体の正面にある「大胸筋」は、逞しさや美しさを演出する最も見栄えする筋肉として、男女問わず人気の部位です。
大胸筋はダンベルやバーベル、自重、マシンなど様々な鍛え方がありますが、この記事では様々なメリットのあるダンベルトレーニングを詳しく解説していきます。
自宅でも効果的に大胸筋を鍛えられるダンベルは、ジムに行く時間や費用を抑えたい方、胸トレが初めての方、自重トレーニングが物足りない方にもおすすめです。
あわせて、ダンベルの選び方や目安となる重量など自主トレーニングを成功させるポイントもご紹介していくので、この記事を参考に大胸筋トレーニングを始めてみましょう。
【筋肉の基礎知識】大胸筋を構成する3つのパーツ
効果的な筋トレをするためには、鍛えたい部位を意識してトレーニングすることが大切です。
そこでまずは、大胸筋がどんな筋肉で、どんな動きに関与しているのかを紹介します。
大胸筋は上部・中部・下部と3つのパーツでつくられ、胸の中央部分は内側と呼ばれています。
- 上部は外転(肩より腕を上に上げる動き)
- 中部は水平(腕を水平=真横に広げる動き)
- 下部は内転(肩より下に腕を下げる動き)
- 内側は腕を内側に寄せる、手を合わせる動き
上記の通り、パーツごとに主に対応する動き(外転・内転・水平)が異なりますが、日常生活やトレーニングで比較的動かしやすい上部と中部に比べ、下部や内側は鍛えにくい傾向があるので、狙って鍛えるトレーニングが必要です。
特に内側は筋繊維が少なく、起始部と呼ばれる動かない骨から筋肉が伸びているため筋肉が伸縮しにくく、特に肥大化が難しい部位と言えます。
大胸筋に限らずですが、筋肉を大きくするためには、トレーニングに関する知識は欠かせません。
以下の記事では、筋肥大をさせるための条件やメカニズムを解説しているので、参考にしてください。
大胸筋をダンベルで鍛える5つのメリット
ダンベルを使った大胸筋のトレーニングは、自宅で始めやすく低コスト、比較的安全性が高く効果的に鍛えられるなど、メリットが多く初心者におすすめです。
そこで、ここからはダンベルトレーニングの5つのメリットを紹介していきます。
- 自宅できる低コスト省スペース
- 左右均等に鍛えやすい
- 筋トレのバリエーションが多い
- 可動域が広がる
- 怪我のリスクが少ない
①自宅できる低コスト省スペース
ダンベルの種類については、後述する「【ダンベルの種類】固定式と可変式の2種類」で詳しくご説明しますが、重さや素材、構造によってさまざまな価格で販売されています。
初心者が扱う軽い重量のものであれば1000円代から購入できるものもあり、バーベルやラックに比べ小さくて低コストで準備が可能です。
片手で持って使用する道具なので、広いトレーニングスペースや保管場所を確保する必要はなく、自宅で気軽に始めやすいのも魅力的ですね。
②左右均等に鍛えやすい
ダンベルトレーニングでは「左右均等に鍛えやすい」メリットがあります。
利き腕や利き足、日常動作によって四肢の筋肉は動かしやすさや筋肉量が均等でないケースが一般的です。
そのため、両手で持つバーベルでは自然と筋力の強い方が弱い方を補って支えてしまい、左右均等に鍛えにくいのですが、片手ずつで重りを持つダンベルは左右に同じ負荷がかかるのでバランス良く鍛えることができます。
③筋トレのバリエーションが多い
ダンベルを使った大胸筋トレーニングは、ベンチ台を使用したものを含めるとバリエーションが非常に多く、筋肉に多角的な刺激を与えることが可能です。
筋肉は刺激に慣れる性質があり、同じメニューを継続しつづけるとある程度の段階で成長が鈍くなります。
しかし、バリエーションが多いダンベルは、同じ部位を鍛える場合でも刺激の入れ方を変えられるため「慣れ」の影響を避けて筋肉を成長させることができるのです。
筋トレの難易度にも差があるので、初心者から上級者までダンベルトレーニングは幅広く対応していると言えるでしょう。
④可動域が広がる
筋トレの効果を最大限引き出すコツの一つに「可動域の広さ」があり、関節の角度をどのぐらい無理なく動かせるかによって、筋肉に伝わる刺激の強さが変わってきます。
例えばバーベルベンチプレス(仰向けでバーを持ち上げてさげる動作)では、バーは胸の位置までしか降ろせず可動域が狭い筋トレになります。
しかしダンベルを使えば、胸より深く下げられる可動域の広い筋トレが可能です。
可動域を広くすることで、関節を深く使うことができ、特に下げる動作時に強い刺激を筋肉に与えられるほか、体の柔軟性が向上し怪我のリスクを減らす効果も期待できます。
⑤怪我のリスクが少ない
ダンベルは初心者が扱いやすい1〜5kgから、10kg以上など多種多様な重さのものが市販されています。
一般的な最低重量が10〜20kgになるバーベルに比べて、軽い重量のラインナップが豊富であり、立った姿勢で行う筋トレ方法が多いことも特徴の一つ。
つまり、初心者に優しい重量が選択しやすく、負荷が少ない安全な姿勢でトレーニングができるため、怪我のリスクが少ない点がメリットと言えます。
大胸筋をダンベルで鍛える2つのデメリット
ダンベルで鍛えるメリットがある一方で、デメリットも考えられます。
- 高重量は扱いにくい
- フォームの習得に時間がかかる
①高重量は扱いにくい
