「スクワット=重いおもりを付けて行うハードなトレーニング(無酸素運動)」というイメージを持っていませんか?
たしかに、下半身の筋肉をがっつり鍛えるためのトレーニングとしてスクワットは有効ですが、実はやり方によっては有酸素運動としても効果的なトレーニングなんです。
- 無酸素運動としてのスクワット:重りを重くして、短時間で力を発揮するトレーニング
- 有酸素運動としてのスクワット:重りを軽くして、継続的に筋肉に負荷を与えるトレーニング
今回の記事では、有酸素運動と無酸素運動の違いという根本的な部分から、おすすめの有酸素運動としてのスクワットメニュー、効果を得やすいコツについて解説します。
自宅で簡単に取り組めるにも関わらず、ダイエットやボディメイク、健康維持など様々な目的で役立ちますので、ぜひ参考にしてください!
【大前提】無酸素運動と有酸素運動の違い
まずは、大前提として無酸素運動と有酸素運動の違いを把握しておきましょう。
トレーニングの目的によって取り入れるべき運動の種類が異なりますので、効率よく効果を得るためにも知っておいてくださいね。
無酸素運動とは
無酸素運動は酸素を使用せず、筋肉に強い負荷をかけて短時間で大きな力を発揮する運動方法です。
ウェイトトレーニングや短距離走などが該当します。
無酸素運動では、糖をエネルギー源として体内で消費され、筋肉量を増やす目的で取り入れられることが多いです。
有酸素運動とは
有酸素運動は、酸素を利用しながら脂肪をエネルギー源として使用し、筋肉へ比較的軽い負荷を継続的にかける方法です。
ランニング、水泳、サイクリングなどが該当します。
「ダイエットは有酸素運動が効果的」とよく言われるのは、無酸素運動は糖をエネルギー源とするのに対し、有酸素運動は体脂肪をエネルギーとして使うからです。
痩せるためには体脂肪を分解しなければなりません。有酸素運動で多量の酸素を体に取り入れながら運動することで、ダイエットの効果を得られます。
スクワットを有酸素運動として正しく行えば、脂肪を燃焼させながら脚やお尻の筋肉が強化され下半身全体を引き締めることも可能です。
スクワットにもいろいろな方法があるので、間違った手順で行わないようしっかりと確認してから行いましょう。
スクワットを有酸素運動として行うメニュー
スクワットは、太もも(大腿四頭筋・ハムストリングス)、お尻(大臀筋)、背中(脊柱起立筋)、お腹などの様々な筋肉が鍛えられ、筋肉がつくと姿勢改善やボディメイクなどの効果を得られます。
有酸素運動として行うのにおすすめなメニューを3つ紹介します。
ハーフスクワット
腰を落とす角度を浅くして行うスクワットです。一般的なスクワットの半分だけ膝を曲げるので、負荷が少なく女性や初心者の方でも簡単に行えます。
【ハーフスクワットの手順】
- 足を肩幅に開きつま先は少し外側へ向ける。
- 腕を前に伸ばして正しい姿勢で立つ。
- お尻を軽く突き出し、膝を曲げて下半身をおろす。このとき、背中はまっすぐに保ち、膝がつま先よりも前に出ないように気をつける。
- 一度下がったらゆっくりと立ち上がる。
- 10〜15回×3セットを目安に行う。
腰を落とす角度が浅く、最初は効果を感じにくいかもしれません。続けていると徐々に辛くなるので、姿勢を崩さないよう注意してください。
毎日継続的に行うことで下半身の筋力アップにつながります。
スロースクワット
一般的なスクワットよりもゆっくり行うスクワットです。負荷が少なく普段あまり運動しない人も始めやすいのが特徴です。
【スロースクワットの手順】
- 足を肩幅に開きつま先は少し外側へ向ける。
- 腕を前に伸ばして正しい姿勢で立つ。
- 椅子に座るようにお尻を軽く突き出し、5秒かけて膝をゆっくりと落とす。このとき、背中はまっすぐに保ち、膝がつま先よりも前に出ないように気をつける。
- 太ももが床と並行になったら5秒かけてゆっくりと立ち上がる。
- 10回×3セットを目安に行う。
腰を落とす時は膝が痛くならないように、膝をつま先よりも前へ出さないようにしましょう。
筋肉は戻す時に緊張するので、呼吸は下がる時に吸い込み、上がる時に吐いてください。10回続けられない人は無理せず回数を減らし、徐々に増やすと無理なく続けられます。
ジャンプスクワット
