手軽なトレーニングで身体に変化を感じられるなら、きっと誰もが試してみたいと思うはず。
簡単ステップで完結する「片足立ちのポーズは、面倒くさがりや運動が苦手…」という人にこそおすすめしたい方法です。
本記事では、片足立ちが身体にもたらすメリットをお伝えするとともに、効果アップのコツも紹介します。
「どんな運動も続かない…」と諦める前に、片足立ちの正しい方法を知ってバランスの取れた身体づくりにチャレンジしてみましょう!
片足立ちとは?
片足立ちとは、言葉の通り片方の足で立った状態をキープすること。
実は毎日のちょっとしたタイミングに片足立ちをするだけで、身体のバランス感覚を呼び戻し美と健康の維持に繋がる筋肉への刺激を与えることが可能です。
「本当に片足立ちで身体を鍛えることができるの?」と思うかもしれませんが、結論から伝えると、片足立ちで身体を鍛えることは十分に可能です。
しかも、通常の筋トレでは届きにくい深層部の筋肉にも効くのがポイント。
単純な動きであるにもかかわらず、片足立ちが優れたトレーニングになり得る理由は以下の2つです。
片足立ちで身体が鍛えられる2つの理由
- 片足を引き上げる動き=胴体(体幹)部分の筋肉が使われる
- 片足でバランスを取る動き=下半身の筋肉群が使われる
片足立ちで使われる筋肉群は、身体の中でも面積が広いという特徴を持ちます。
普段の生活で案外見落とされがちですが、逆に意識して鍛えればトレーニング効果が倍増する点がメリット。
片足立ちをトレーニングとして取り入れたいなら、以下の解説を参考に刺激すべき筋肉の位置を知ることから始めてみましょう。
片足立ちで鍛えられるのは体幹と下半身の筋肉
では、片足立ちによって刺激を与えられる筋肉について詳しくご紹介します。
前述したように、身体の中でも面積の大きな筋肉に効くのが片足立ち。胴体部分の表層と深層の筋肉や下半身が集中的に鍛えられます。
表からは見えにくい場所にある筋肉にも効くからこそ、トレーニング開始前に筋肉の位置を知ることは重要です。
特に「体幹」と聞いてピンとこない方は、参考にしてください。
片足立ちで鍛えられる部位①:体幹の筋肉
片足立ちで鍛えられる1つ目の部位は体幹です。
- 腹横筋(ふくおうきん)
- 腸腰筋(ちょうようきん)
腹横筋
腹横筋は脇腹の一番奥に位置し、息を吐いてお腹を凹ませるときに働く筋肉です。
単に腹筋を鍛えたいだけなら筋トレで表層の筋肉を鍛えれば十分ですが、体幹を強化するにはその奥のインナーマッスルを刺激することも重要で、片足立ちは効率の良いトレーニングとなります。
腸腰筋
体幹のより深い部分に存在する腸骨筋、大腰筋、小腰筋の総称が腸腰筋です。
腸腰筋は骨盤の前側から太腿の付け根までに達し、足を前に振り上げる動作では必ず必要となる筋肉。
片足を上げた状態をキープすることでより強い刺激を与えられるという点でも、意識すべきポイントだと言えます。
片足立ちで鍛えられる部位②:下半身の筋肉
片足立ちで鍛えられる2つ目の部位は下半身の筋肉です。
- 中殿筋(ちゅうでんきん)
- 内転筋群(ないてんきんぐん)
- 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
- ハムストリングス
中殿筋
お尻の横に位置する中殿筋は股関節を外側に開く動きに関わり、立ち上がったとき膝が外側にぐらつくのを抑えケガなどを防ぐ役割も持っています。
また片足立ちの状態を維持するには中殿筋が大いに刺激され、骨盤のバランスを整えることが可能です。
内転筋群
立つ、座るといった動作に使われ、下半身の安定に不可欠な内転筋群も片足立ちで鍛えられる部位。
内転筋は太腿の内側にあり骨盤を内に引き押せる作用を持ち、鍛えることで骨盤の安定感が増すのがポイントです。
内転筋がスムーズに働き体幹が強化されるにつれ、徐々に身体の中心でバランスを取れるよう変化していくのを実感できます。
大腿四頭筋
太腿の前側にある大腿四頭筋は4つの筋組織から成り、ヒトの身体で一番の大きさを誇ります。
膝を曲げた状態から伸ばす動作に必要な大腿四頭筋は、下半身の柔軟性アップにも関わる重要な部位。
日常生活からスポーツまで様々なシーンで活躍する筋肉のため、積極的に鍛えて損はない場所でもあります。
ハムストリングス
太腿の裏側にある4つの筋肉群の総称がハムストリングス。別名ランナー筋と呼ばれるほど走りに欠かせない部位です。
大腿四頭筋とハムストリングスは片方が縮むともう一方が弛緩するという特徴を持ち、トレーニングを味方にすれば硬くなりがちな筋肉に柔軟性を持たせることが可能となります。
