「腕立て伏せで胸筋って鍛えられるの?」
「胸筋を鍛えたくて腕立て伏せをしているのに、腕ばかり疲れて続かない!」
こういった疑問や思いを持っている方も多いでしょう。
腕立て伏せは主に胸筋を鍛えるトレーニング方として認知されています。
しかし、胸筋を鍛えるつもりが先に腕が疲れてしまって思うように効果を感じられないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、腕立て伏せで鍛えられる部位の説明や、初心者から上級者向けとしてレベル別におすすめ腕立て伏せトレーニング7選を紹介します。
腕立て伏せで胸筋を鍛える際の参考にしてください。
腕立て伏せで鍛えられる大胸筋の構造
そもそも腕立て伏せは、「大胸筋」と「上腕三頭筋」を鍛えられます。
今回の記事では胸筋に注目していくため、大胸筋がどういった構造になっているのか理解しておきましょう。
なぜなら、鍛えようとしている筋肉を意識することでトレーニング効果を高める「意識性の原則」があるからです。
それでは今回意識していくべき筋肉である大胸筋について見ていきましょう。
大胸筋と一言で言っても、とても大きい筋肉であり、上部・中部・下部の3つに分けて鍛える必要があります。
大胸筋上部
鎖骨付近についている筋肉で、顔の前で腕を上方に押し出す働きをします。
大胸筋上部を鍛えると、胸全体が上方に引き上げられて、男性は見栄え良い胸周りに、女性はバストアップに効果がある部位です。
大胸筋中部
胸骨付近についている筋肉で、胸を前方で閉じる働きをします。
大胸筋中部を鍛えることで大胸筋全体が内側に寄って、男性は左右がくっきりした胸周りになり、女性はバストを寄せる効果がある部位です。
大胸筋下部
腹直筋上部付近についている筋肉で、お腹の前で腕を斜め下方に押し出す働きをします。
大胸筋株を鍛えることで胸全体のボリュームがアップするので、男性は胸と腹筋の境界をハッキリとさせ、女性にとってはバストアップに重要となる部位です。
腕立て伏せで大胸筋を鍛える3つのメリット
ここからは、腕立て伏せで大胸筋を鍛える3つのメリットを解説していきます。
メリット①:安全性が高い
大胸筋を鍛える方法の中で、代表的なものにベンチプレスがあります。
自分の限界まで追い込んで頑張りたい場合、限界を超えるとかなりの重量のバーベルが自分の胸の上に落ちてくることもあり、大変危険です。
もちろん対策として、ベンチプレスにバーベルをセットし、更にセイフティーバーをつけて行うことで危険ではなくなるのですが、多くのお金が必要となり個人で揃えようとすると大変なことになります。
しかし、腕立て伏せであれば、重い荷物を背負って行っても自分の体重と荷物分だけなので、限界になって潰れてしまっても問題ありません。
この「気軽に安全に出来るところ」が腕立て伏せで大胸筋を鍛える最大のメリットと言えます。
メリット②:大胸筋をダイレクトに鍛えられる
腕立て伏せは上半身に効果のある筋トレです。
その中でも大胸筋は動作を行う上で収縮運動が行われるため、ダイレクトに鍛えられます。
大胸筋を直接鍛えられるため、やり方次第で負荷を変えやすいことも大きなメリットと言えるでしょう。
メリット③:お金がかからない
大胸筋を鍛えるためには、器具をそろえたり、ジムに行ったりしなくてはいけないと思っている人も多いかもしれません。
しかし、腕立て伏せであれば、専用の器具は必要なく、自宅で今すぐにでも始められます。
なるべくお金をかけずに胸筋を鍛えたい方には嬉しいメリットと言えるでしょう。
腕立て伏せを胸筋に効かせるための4つのコツ
腕立て伏せで鍛えられる筋肉は数種類ありますが、他の筋肉ではなく胸筋を狙って効かせるためにはコツがあります。
4つ紹介していくので、参考にしてください。
コツ①:2秒以上かけて上下の運動をする
胸筋に効かせるために、腕立て伏せで身体を下ろす作業、上げる作業、どちらも2秒以上かけることがポイントです。
早い動作で行うと、力が抜けてしまったり加速が加わってしまったりで、筋肉の伸び縮みの負荷がうまくかかりません。
2秒以上かけることで、しっかり筋肉でコントロールすることができるようになり、胸筋に効率よく負荷をかけられるのです。
コツ②:正しいフォームで限界の回数まで行う
腕立て伏せの正しいフォームをキープできる限界の回数で行いましょう。
ここで大切なのは正しいフォームで行うことです。
崩れたフォームで回数をこなしても胸筋への負荷がかかっていなければ意味はありません。
鏡でフォームを確認したり、スマホで動画を撮ったりしながら正しいフォームで行える限界を把握しておきましょう。
コツ③:手幅を調整する
