ファスティング(断食)とは?効果や種類・注意点・向いていない人を丁寧に解説

最近「ファスティング」がダイエットや美容・健康に効果的だと注目されています。

そもそも、ファスティングとは、1日〜数日など一定期間の間、固形の食べ物を口にしないことを断食の一種です。

デトックス効果や免疫力の向上など、様々な体にプラスの効果があり、気になっている方も多いはず。

ファスティングは正しい知識を持った上で、正しいやり方で行うことが大切で、間違った方法で行うと、体に良いどころか体調を崩してしまう恐れがあるのです。

この記事では、ファスティングについての基礎知識と種類や効果・注意点など、詳しく解説しています。

これからファスティングをはじめてみたい方にタメになる内容となっていますので、ぜひご参考ください。

ファスティング(断食)とは?

ファスティングとは、一定の期間、食事または食事と飲み物の両方を断つことを言います。

一定期間とは、16時間や1日、3日など、目的に応じて様々です。

また、ファスティングは宗教上の行事としてや、ダイエット・美容・健康増進など様々な目的で行われます。

なお、「断食」と「ファスティング」は違うものと思われがちですが、英語か日本語かの違いだけで明確な違いはありません。

ファスティングで得られる7つの効果

ファスティングは、健康や美容において様々な効果があるため、まずはファスティングで得られる7つの効果を紹介します。

胃腸が休まり腸内環境が整う

ファスティングは食物を摂取しないため、毎日の塩分の多い食事や脂っこい食事によって疲れた胃や腸・肝臓・膵臓などの消化器官を強制的に休ませることができます。

食べ物を一定期間口にしないと、消化吸収のために使われていたエネルギーを体の修復と回復の方に回せるので、腸内環境が改善されるのです。

そのため、普段から食べ過ぎ・飲み過ぎによって胃腸が疲れている方や腸内環境を整えたい方は、ぜひチャレンジしてみてください!

デトックス効果

ファスティングにより消化器官が休まると、体内の毒素や老廃物を排出しようとする働きが活発になります。

この働きがデトックスと呼ばれ、慢性的な不調や疲れの解消につながるとされているのです。

なんとなく身体がだるいな、疲れやすいなという方は短い時間からでもファスティングに取り組んでみてはいかがでしょうか?

むくみが取れる

ファスティングはデトックス効果によって体内に溜まった老廃物が排出されるので、むくみ解消効果も期待できます。

むくみは血液循環の悪化や体内の水分をうまく排出できずに、体に余分な水分が溜め込まれることで起きる現象。

ファスティングによって消化器官が休まると、内臓の働きや血液循環がよくなり老廃物や水分が排出されるので、むくみが解消されるのです。

免疫力アップ

ファスティングは免疫力の向上も期待できます。

免疫細胞の約70%は腸に存在すると言われているため、腸内環境が乱れると免疫細胞の働きが低下し、免疫力が下がってしまうのです。

ファスティングで腸内環境を整えることで、免疫細胞の働きが活発になり、免疫力がアップするという仕組みとなっています。

肌荒れの改善

肌と腸は密接な関係があるという話を聞いたことはありませんか?

腸内環境が悪化すると、腸内の悪玉菌が優勢になります。

悪玉菌は有害物質を作り出し、血液を通して全身に回るため、ニキビや吹き出物などの肌荒れに繋がってしまうのです。

ファスティングは、腸内環境を整え、体内の老廃物が排出されるため、腸内環境の乱れからくる肌荒れを改善してくれます。

ダイエット効果

メインではありませんが、ファスティングにはダイエット効果もあります。

糖質が体内に入ってこないと、人の体は血糖値を維持するために肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを利用しエネルギーを作り始めるのです。