今回ご紹介した複数の筋肉が上手く連動するようになれば、片足立ちのバランスもさらに安定して効果アップに期待大です。
片足立ちで得られる5つの効果
続いては、片足立ちの具体的な効果として次の5つを解説します。
- 脂肪燃焼
- 下半身の強化
- 体幹力アップ
- 骨盤のバランス調整
- 冷え性改善
年齢に関係なく健康を維持したい方はもちろん、女性の多くが抱える悩みにも効果抜群です。
効果1:脂肪燃焼
筋トレによって身体の筋肉量が増えると、身体の基礎代謝が上がり余分な脂肪を燃やすことができます。
片足立ちは下半身の大きな筋肉群を刺激できるので、他の部位の筋トレに比べ、より高い脂肪燃焼効果が期待できておすすめ。
また基礎代謝アップは痩せやすい身体へと導く鍵なので、単純な動きの片足立ちも決して侮れないトレーニングだと言えます。
効果2:下半身の強化
片足立ちで足に適度な負荷をかけることで、筋肉と共に骨の強化も可能です。
骨は物理的な刺激を加えることで、強度が増すと言われています。(参考:厚生労働省 – e-ヘルスネット)
骨が強化されることのメリットとして骨粗鬆症の予防はもちろん、「歩きにくさ」や「ちょっとしたことでつまづく」などの改善にも効果的です。
効果3:体幹力アップ
片足で立つ姿勢はそもそも不安定。一方で姿勢が崩れないようバランスを取る際には、身体の中心にある体幹の筋肉が酷使されます。
体幹トレーニングと聞けば、とてもハードでツラいイメージを持つかもしれませんが、激しい動きをしなくとも自然と体幹が鍛えられる片足立ちは、体力や運動経験、年齢に関係なく取り組める体幹トレーニングだと言っても過言ではありません。
さらに体幹は、日常生活だけでなくスポーツに関わるアスリートの動きの土台でもあるため、片足立ちを積極的に取り入れて損はないでしょう。
効果4:骨盤のバランス調整
股関節を開いて立つ片足立ちのポジションは、歪んだ骨盤を整えるのに効果的。
骨盤の位置が上がることで美しい姿勢の維持に役立つことはもちろんですが、同時に次のような効果も期待できます。
- 内臓の動きを正常にして消化機能が促進される
- 新陳代謝が活発になり老廃物が排出されやすくなる
見た目の印象アップと同時に身体の内側からも美を引き出す片足立ちは、筋トレ初心者の女性にも嬉しい効果が盛りだくさん。
ポッコリお腹や生理痛などの解消にも一役買ってくれるのでおすすめです。
効果5:冷え性改善
片足立ちによって筋肉量が増えると、滞った血流が改善し冷え性の緩和に効果があります。
特に下半身の筋肉の中でも、第二の心臓と言われるふくらはぎに刺激が伝わることで全身の血流が促されるのがポイント。
むくみや冷えを撃退できれば、すらりとした美脚を目指すことも可能です。
片足立ちの正しいやり方&バリエーション
片足立ちは単純だからこそ、正しいフォームで実践することが大切です。
本記事ではスタンダードな片足立ちの方法に加え、2つのバリエーションをご紹介します。
片足立ちの基本的なポーズ
【片足立ちの正しいやり方】
- 両足を肩幅程度に開いて立つ
- 片膝を直角に曲げ、足先は床から浮かせる
- 背筋を伸ばし、手は腰、目線は正面を向く
- そのまま1分間静止
- 反対側の足も同様に2~4を繰り返す
片足立ちでは姿勢が重要です。
足を上げる段階で身体がブレないよう注意することで、体幹や下半身の筋肉がより良く鍛えられます。
木のポーズ
初心者向けの基本からステップアップしたい方は、木のポーズがおすすめ。
足や腕を高く上げることで筋トレ効果が高まります。
【木のポーズのやり方】
- 両足を揃えて立つ
- 片方の足裏を軸足の太腿辺りにつける
- 背筋を伸ばし、両手を胸の前で合わせる
- バランスをとりつつ手を頭の上に向かって伸ばす
- 背筋をしっかり伸ばしたまま、30秒から1分静止
- 反対の足も同様に2~5をくり返す
鷲(わし)のポーズ
片足立ちのバリエーションでは高難度となるのが鷲のポーズ。できるようになれば、かなり体幹が強化されている証拠なのでめげずにトライしてください。
【鷲のポーズのやり方】
- 両足を揃えて立つ
- 片方の膝を曲げ、軸足の太腿に乗せる
- 両手は前に伸ばしてクロスさせ、手の平同士を合わせる
- 3の状態のまま1分間静止
- 1の姿勢に戻る
- 反対の足も同様に2~4を繰り返す
片足立ちが上手くできない原因
片足立ちは身体へのメリットも満載で今すぐにでも始められそうですが、いざ取り組んでみると意外と難しいと感じる方も少なくありません。
片足立ちが上手くできない場合は以下のような原因が考えられるので、参考にしてください。
骨盤の後傾
