「HYROX(ハイロックス)って何をする競技?」「ジムで見かけたけれど、普通のトレーニングと何が違うの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
HYROXは、1kmのランと、1つのワークアウト種目を、交互に8回繰り返すフィットネスレースです。走る力と、全身を使う種目をこなす力の両方が試されます。年齢や経験を問わず参加でき、世界共通のルールとランキングがあります。
この記事では、HYROXの仕組み、生まれた背景、8種目それぞれの動きと基準、ディビジョンごとの重量、参加条件、ペナルティを、公式ルールブックの数値でまとめます。これから興味を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
結論
HYROXは、1kmのラン+1種目を8回繰り返すフィットネスレースです。走る距離は合計8km、種目は8つで、順番はどの大会でも同じです。
種目の重量は、男女とProの区分(ディビジョン)で決まります。参加は16歳以上で、制限時間はなく、事前の資格も要りません。
監修者
鈴木太郎(株式会社MIGRIDS 代表取締役)。経営・マーケティングを専門とし、プレイヤーとしてもHYROXの大阪大会・千葉大会に出場しています。
HYROX(ハイロックス)とは|1kmランと8種目のレース

HYROXは、1kmのランのあとに1つのワークアウト種目を行い、これを8回繰り返すレースです。会場は屋内の広いホールで、走る距離は合計8kmです(HYROX Japan公式)。
レースの形式|1kmのラン+1種目を8回、合計8km
スタートすると、1kmのランに続いて、SkiErg、スレッドプッシュなどの種目を、決まった順番で1つずつ行います。最後の種目はウォールボールです。ランと種目は続けて行うので、疲れた体のまま次のランに入ります。
HYROXの特徴|世界共通のルール・固定された順番・誰でも参加できる
- 世界共通のルール:公式は、グローバルなランキングと記録を持つ公式のスポーツと案内しています。
- 種目の順番が固定:どの大会でも、同じ8種目を同じ順番で行います。
- 誰でも参加できる:公式は「HYROX is for everybody」と案内しています。
読み方と表記|「ハイロックス」と読む
「HYROX」は、日本語では「ハイロックス」と呼ばれています。HYROX Japan公式も、「HYROX」と「ハイロックス」の両方を使っています。この記事では「HYROX」と表記します。
HYROXが生まれた背景と規模

HYROXは、一般のジム利用者を対象にした、初めての大規模参加型の競技イベントとして生まれたと、HYROX Japan公式は説明しています。
誕生の経緯|「誰でも挑戦できる」レース形式をつくった
公式は、従来の持久系イベントと、ファンクショナルフィットネス(日常の動きに近い全身運動)のあいだにあった隔たりを埋め、「誰でも挑戦できる」レース形式をつくった、と説明しています。創設者は、大規模参加型レースの主催者のクリスチャン・トエツケ氏と、モリッツ・フュルステ氏です(HYROX Japan公式の紹介による)。
規模|海外では4,000人以上が参加する大会も、日本の千葉は約12,000人

公式によると、HYROXはヨーロッパとアメリカで大きく成長し、一部の大会では参加者が4,000人以上、観客が10,000人を超えます。公式は、現在のジム会員の52%が、フィットネスを主なスポーツとして挙げているとも紹介しています。
日本の大会も、規模が大きくなっています。2026年8月に幕張メッセで開催された千葉大会は、参加者が約12,000人、観客が11,069人でした(主催のHybrid Fitness Racing HK Limitedの発表、2026年8月13日)。日本で初めての4日間開催で、前回の大阪大会(参加者8,087人)を48%上回る、国内最大規模のHYROXレースになりました。
日本での開催|横浜が初開催、大阪・名古屋が予定
日本では、2025年8月9日の横浜が初開催です。2026年10月時点で、HYROX Japan公式の一覧に載っている大会は、2027年の大阪と名古屋、日付未発表の福岡です。最新の日程やエントリーの方法は、HYROX大会の参加ガイドにまとめています。大阪大会の日程・会場・チケットは、HYROX大阪の日程・会場・チケットで詳しく解説しています。
HYROXの種目一覧|8種目の順番・距離・重量