そしてグリコーゲンがなくなると、今度は脂肪を燃焼してエネルギーに交換し始めます。

そのため、体の余分な脂肪が減り、ダイエット効果につながるのです。

ただし、ファスティングで体重が減ったとしても、その後にいつも以上に食べるとリバウンドしてしまうので注意しましょう。

ファスティングの種類

ファスティングには食べない期間やファスティング中に摂取するものによって様々な種類があり、ここからは特に有名な4つのファスティングを紹介します。

16時間ファスティング

16時間ファスティングは、1日のうち8時間の間に食事を済ませ、残りの16時間は食事をとらないファスティング法です。

たとえば、朝8時に朝ごはんを食べたとしたら、夕方4時に早めに夕食をとる、など自身の生活スタイルに合わせて食事のスケジュールを変えられます。

ファスティングの中でも一番ハードルが低く、初心者でも始めやすいです。

ちなみに「1日一食ダイエット」もファスティングの一種となっています。

以下の記事で1日一食ダイエットのやり方や注意点など詳しく解説しています。気になる方はご参考ください。

関連記事:1日一食にダイエット効果あり?期待できる5つの効果と6つの注意点

1日ファスティング

1日ファスティングとは、丸1日食事をとらず、水分のみで過ごすファスティング法です。

主に、デトックス効果が期待できます。

ファスティング前の1日は準備期、翌日1日は回復期として過ごすのが一般的です。

土曜日に準備期、日曜日にファスティング、月曜日を回復期にあてるなど、週末3日間で取り組めるので、平日に飲み会が続いて胃腸を休ませたいときにおすすめ。

16時間ファスティング同様、食事をとらない期間や準備期・回復期が比較的短く挫折しにくいのが特徴です。

ファスティング初心者はこの1日はファスティングから始めてみるとよいでしょう。

3日ファスティング

3日ファスティングとは、3日間は食事をとらず、水分のみで過ごすファスティング法です。

ファスティング前の3日〜1週間は準備期、ファスティング後の3日〜1週間を回復期にあてます。

3日ファスティングは脂肪燃焼やダイエット効果が期待できますが、準備期・回復期含めて最低でも1週間以上の期間が必要なため、初めての方にはハードルが高い方法です。

酵素ファスティング

ファスティング期間中に酵素ドリンクを飲んで行うファスティング法です。

酵素ドリンクは生野菜や果物を発酵・熟成させ、エキスを抽出した飲み物で、必要最低限のカロリーやビタミン・ミネラルなどの栄養素を補給できるので、無理なく続けられます。

ただし、添加物や人工甘味料が多く含まれているものはかえって体に負担をかけてしまったり、ファスティングの効果が十分に得られなったりするため、無添加・人工甘味料不使用のものを選びましょう。

ファスティングの正しいやり方

途中で挫折しないためにも、しっかり効果を得るためにも、ファスティングは正しい方法で行うことが大切です。

ここからは3日ファスティングの正しいやり方を紹介します。

準備期

ファスティングを始める前に、体を断食に備えるための準備期間が必要です。

準備期間はファスティング期間の長さによって異なります。

基本的にはファスティングの日数と同様かそれ以上を設けるのがいいでしょう。

ファスティング2〜3日前

ファスティングの準備期間は、「こ・と・ま・ご・わ・や・さ・し・い(子と孫は優しい)」の「さ」を抜いた食事を心掛けましょう。

準備期におすすめの食材

準備期は以下の食材を積極的に摂るのがおすすめです。

  • こ(穀類)•••玄米・雑穀など
  • と(唐辛子)•••唐辛子やなどの香辛料
  • ま(豆)•••大豆・小豆・豆腐・納豆・味噌などの豆類
  • ご(ごま)•••ごま・ナッツなどの種子類
  • わ(わかめ)•••わかめ・昆布・もずくなどの海藻類
  • や(野菜)•••野菜・果物
  • さ(魚)•••サケやさばなどの魚類(控える)
  • し(しいたけ)•••しいたけ・しめじ・エリンギなどのきのこ類
  • い(いも)•••さつまいも・じゃがいも・里芋などの芋類