片足立ちでうまくバランスを取るためには、脚の上に身体がきちんと乗っていることが重要。
片足立ちが上手にできない場合は、普段の姿勢が悪いことにより骨盤が後ろに傾き重心がずれていることが原因かもしれません。
特に長時間のデスクワークなどで不自然な姿勢が習慣化している方などは要注意。
姿勢そのものがすでに大きく崩れ歪みが生じている場合は、股関節などのストレッチを入念におこなったり、姿勢を整えるエクササイズを別メニューで取り入れるなどの対策が必要な場合もあります。
身体のバランス能力が低下している
バランス能力は、静止した状態の維持や不安定な姿勢を自力で回復させられる力のこと。
年齢を重ねるほど筋力が落ちてバランス能力も低下する傾向にあり、専用の器具などを用いたトレーニング法も確立されています。
ちなみに身体のバランスは視覚による情報とも密接な関係があるため、片足立ちは目を閉じるより開けた状態でおこなう方がベター。
年齢的に若いにも関わらずバランスを取りにくいなら、稀に脳の疾患が考えられるので注意が必要です。
身体のバランス能力をセルフチェックする方法
片足立ちが上手くできない原因が分かったら、自分のバランス能力が一体どの程度なのか知りたくなった方もいるはず。
ここではバランス能力や平衡感覚、体幹の強さをチェックできる「閉眼立ちテスト」についてご紹介します。
【閉眼立ちテストの方法】
- 姿勢を正して目を閉じる
- 両手を腰に当て、片足を床から5cm程度浮かせて立つ
- 上げた方の足は軸足に触れないよう、やや後ろに引く
※軸足がブレる、上げた方の足が床についた時点でチェック終了
※左右の足でタイムを測定し、より長い方の結果で判定する
【閉眼立ちテスト結果/年代別の目安】
- 20代:20秒~60秒
- 30代:15秒~55秒
- 40代:10秒~40秒
- 50代:7秒~25秒
わずか数十秒でも実際にやってみると難しいのが閉眼立ちです。
各年代別の時間はあくまで目安ですが、体幹が弱いだけで転倒しやすくなったり、無駄な脂肪が増えるなどの悪影響は避けたいものですね。
片足立ちで注意すべき3つのこと
片足立ちのトレーニング効果を最大限生かし、安全に進めるため注意しておきたいのは以下の3点です。
- 適切な姿勢でおこなう
- フラつきが不安な時は、無理せず壁や椅子に手をつく
- 目は開けておく
慣れないうちは、バランスを崩すことにより転倒などのアクシデントも心配されます。
無理せず毎日コツコツ積み重ねることで効果を引き出せるトレーニングのため、1日の目安は左右それぞれ1分間×3セットに設定するのがおすすめです。
また、目を開けることで身体を安定させ、鍛えるべき筋肉にしっかり意識を向けることに集中しましょう。
片足立ち以外で体幹を鍛えるトレーニング3選
片足立ちは体幹を鍛えるのに有効なトレーニングですが、もっとバリエーションを増やしたいなら以下のような方法も試してみましょう。
ここでは腹部・背部・側部の3ヶ所から、体幹を鍛えるのに有効なトレーニングを紹介します。
腹部の体幹トレーニング1:フロントブリッジ
体幹トレーニングといったらまずはフロントブリッジ。
腕立て伏せのような体勢をキープするフロントブリッジは、腹直筋と腹横筋の強化に有効です。
シンプルなように見えて実際はかなりツラいトレーニングとなるため、初めは30秒キープすることを目標に取り組むと良いでしょう。
背部の体幹トレーニング2:グッドモーニング
背中の脊柱起立筋、お尻の大殿筋、太腿のハムストリングスと3つの部位を同時に鍛えられるのがグッドモーニングです。
前傾姿勢を取るとき背筋が丸まってしまわないよう注意し、首からお尻まで一直線で結ぶイメージでおこなってください。
側部の体幹トレーニング3:レッグツイスト
脚の重みを利用してひねりを加え、腹斜筋や腹直筋を刺激できるのがレッグツイスト。
腰痛が気になる方は無理を控えて取り組みましょう。
以下の記事では、体幹を鍛えるメリットやトレーニング方法も解説しているので、参考にしてください。
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今回は、片足立ちで身体を鍛える方法についてご紹介しました。
器具やマシンを使うトレーニングが全てではなく、自身の身体が持つバランス力を活かせるのが片足立ちの特徴です。
注意すべきポイントを踏まえれば、いつ、どのタイミングでも可能なので自宅で取り組みやすい運動を探している方にも向いています。
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