HYROXの種目は8つで、順番はどの大会でも同じです。ラン1kmのあとに1種目を行い、これを8回繰り返します。
8種目の一覧表
| 順番 | 種目 | 距離・回数 | WOMEN OPEN | MEN OPEN | 動きのイメージ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | SkiErg(スキーエルグ) | 1,000m | — | — | スキーのストックを引くように、全身でハンドルを引くマシン |
| 2 | スレッドプッシュ(Sled Push) | 4×12.5m(計50m) | 102kg | 152kg | 重りを載せたそりを押して進む |
| 3 | スレッドプル(Sled Pull) | 4×12.5m(計50m) | 78kg | 103kg | そりをロープで手前に引き寄せる |
| 4 | バーピーブロードジャンプ(Burpee Broad Jump) | 80m | — | — | バーピーのあとに、前方へ跳ぶ |
| 5 | ローイング(Rowing) | 1,000m | — | — | ボートを漕ぐ動きのマシン |
| 6 | ファーマーズキャリー(Farmers Carry) | 200m | 2×16kg | 2×24kg | ケトルベルを両手に持って歩く |
| 7 | サンドバッグランジ(Sandbag Lunges) | 100m | 10kg | 20kg | サンドバッグを担いでランジをしながら進む |
| 8 | ウォールボール(Wall Balls) | 100回 | 4kg | 6kg | ボールを壁の的に向かって投げる |
出典は、HYROX公式の「Singles Rulebook 26/27」です。スレッドプッシュ・プルは、12.5mのレーンを4回(4×12.5m)、合計50mです。
重量は、シングルのOpenの場合です。Proの重量は、「ディビジョンと重量」の節にあります。「—」は、重量の区分がない種目です。
走る距離|8つのランで合計8,000m
ランは、約1,000mずつの8つの区間に分かれ、合計は8,000mです。会場の形によって、1区間の距離が少し変わることがあります。
HYROXの種目別ルール|8種目の動きと基準

各種目には動作の基準があり、満たさない動きは記録されません。種目ごとの主な基準は、公式ルールブックにもとづいて説明します。
種目1|SkiErg(スキーエルグ)1,000m

両足を、マシンの台の上に置いて行います。ジャンプするような動きは認められていますが、足が床に触れると違反になります。1,000m終わったら、両足を台に置いたまま腕を上げ、審判の確認を待ってから降ります。
種目2|スレッドプッシュ(Sled Push)50m

審判が割り当てたレーンを使います。そりは、12.5mのラインを完全に越えてから折り返します。4往復分(4×12.5m)が終わり、そり全体がラインを越えると完了です。
種目3|スレッドプル(Sled Pull)50m

ロープでそりを引き寄せます。引くときは、立ったままで行います(座る、膝立ちは不可)。選手は、レーンの両端にある決められたスペース内にとどまります。
種目4|バーピーブロードジャンプ(Burpee Broad Jump)80m

最初に、胸を地面につけるバーピーを行います。そこから前方へブロードジャンプをします。踏み切りと着地は、両足を同時に行います。足のずれは5cmまでです。バーピーの底では、胸が地面にはっきり触れる必要があります。跳ぶ距離は、選手が決められます。
種目5|ローイング(Rowing)1,000m

マシンに座ったまま、1,000mを漕ぎます。ハンドルを戻して休むことはできますが、立ち上がったり降りたりはできません。マシンの抵抗値は「6」に、足板の位置は「4」に、あらかじめ設定されています(選手が調整できます)。
種目6|ファーマーズキャリー(Farmers Carry)200m