ファスティング準備期に控えたほうがいい食品

また、準備期は以下の食品を控えましょう。

  • パスタやパン・うどんなどの小麦製品
  • 肉や魚・卵などの動物性食品
  • ハムやウインナー・ソーセージなどの加工食品
  • 牛乳やヨーグルト・チーズなどの乳製品
  • お菓子やジュースなどの砂糖の多い食品
  • カフェインやアルコールの含まれた飲料

ファスティング前日

前日は固形物を摂らないようにし、できるだけ胃腸の負担を減らしましょう。

具なし味噌汁やおかゆ・スープ・スムージー・サラダなど、低脂肪・低糖質・低タンパクのものがおすすめです。

寝る3時間前までに夕食をすませ、早めに寝ましょう。

ファスティング期間

ファスティング期間は基本的に水分以外は口にできません。食事をとれない分、1日2L〜2.5Lの水分を積極的に摂るようにしましょう。

一気に大量の水分を摂ると吸収しきれずに体外に排出されてしまうので、10回ほどに分けて、こまめに飲むのがポイントです。

水は水道水ではなく、良質で常温のものを飲んでください。その際に炭酸水や酵素ドリンクなどを利用すると、空腹感もまぎれやすく、栄養を補えます。

また、ファスティング中はエネルギー不足になるので眠気や疲れが出やすい状態となるため、ハードな運動や仕事は避け、できるだけ家でゆっくり過ごすようにしましょう。

もし眠気や空腹感が強いときは、軽めの運動がおすすめです。眠気も空腹感もまぎらわすことができるのでおすすめです。

回復期

ファスティングが終わったら、回復期間を設けてファスティングで十分に休まった胃腸の働きを復活させます。

回復期間にはファスティング期間と同様かそれ以上の日数をかけます。

ファスティング後にいつも通りの食事をしてしまうと胃腸に大きな負担がかかり、胃痛や腹痛の原因になるので、回復期間を設けて少しずつ体を慣れさせていきましょう。

回復期1日目

ファスティング後初めての朝食は、消化が良く胃腸に優しい「重湯」がおすすめです。

重湯は水分を多くして作ったお粥の上澄み液のこと。

お米と水を1:10の割合でじっくりと米粒がなくなるまで弱火で炊き、ざるで濾してできた液体を飲みます。

濾して残ったお粥は、翌日食べると良いでしょう。より栄養価を高めたい方は白米の代わりに玄米を使用するのがおすすめです。

回復期2〜3日目

回復期2日目以降は、お粥や具なし味噌汁などをゆっくりと摂ります。

スープや手作りスムージーなど消化にいいものからはじめて、徐々に野菜サラダや豆類・きのこ類などを食事に加えて、普段の食事に戻していきましょう。

腹7〜8分目を目安に、よく噛んでゆっくり時間をかけて食べることがポイントです。

ファスティングの注意点

間違えた方法でファスティングすると体調を崩す恐れがあります。

ここでは、ファスティングを行う上で気をつけておくべき点を3つ紹介するので、参考に取り組んでください。

水分をしっかり摂る

ファスティング中は脱水状態になりやすいので、水分をこまめに摂取することを心掛けましょう。

1日に必要な水分量は約2.5Lです。

1日3回の食事からも約1〜1.5Lの水分を摂取しています。

しかし、ファスティング中は食事を摂らないため、普段食事で摂っている分の水分も多く摂る必要があるのです。

ファスティング中は意識的にこまめに水分を摂取するように気を付けましょう。ただし、カフェインやアルコールは刺激が強いため控えてください。

激しい運動は控える

ファスティング中は低血糖を引き起こす可能性があります。

筋トレやランニングなど息があがるような激しい運動は控えましょう

また、ファスティング中は糖が不足している状態です。その状態で筋トレをすると、エネルギーを作りだすために筋肉を分解しはじめ、筋肉量が減少してしまいます。

筋肉量が減ると基礎代謝が落ち、太りやすい体になる恐れがあるので気をつけましょう。

ただし、ウォーキングやストレッチ・ヨガなどの軽めの有酸素運動であれば、ファスティングの効果を高めたり、空腹を紛らわしたりしてくれます。

特に、ウォーキングは誰でも気軽に取り組めて、健康効果も高いのでおすすめです。

ウォーキングのメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:ウォーキングに痩せる効果はある?結果に導くダイエットのコツを解説!

