行うチートデイに、大量のカロリーを摂取することに不安感を覚える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、チートデイ前後に絶食や過度な食事制限を行うなど、独自ルールを作るのは避けてください。

基礎代謝の3倍ものカロリーを摂るため、翌日に体重が増えない方はチートデイ失敗の可能性もあります。

チートデイ本来の目的を達成するためにも、平時より少しだけ多く糖質を摂取するといった中途半端な食事法はおすすめしません。

⑤翌日からダイエット食に戻す

チートデイ翌日からは、必ず普段通りの食事に戻してください。

今までのダイエット効果を無駄にしないためにも、ずるずると過食を続けず1日限定で終えましょう。

「前日の食べ過ぎで身体が重い‥」という方は、運動やトレーニングは午後の時間帯がおすすめ。すっきりした状態で運動に取り組めます。

⑥「チートデイ=ご褒美」と考えない

前述の通り、チートデイの目的は、飢餓状態の身体を騙して、省エネモードからの脱却を図ること。やけ食いやストレス解消のドカ食いdayではありません

体脂肪率が20〜25%の方なら2週間に1回程度、その後徐々に間隔を伸ばしてください。順調に体重が落ちている方は、チートデイは不要です。

糖質制限中は脂質がエネルギー源の身体へと変化しますが、チートデイを乱発するとその効果が薄れることも念頭に置きましょう。

糖質制限中にチートデイを設けるデメリット

糖質制限中のチートデイにも、もちろんデメリットが存在します。リスクを理解した上で実践しましょう。

①食べた分だけ体重は増える

当たり前ですが、食事制限のストッパーを外した分だけ体重は増加してしまいます

さらに、糖質1gにつき3gの水分量を保持する、水分と結合しやすい炭水化物を大量摂取することで、一時的に体重が1〜3kg増える可能性も。

しかし、これはチートデイ本来の目的であり、ダイエットに失敗した訳ではありません。

翌日から再び糖質制限を徹底すれば問題ありませんので、翌日の体重増加はそれほど気にする必要はないでしょう。

仕組みを正しく理解できていないと、不要な焦りを招く原因となるため、しっかり理解を深めておくことをおすすめします。

②停滞期以外だと逆効果

糖質制限中の停滞期でないにもかかわらずチートデイを実践しても、効果が出ないばかりか逆に増量します

停滞期は2週間から約1ヶ月続くことが多いですが、個人差もあり中には2か月ほど続く方もいます。

もし、体重減少が見られなくても、体脂肪率が減って筋肉量が増加していたら停滞期には該当しません。

一方で、体重と体脂肪率のどちらにも数値変動が見られない時は、停滞期のサインと判断して良いでしょう。

③低血糖が起きる可能性がある

特に普段極度な糖質制限をおこなっている方は、チートデイの過度な糖質摂取には要注意。

日常的に糖質をカットする生活が定着していると、急激な糖質に反応できず、糖質の大量摂取でインスリンの分解が不安定になりがちです。結果的に、低血糖を招く可能性もあるでしょう

低血糖になると手や指のふるえ、冷や汗や動悸、痙攣などの症状があらわれる方もいます。細心の注意を払って実践するようにしてください。

糖質制限にチートデイを取り入れるならパーソナルジムで学ぼう!

糖質制限中のチートデイを正しく行うコツや注意点を解説してきました。

「なぜチートデイが必要なの?」と疑問に感じていた方も、理解が深まったのではないでしょうか。

チートデイは正しいやり方さえ守って行えば、停滞期を脱却するための強力な味方となるはずです。

もし本当に正しいやり方ができているのか不安な方は、ジムのパーソナルトレーナーに頼るのもおすすめ

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この記事を書いた人

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