スクワットの後にジャンプをすることで、無酸素運動と組み合わせた効果的なトレーニングになります。
【ジャンプスクワットの手順】
- 足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側を向ける。
- 膝を曲げて浅くスクワットを行う。
- 腕を頭上へあげながら、膝を伸ばして真上へジャンプする。
- 膝を柔らかく少し曲げて着地したら、素早くもう一度ジャンプする。
- 10回×3セットを目安に行う。
着地する時は膝を痛めないよう、かかとを少し浮かせて膝を柔らかく曲げながら着地しましょう。
ジャンプによる衝撃で背骨に負担がかかるため、顎をあげないことと背中を丸めないことを意識するのが大切です。
また、クッション性のあるスニーカーをはいたり、やわらかい床の上で行うと関節への負荷を最小限におさえられます。
有酸素運動としてのスクワットでダイエットやボディメイクの効果を得るコツ
有酸素運動を行うと血液の循環が良くなります。
血流が改善されることで、基礎代謝もアップし、ダイエットやボディメイクの効果が期待できるのです。
ここからは、スクワットで有酸素運動のダイエットやボディメイク効果を得るために気を付けたいコツを4つ紹介します。
正しいフォームで行う
スクワットを正しいフォームで行うことは重要です。
正しいフォームで行わないと、膝や腰などに負荷がかかり、怪我をしてしまうことがあります。
腰を落とすときは膝がつま先よりも前に出ないように注意し、背中を丸めず正しい姿勢で行ってください。慣れないうちは鏡を見ながら行いましょう。
また、正しいフォームが自分一人で分からない時はトレーナーなどに相談しましょう。
スクワットの正しいフォームを身につけたい方は、以下の記事も参考にしてください!
関連記事:「スクワットの正しいフォームやよくある間違いは?アレンジ8種も紹介」
負荷を強くしすぎない
慣れないうちは、負荷をかけすぎないよう気を付けましょう。
スクワットは慣れてきたら両手にダンベルなどの重りを持って行うことで、筋肉への負荷を強くできるトレーニングです。
しかし、自身の筋力や体力に合わない負荷をかけてしまうと、怪我の原因となりかねません。大切なのは、脚や腰に筋肉がつき、慣れてきたころに負荷を増やすことです。
有酸素運動としてのスクワットは、負荷を上げることを目的にしなくても大丈夫ですので、軽い負荷から始めましょう。
もし負荷を少しずつ上げるのであれば、500mlのペットボトルに少しずつ水を足していく方法です。
時間を意識してトレーニングする
有酸素運動は一定時間、継続的に行うことが大切です。
ダイエットを意識している人は特に20分以上行うことを意識しましょう。何回かに分けて行っても大丈夫です。
慣れないうちは浅めのスクワットを無理なく行い、定期的に継続することを目標にしてください。
呼吸を止めないようにする
スクワットは呼吸を止めずに行いましょう。呼吸を止めると脳や筋肉に酸素が行き届かず、筋肉を十分に使えません。
腰を落とすときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くようにすれば、全身に充分な酸素が供給され効果的なトレーニングができます。
また、呼吸をコントロールすることで筋肉の疲労を軽減する効果もあります。
試しに息を止めてスクワットを行ってみてください。呼吸をしている時より早く疲れを感じるはずです。
より長時間トレーニングを継続するために正しい呼吸法は欠かせません。
スクワット+有酸素運動の組み合わせもOK
スクワットは呼吸を止めて行うことで、有酸素運動というよりも無酸素運動に分類されます。
人によっては、スクワットと有酸素運動を組み合わせる場合に、「無酸素運動と有酸素運動はどっちを先にするべきなの?」と疑問を持つ人がいるかもしれません。
その答えは、無酸素運動としてスクワットを行った後に有酸素運動をするのがおすすめです。
なぜなら、有酸素運動は無酸素運動(筋トレ)の後に行うことで、脂肪燃焼効果が高まるからです。
体脂肪の燃焼が始まるのは有酸素運動を始めてからおよそ20分後ですが、無酸素運動をした後の体であれば体脂肪が燃えやすくなっています。
無酸素運動としてスクワットをした後に有酸素運動を行うと高い脂肪燃焼効果が期待できます。
スクワットと組み合わせたい有酸素運動