手幅は、肘を90度に曲げた時に手首の真上に肘が来る位置が目安となります。
更に、肘を曲げた時、前腕が床に垂直になっているかも確認して下さい。
上記2点を調整することで、胸筋に効きやすくなります。
コツ④:腕の開き具合を70°にして行う
腕の開き具合も確認が必要です。
肘を曲げた時、上から見て腕(脇)を70度くらいに開いている位置が目安となります。
90度に近付くような広さだと、胸が張りづらく大胸筋がうまくストレッチされません。
逆に70度より狭くなってしまうと、肘の曲げ具合が大きくなってしまい、上腕三頭筋に負荷が逃げてしまうのです。
先程と同様に、フォームを確認しながら胸筋に効かせていきましょう。
胸筋を鍛えられるおすすめ腕立て伏せトレーニング7選
腕立て伏せには数多くのバリエーションがあります。
今回はその中から、気軽に取り組みやすいものから難易度の高いものまで7種類を紹介するので、ぜひ行ってみて下さい。
ノーマルプッシュアップ
まずは基本形の、大胸筋の中部をメインに狙うノーマルプッシュアップです。
他のプッシュアップにも共通するので、ノーマルプッシュアップポイントを詳しく紹介します。
ノーマルプッシュアップのポイント1
ポイント1つ目は、頭からかかとまでが一直線上になるように、体のラインをまっすぐにキープすることです。
お尻の位置が下がるなどなく、まっすぐにキープをすることにより、腰に過剰な負担がかかることを防げます。
更に、大胸筋や上腕三頭筋をピンポイントに狙って刺激を与えられるのです。
ノーマルプッシュアップのポイント2
ポイント2つ目は、体を深くゆっくり落とすことです。とにかく、ゆっくり深くを意識して下さい。
動作が早く、十分に体を落としきれない浅いプッシュアップだと大胸筋への負荷が軽くなってしまいます。
ポイント1にあるように体のラインをまっすぐキープしつつ、できるだけ深いところまで体を落とすことで負荷を大きくしましょう。
ノーマルプッシュアップのポイント3
3つ目のポイントは、呼吸を止めないことです。
大胸筋は、呼吸機能にも関与しているので、プッシュアップをしている時にも呼吸をしっかり行うことで、効果的に鍛えられます。
肘を曲げ、体を下ろしながら息を吸って、肘を伸ばして体を上げるときに吐きましょう。
【やり方】
- 肩幅より少し広め幅に両手をつく。
- 足をしっかり伸ばし、腕とつま先で体を支える。
- ゆっくり肘を曲げて体を下ろしていく。
- 胸筋を意識して、体を持ち上げる。
推奨:10回×3セット
ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップは、手幅を通常のプッシュアップより広くとるプッシュアップで大胸筋の中部をメインに狙えます。
手の幅が広ければ広いほど、上腕三頭筋の関与が小さくなり大胸筋への負荷が大きくなるので、大胸筋を鍛えるためには手の幅を通常の1.5倍以上とりましょう。
【やり方】
- 両腕を肩幅の1.5倍以上広げて床に手をつく。
- 足をしっかり伸ばし、腕とつま先で体を支える。
- ゆっくり肘を90度くらいになるまでゆっくりと曲げて、体を下ろしていく。
- 胸筋を意識して、体を持ち上げる。
推奨:10回×3セット
ライオンプッシュアップ
ライオンプッシュアップは、大胸筋全体を狙ったプッシュアップです。
動きは、床に足と手をついた状態からお尻をあげて体で三角形を作ってから、体全体を深く落としていきます。
肘の曲げ伸ばしで体を動かそうとするのではなく、床スレスレまで体全体を深く落とすことがポイントです。
【やり方】
- 足を広げ、両手を前に伸ばし、肩幅の1.5倍ほど開いて床につく。
- お尻を高く上に突き出すように持ち上げ、床についた手足とで三角形を作る。
- 肘を曲げながら床スレスレまで沈み込む。
- 顔を上げてお尻を持ち上げながら前進で円を描くように元の位置に戻る。
推奨:10回×3セット
クラッププッシュアップ
クラッププッシュアップは、大胸筋中部をメインに狙えるプッシュアップです。
ノーマルプッシュアップの動作をしながら、体を上に持ち上げる際、その流れでジャンプして体を浮かせ手を叩いてから体を落とすというトレーニング方法となります。
全身にある程度の筋力がないと厳しいので、まずは他のトレーニングで筋力を身につけたり、クラップする手前のジャンププッシュアップで練習してからの挑戦がおすすめです。
ノーマルプッシュアップよりも大胸筋にかかる負荷が大きくなります。特に着地時に大胸筋で体を受け止めるつもりで、胸の筋肉を意識することがポイントです。
【やり方】
- 足を伸ばし、両手を肩幅より広めに開き床につく。