ケトルベルを両手に1つずつ持ち、腕を体の横に伸ばしたまま、200m歩きます。ケトルベルを置いて休むことはできますが、前に進めて置くことはできません。終わったら、ケトルベルを指定の場所に、取っ手が上向きになるよう戻します。違反は30秒のペナルティです。違う重量で行うと、種目を最初からやり直しになります。
種目7|サンドバッグランジ(Sandbag Lunges)100m

サンドバッグを担いで、100mをランジで進みます。1回ごとに、後ろの膝が地面にはっきり触れ、立った姿勢(腰と膝を伸ばした状態)で終えます。左右の足は交互に行います。レーンの端では、前足が白線を完全に越える必要があります。
種目8|ウォールボール(Wall Balls)100回

立った姿勢でボールを両手で持ち、しゃがんでから投げ、的に当てると1回です。100回終わるまで、審判の確認を待ちます。基準を満たさない回は「no rep(ノーレップ)」となり、数えられません。
HYROXのディビジョンと重量|男女・Proで重さが変わる

HYROXの単独(シングル)のディビジョンは4つです。走る距離はどのディビジョンも1km×8回で同じです。
単独4ディビジョンの重量表
| 種目 | WOMEN OPEN | MEN OPEN/WOMEN PRO | MEN PRO |
|---|---|---|---|
| スレッドプッシュ(そり込み) | 102kg | 152kg | 202kg |
| スレッドプル(そり込み) | 78kg | 103kg | 153kg |
| ファーマーズキャリー | 2×16kg | 2×24kg | 2×32kg |
| サンドバッグランジ | 10kg | 20kg | 30kg |
| ウォールボール(100回) | 4kg | 6kg | 9kg |
SkiErg・バーピーブロードジャンプ・ローイングは、重さの区分はありません。距離は、どのディビジョンも同じです。
ダブルス・ダブルスPro・リレー
HYROX Japan公式は、ディビジョンを全部で10種類と案内しています。単独のほかに、次の形式があります。
- ダブルス:パートナーとペアで挑戦します。ランは一緒に走り、種目の負荷を分け合います。
- ダブルスPro:ダブルスと同じ形式で、重量はProレベルです。
- リレー:友人や家族とチームを組み、各メンバーが1kmのランと2つの種目を、2回ずつ担当します。
どのディビジョンを選ぶ?
公式は、標準のOPENを「誰にとってもやりごたえがあり、達成できる範囲のレース」と説明しています。経験の豊富な人向けに、重量の重いPROがあります。
HYROXのルールとペナルティ

動作の基準を満たさないと、ペナルティで時間が加算されます。公式ルールブックの主な内容は、次のとおりです。
動作の基準と審判
ヘッドジャッジ(審判長)が、8つの種目とランのコースの責任を持ちます。器具やレーンは、審判が指定します。選手が自分で選ぶことはできません。ランの周回数は、選手が自分で数えます。
ペナルティの一覧
| 違反の内容 | ペナルティ |
|---|---|
| 種目の違反(SkiErg・スレッド・バーピー・ローイングなど)の1回目 | 正式な警告 |
| 同じ種目の2回目の違反 | 15秒 |
| 3回目以降の違反 | 1回ごとに15秒加算(警告はなし) |
| ファーマーズキャリーでケトルベルを正しく戻さない | 30秒(Roxzoneを出る前に直せば、なし) |
| Roxzoneの出入口(IN/OUT)を逆に通る | 1回ごとに2分 |
失格になる行為
種目を最後まで行わない、または1kmのランを飛ばすと、失格になります。ファーマーズキャリーで違う重量を使ったまま、やり直さない場合も失格です。
HYROXの参加条件|16歳以上・制限時間なし