スクワットとあわせて行うおすすめの有酸素運動を5つ紹介します。
- 踏み台昇降
- リズムエクササイズ
- エア縄跳び
- バービージャンプ
- ウォーキング
踏み台昇降
台の上にのぼったり下りたりする運動方法です。軽い負荷で動作も簡単なため、初心者でも継続して行えます。
【踏み台昇降の手順】
- 背筋をまっすぐに伸ばして踏み台の前に立つ。
- ひじを90度曲げ、骨盤からのぼるイメージで片足を乗せる。
- もう片方の足も台に乗せて台の上に立つ。
- 腹筋に力を入れたまま、最初にあげた方の足を後方に下げ床の上に下ろす。
- 20分以上を目標に動作を繰り返す。
筋肉トレーニング用の台であれば、台の高さは20センチ程度が目安です。辛ければ10センチから始めましょう。
踏み台に乗るときは足音が鳴らないよう、ゆっくり行うと筋トレ効果がアップします。リズミカルに行うため音楽を聴くのも良いです。
ダイエットが目的の場合は、腕を振る動作を大きくすることで消費カロリーを増やせます。
リズムエクササイズ
リズムエクササイズとはリズムに合わせて行う有酸素運動のことです。
代表的なリズムエクササイズにダンスやエアロビクスがあります。全身を使いますが、音楽にあわせて行うため運動中は疲れを感じにくいです。
「先生の動きを手本に動いていたら終わった後にようやく疲れを実感した」という経験はありませんか?笑顔で楽しく行うので、気分もあがり疲れを感じず動き続けられるのです。
音楽に合わせて動くといろいろな運動を楽しく行えます。お気に入りの動画や音楽を見つけてモチベーションアップにつなげましょう。
エア縄跳び(アンクルホップ)
エア縄跳びまたはアンクルホップは縄跳びのように、実際にある縄を飛ぶ運動ではありません。縄跳びの真似をする運動のことです。
脚の筋肉だけでなく腕や胸の筋肉も鍛えられます。縄跳びが苦手な人や、室内で運動をしたい人におすすめの運動です。
【エア縄跳びの手順】
- 足は肩幅程度に開いて立ち、膝を少し曲げる。
- ひじを90度に曲げて脇を締める。
- 背筋を伸ばし、両手に持った縄を回すイメージで腕を回す。
- 回す腕に合わせてその場で跳ぶ(前跳びと同じ動き)。
- 3分×6セットを目安に繰り返す。
縄を用意する必要が無く、家の中でできるので気軽に始められます。日常生活ではあまりしない動きのためすぐに疲れを感じますが、誰かと話しながら行うくらいの気軽さで継続して行ってください。
慣れないうちは1分程度から始めましょう。姿勢が悪くなると脚や腰に負荷がかかるため、疲れて前のめりになってくるタイミングが休憩の合図です。
バービージャンプ
立った状態から腕立て伏せの状態になり、立ち上がってジャンプをするトレーニングです。スピード感をもって行うため、筋力アップだけでなく敏捷性も高めてくれます。
【バービージャンプの手順】
- 足を肩幅程度に開き真っすぐ立つ。
- 膝を曲げて両手を床につく。
- 手を軸にして体重を支え、両足を後ろへ伸ばす。
- 腕立て伏せの状態になったら、両足を元の位置に戻す
- 立ち上がってジャンプをし、その勢いのまま頭の上で手をたたく。
- 3分×3セット行う
バービージャンプは腕、胸、背中、脚の筋力トレーニングです。
疲れると前傾姿勢になりがちなので、背中をまっすぐに保つことを意識してください。
また、全身を鍛える有酸素運動ですが、普段あまり運動をしない人は1セット行うだけで辛いかもしれません。初めは休憩を入れながら、動作を体に馴染ませるイメージで行いましょう。
ウォーキング
初心者が運動不足解消やダイエットのために最も始めやすいのがウォーキングです。
ただ歩くだけかと思うかもしれませんが、ジョギングよりも膝に負荷がかかりにくいので無理なく継続できるのが特徴です。正しいフォームで行えば他の有酸素運動と同じく心肺機能の向上や基礎代謝の活性化、ストレス解消なども期待できる有酸素運動です。
【ウォーキングの注意点】
- 歩くときは、かかとから足先の順に着地する。
- 肩を前に出しすぎないよう後方に引き、軽く胸を張って歩く。
- 腕を自然に揺らし、一定のリズムを作る
- 心拍数を上げすぎないよう適度な速さで歩く
- 20分以上行う
息が切れるほど速く歩く必要はありません。固い道路などを歩くと膝や足裏に負荷がかかるので、十分なクッション性があり足にフィットする靴を履きましょう。