体調が悪くなったら無理せず中断する

ファスティング中は眠気や頭痛・倦怠感・めまい・吐き気などの症状が現れることがあります。

これらの症状は、体内の毒素が排出されることによって生じる、身体が本来の力を取り戻す過程で起きる「好転反応」です。

好転反応はファスティングをする多くの方が経験します。

あまり心配する必要はありませんが、症状が強い場合や不安な方は無理をせず中断してください。

ファスティングに向いていない人

ファスティングは運動と食事を軸にした「王道のダイエット」ではありません。

誰にでも向いているわけではなく、中にはファスティングをしてはいけない人がいます。

これから紹介する人は、ファスティングを避けるようにしましょう。

成長期の子ども

成長途中の子どもはファスティングを避けてください。

成長期の子どもは、成長するために必要な栄養を十分に摂ることが大切です。

子どもがファスティングをすると、栄養不足になり、発育に悪影響を与える恐れがあります。

また、子どもは免疫力が未熟なため、感染症に罹りやすくなるリスクも高まるので気をつけましょう。

65歳以上の高齢者

65歳以上の高齢者もまたファスティングに向いていません。

ファスティングによって、栄養失調になり体調不良を起こす可能性があるためです。

また、高齢者は筋肉量が少ないため、ファスティングによってさらに筋肉量が減ってしまい、転倒のリスクも高まります。

妊婦または搾乳中の女性

妊娠中や搾乳中の女性はファスティングをしないでください。

妊娠中や搾乳中にファスティングをすると、栄養不足からお腹の赤ちゃんに必要な栄養を送れなくなったり、母乳を作れなくなる可能性があります。

赤ちゃんのためにもファスティングは控えましょう。

痩せすぎている人

痩せすぎている人もまたファスティングに向いていません。

低体重の人はすでに栄養不足に陥っている可能性があります。

そこでファスティングをすると、栄養失調で体調不良を起こすリスクがあるのです。

ファスティングよりもまず、普段の食事を見直すことや適度な運動で筋肉をつけることから始めましょう。

体調不良または持病のある人

体調不良の人や持病のある人・薬を服用中の人もファスティングをしない方がよいでしょう。

ファスティングによってさらに症状が悪化する恐れがあります。

食後に薬を服用するなどの決まりがある場合も、飲み忘れや薬が効きすぎるなどの恐れがあるのでファスティングは控えましょう。

生理前・生理中の女性

生理中は出血により鉄分が不足しやすい時期です。

そのときにファスティングをすると、貧血で倒れるリスクが高まります。

また、生理前は女性ホルモンの影響で食欲が増加し、老廃物も溜め込みやすくなるため、ファスティングには適していません。

ファスティングは生理後3日ほど経って、体調が安定している時期に行いましょう。

無理なく安全にファスティングしたいならパーソナルジムがおすすめ

この記事では、ファスティングの基礎知識や正しいやり方について解説しました。

ファスティングは、正しい知識を持って行えば、デトックス効果や免疫力アップなど、さまざまな健康・美容効果を得られます。

ただし、間違えた方法だと却って健康を損ないかねません。

一人でファスティングするのに不安がある、もしくは正しく取り組みたい方はプロによる指導を受けるのがおすすめです。

当ELEMENTジムはプロによる食事指導を実施しております。

初回体験レッスンも行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

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パーソナルジムELEMENTの中の人です!パーソナルトレーニング・パーソナルジムのプロとして、皆さんが必要としている情報をわかりやすくお届けいたします!