- ゆっくり肘を曲げて、体を床ギリギリまで下ろす。
- 腕をバネのように使い、上体だけジャンプをさせる。
- 体が浮いている間に手を叩く。
- 着地の直前に腕を開いて、地面につぶれないように大胸筋を意識しつつ体を支える。
推奨:10回×3セット
デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは、大胸筋の下部を狙って鍛えるプッシュアップです。
足をベンチや椅子に乗せることにより、頭より高い位置に上げた状態で行います。
ノーマルプッシュアップと違って、重心が上半身に移るので大胸筋下部に強い刺激を与えられるのですが、初心者には負荷が大きく怪我の恐れがあるので気を付けましょう。
【やり方】
- ノーマルプッシュアップの始めと同じ姿勢になる。
- 両足を椅子などの台の上にのせてつま先を立てる。
- 姿勢を保ったままで床ギリギリまで体を降ろす。
- 肘を伸ばして元の状態まで体を戻す。
推奨:10回×3セット
インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは、大胸筋の下部をメインで鍛えるプッシュアップで初心者にも取り組みやすいメニューです。
ベンチや椅子などに両手をつくことで、上半身の位置を高くして行います。
手の位置が高くなることから腰を反ってしまいがちなので、頭からかかとまでが一直線上になることを意識することがポイントです。
また、手をつく高さが高いほど負荷が小さく、低いほど負荷が大きくなるので調節しましょう。
【やり方】
- 椅子やベンチなどの平らな台の上に、肩幅より少し広めに広げた両手をつく。
- 腹筋に力を入れて肘を伸ばすスタートポジションを確認。
- 脇を締めたまま、ゆっくり肘を曲げて胸を降ろしていく。
- 肘を伸ばしスタートポジションに戻る。
推奨:10回×3セット
ヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップは、難易度が高いですが、大胸筋だけでなく、上腕三頭筋、腹筋、背筋など多くの部位をバランスよく鍛えられる効果的な鍛え方ができるプッシュアップです。
手の幅を広く取り、円を描くように身体を動かすもので、イメージし難い特殊な動きなので動画を参考にしてみてください。
普段のプッシュアップでは物足りなくなったり、筋肉に新たな刺激を与えたくなったらチャレンジしてみるといいでしょう。
【やり方】
- 足と手を肩幅より広めに取って、床につける。
- 腕と脚を伸ばし、お尻を天井に高く突きつける。腕からお尻にかけてまっすぐな姿勢をキープ。
- 肘を曲げながら、上半身を床スレスレまで下ろし、手と手の間をすり抜けるように動く。
- そのままぐるりと元の位置に戻る。頭を下げすぎないように注意。
推奨:10回×3セット
なお、以下の記事では他にも胸筋を鍛えるトレーニングを紹介していますので、参考にしてください。
腕立て伏せをする際に注意すること
腕立て伏せには様々な種類がありますが、何をするにも注意点があります。
しっかり守って効果的に鍛えていきましょう。
注意点①:正しいフォーム
腕立て伏せに限らず何のトレーニングにも言えることですが、正しいフォームや方法で行うことは必須です。
誤ったフォームで続けていると、左右の大胸筋の形が非対称になったり、継続的なトレーニングを行っても効果が得られないなどが起きてしまいます。
そうならないためにも、本記事で正しいやり方を学んでから取り組むことがおすすめです。
注意点②:超回復を利用して、2~3日の期間を開ける
超回復とは、筋トレによって壊れた筋組織を回復する期間で、筋肉を使った後にくるといわれているものです。
筋肉痛になることもサインの一つで、超回復後は以前より筋肉がついている状態になります。
なので、この期間の2~3日はトレーニングを行わず筋肉を休ませることがベストです。
効率よく胸筋を鍛えるならパーソナルジムがおすすめ
今回は、腕立て伏せで大胸筋を鍛える種目を紹介してきました。
自宅でも様々な種目をこなして鍛えていくことは可能ですが、やはり本格的に身体づくりを行おうと思ったり、自宅ではなかなか続かなかったりと問題も出てくることでしょう。
そんな時は、パーソナルジムがおすすめです。
プロのトレーナーがマンツーマンとなって、個々の体やレベルに合うメニューやペースをアドバイスしてくれるので、効率よく大胸筋を鍛えることも可能となります。
当ジムELEMENTでは、月額43,780円でパーソナルトレーニング受け放題です。体験トレーニングも随時受けつけていますのでお気軽にお申込みください。