歩く時間や距離は、体力や目的に合わせて調整してください。定期的に行うことで、健康維持やダイエットにつながります。
以下の記事では、有酸素運動と筋トレの組み合わせ方を解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:「有酸素運動×筋トレが最強コンビ!効果的な順番や方法を解説」
スクワット+有酸素運動で痩せるコツ
ここまでは運動方法をお伝えしましたが、目的がダイエットの場合は他にも気を付けるべきことがあります。
以下、スクワット+有酸素運動で痩せるためのコツを4つ紹介します。
スクワット→有酸素運動の順に取り組む
ダイエットをするなら、スクワットの後に有酸素運動を行う方がおすすめです。
筋肉に負荷を与えると成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは骨や筋肉の発達を促すだけでなく、筋トレで損傷した筋肉の回復を早めて脂肪の分解に効果を発揮することが分かっています。
つまり、スクワットの後に有酸素運動を行えば成長ホルモンの作用により脂肪燃焼率が大きくなるのです。
有酸素運動の後に筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が抑制されるという研究結果もあるので、成長ホルモンの作用を最大限引き出したいならスクワットの後に有酸素運動を行ってください。
また、有酸素運動で疲れたままスクワットを行うと、正しい姿勢を維持できず膝や腰を痛める要因になります。筋肉への十分な効果も期待できません。
スクワットの後すぐに有酸素運動をする場合も、強い疲労を感じる時は安全のため少し休んでから行うようにしましょう。
低カロリーでバランスの取れた食事を心がける
トレーニングと合わせて、低カロリーでバランスの取れた食事を心がけましょう。
バランスの取れた食事を心がけることはダイエットや美しいボディメイクに効果的です。
筋肉はタンパク質を中心にさまざまな栄養素でできています。「瘦せたい!」と過剰な食事制限をして必要な栄養素を体に入れないと体の調子を崩してしまいます。
トレーニングの効果を最大限に引き出すため、バランスの良い食事を心がけ理想のボディを手に入れましょう。
関連記事:「筋トレ効果を最大に!筋トレ前後におすすめの食事メニューを解説」
水分補給を怠らない
トレーニングをするときはこまめに水分補給をしましょう。
トレーニング中は汗をかくことで体から水分がでていきます。水分を補給しないままトレーニングを続け脱水症状になると、集中力が低下し体のコントロールがきかず怪我をする危険があります。
特に冬など肌が乾燥しやすい時期に運動をすると汗はすぐに蒸発するため、汗をかいている自覚がしにくいです。運動をしたり気温があがると体温は自然とあがるので、定期的に水分をとるようにしてください。
水分を補給するときは一度に大量の水を飲むのではなく、適切な頻度で摂るようにしましょう。
大量の水を一気に飲んでも体はうまく吸収できません。
喉が渇いたと自覚する前に、こまめに補給することが大切です。塩分を含んだ水は熱中症にも効果的なので、激しい運動をした時や熱い夏の日などは飲み物に塩をひとつまみ入れて飲むのがおすすめです。
スクワット+有酸素運動で痩せるなら、パーソナルジムがおすすめ!
「筋トレの王道」とも言われるスクワットは誰でもできる簡単なトレーニングです。有酸素運動としても無酸素運動としても効果が高く、下半身の脂肪燃焼に加えて基礎代謝や心肺機能の向上が期待できます。
ただし、効果的な有酸素運動を行うためには正しいフォームや手順を知る必要があります。間違った方法でスクワットを続けても効果はでないどころか、腰や膝を傷める要因になるからです。
「一人で続けるのは難しい」「せっかくやるなら効果がでやすい方法を試したい」と感じている人は、ぜひパーソナルジムを活用してみてください。
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スクワットだけで痩せるのは難しく、低カロリーでバランスの取れた食事や水分補給も大切です。分からないことはトレーナーに相談し、理想のボディを目指してください。