HYROX Japan公式のFAQによると、参加の条件は次のとおりです。
年齢・資格・制限時間
- 年齢:16歳以上であれば、誰でも参加できます。
- 資格:事前の資格や記録は要りません。
- 制限時間:ありません。
- 年代:ダブルスは、2人の平均年齢で年代が分かれます。
平均の完走時間と、記録の残り方
平均の完走時間は、約1時間32分です。すべての参加者にタイミングチップが付けられ、公式の完走タイムが計測されます。タイムは、HYROXのグローバルランキングで、すべての大会・ディビジョン・年齢グループと比べられます。レースのあとは、区間ごとのタイム(スプリットタイム)の詳細なレポートも受け取れます。次のレースの練習に役立ちます。
運動の経験が少ない人でも、重量の軽い区分(WOMEN OPENなど)から始められます。ただし、8kmのランと100回のウォールボールを含む、全身を使うレースです。持病や不安がある人は、始める前に医師に相談してください。
HYROXの準備|公式が勧める練習の考え方

HYROX公式は、準備の考え方として次の点を挙げています。
ランが競技の約半分
全部で8kmのランを含むため、走る力の土台が必要です。競技のうちランの比率は50%と、公式の準備ページは示しています。
疲れた状態で走る練習
種目のあとにランに入る練習(コンプロマイズドラン)を取り入れます。種目で疲れた状態で走る感覚を、練習で知っておくためです。
動作の基準を覚える
基準を満たさない動きは記録されません。レース当日の「ノーレップ」を避けるため、フォームを先に身につけます。
最初から飛ばさない
序盤でペースを上げすぎないことが大切です。リズムと心拍数を整えて走ります。準備の期間は、十分な休息、栄養、水分補給にも気を配ります。
練習を始める場所は、種目の器具がそろったジムが便利です。東京なら、HYROX公認ジムの東京のHYROX公認ジム(ELEMENT HYROX)で、8種目のうち6種目の練習ができます。
HYROXと他の運動との違い

HYROXは、ランと筋力・持久力の種目を組み合わせた点が特徴です。他の運動と比べると、次のような違いがあります。
マラソンとの違い
マラソンは、走る距離と時間の競技です。HYROXは、ランが合計8kmで、その間に8種目が入ります。走る力に加えて、種目をこなす全身の力が必要です。
ジムのトレーニングとの違い
ジムでの筋トレは、種目の順番や重量を自分で決めます。HYROXは、順番・距離・重量が公式で決まっていて、記録が世界のランキングで比べられます。
HYROX(ハイロックス)のよくある質問

参加できます。16歳以上であれば誰でも参加でき、事前の資格は要りません。重量の軽い区分から選べます。
HYROX Japan公式のFAQでは、平均の完走時間は約1時間32分です。制限時間はありません。
変わりません。8種目の順番は、どの大会でも同じです。
あります。動作の基準を満たさないと、まず警告、2回目から15秒が加算されます。種目を行わない、1kmのランを飛ばすと失格です。
参加できます。単独(シングル)のほか、ペアで行うダブルス、4人で行うリレーもあります。
大会は世界中で開催されています。日本の開催予定は、HYROX Japan公式の大会一覧(Find Your Race)で確認できます。東京での単独開催は、2026年10月時点で一覧にありません。詳しくは、[HYROX大会の参加ガイド](https://element-gym.com/column/hyrox-race-guide-japan/)をご覧ください。
東京でHYROXを始めるなら|ELEMENT HYROXの体験へ

HYROXを知ったら、次の一歩は実際に8種目を体験することです。ELEMENT HYROXは、HYROX公認ジム(Affiliate Gym)として、池尻大橋店でHYROXのレッスンを行っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | ELEMENT池尻大橋店(池尻大橋駅から徒歩9分) |
| ドロップイン体験 | 90分・5,000円(税込) |
| レッスンの形式 | プロトレーナーによるグループレッスンが基本(パーソナルは相談可) |
| 対応種目 | HYROX8種目のうち6種目(スレッドプッシュ・プルを除く) |
種目のやり方から、ランの走り方まで、プロトレーナーが一つずつ指導します。運動が久しぶりの方も歓迎です。まずは体験で、HYROXの動きを体感してみてください。
詳しくは、東京でHYROXを練習できるELEMENT HYROXの案内をご覧ください。