低負荷から始められるメリットを持つダンベルですが、その反面、両手で持つバーベルに比べて高負荷がかけにくいのがデメリットです。
ダンベルにも20kg以上の重さはあるものの、片手支えるので重さが増すほど扱いにくくなり手首にも負担がかかるため、無理をすれば怪我や腱鞘炎など慢性的な症状が起こるリスクが高まるでしょう。
メニューを変えて刺激を変化させてもダンベルで筋トレの効果が感じにくくなった場合は、負荷が足りないかもしれませんので、より高負荷が扱えるバーベルやマシンも取り入れてみてください。
②フォームの習得に時間がかかる
狙った筋肉に適切な刺激を与えるには、正確なフォームを保ち続けることが重要です。
可動域が広く自由に動かせるのがダンベル利点ですが、マシンやバーベルと違い動きが固定されていないからこそフォームが崩れやすいのが難点であり、自分自身で正確なフォームを身につけるのには時間がかかります。
また、バリエーションによってはダンベルの重量が増すほど、スタートポジション(基本姿勢)が取りにくくなることも知られています。
正確なフォームが自然と取れるようになるまでは、軽い重量で動作を繰り返し、目的の部位に刺激が入ってるか確認しましょう。
そして、手首や肩など関節に痛みや違和感がないかもにも注意を払うようにしてください。
【男女別】ダンベルの重さと選び方
ダンベルトレーニングを始める時に、自分に適切な重さのものや、使いやすい素材のものを選ぶのは大切なポイントです。
軽すぎてはせっかくの筋トレ効果が薄くなり、重すぎる場合はトレーニングの危険性が増し怪我のリスクが上がるほか、継続するモチベーションを失くしてしまうかもしれません。
また、同じ初心者であっても男性と女性では体の構造上、筋肉量に差があるのでスタートする重さが違い、運動レベルによっても異なります。
そこで、ここからは男女レベル別の重さの目安と、ダンベルの種類を解説していきますので、扱いやすさにも気を配り後悔しないダンベルを選択していきましょう。
【男性編】ダンベルの目安重量
男性の運動レベル別のダンベル重量の目安は以下の通りです。
- 初心者:5kg程度
- 中級者:10kg程度
- 上級者:10kg以上(本格的にトレーニングする方向け)
初心者は5kg程度から始めることをおすすめしますが、筋トレはしていなくても、もともと筋肉量が多い方や日々の運動量が多い方には、すぐに物足りなくなる可能性があります。
長期的にトレーニングをしていく計画をお持ちなら、経済的かつ省スペースを実現できる、重さを調整できる可変式タイプのダンベルを選ぶと良いでしょう。
【女性編】ダンベルの目安重量
女性の運動レベル別のダンベル重量の目安は以下の通りです。
初心者:2〜3kg
中級者:5kg程度
上級者:5kg以上
上記のダンベルの重さは筋肥大を目的にしたトレーニングで扱う重量になります。
目的がバストのキープやダイエット・引き締めであれば、女性の場合500g〜1kgの軽い重量で行う方が、回数を増やし長く継続できるのでおすすめです。
【ダンベルの種類】固定式と可変式の2種類
ダンベルには重さを調節できない「固定式」と調節できる「可変式」の2つがあります。
固定式は重量を毎回セッティングする手間がなく、初期投資(価格)も抑えることができるメリットがあります。
ただ、ご自身の成長に合わせて負荷を足すことができないので、都度適切な重さのダンベルを揃えていくことになるため、将来的には買い足す価格とダンベルを置くスペースが必要になります。
可変式はダンベル本体に重量プレートを追加して、負荷を調整できることが特徴です。
初めの購入価格は固定式より高くなりますが、ダンベルを買い足す必要がなく長期的なトレーニングに向いています。
ただし、トレーニングごとに重量のセッティングをしたり、お手入れが必要なので、管理の手間がモチベーションを下げるネックなるかもしれません。
【ダンベルの素材】それぞれの特徴を確認
ダンベルは素材によっても耐久性や使いやすさが変わるので、確認していきましょう。
基本的には金属素材がメインですが、一部他の素材もあるのでご紹介していきます。
プラスティック製
水を重さにしたウォーターダンベルはプラスティックで作られています。
固定式ダンベルに含まれるタイプであり、水の量の増減で多少の重量調整はできますが、水の揺れにより瞬間的に手首にかかる重さのバランスが変わるのが難点と言えます。
また、経年劣化による水漏れや落下時に破損しやすいなど、他の素材と比べて耐久性は劣ります。
ラバー製
鉄(アイアン)などの金属素材でできた固定式ダンベルに、ゴム素材でコーティングしたものがラバーダンベルであり、滑りにくく握りやすいのが特徴です。
ほかにも金属特有のサビがでにくく、床に置いた時の音を抑え傷がつきにくい効果もあります。
クロム製
クロムには「クロムという金属でできたもの」と「クロム金属で表面を塗装したもの=クロームメッキ」の2つがありますが、いずれも固定式、可変式の両方で広く使用されており、耐久性が高くサビも出にくい特徴を持ちます。
非常に硬度が高い(すごく硬い)ことからダンベルが落下した場合、床に傷がつくのは避けられないため、トレーニング時はマットレスを使用する方が良いでしょう。
ただし、プラスティックや、アイアン・ラバー製に比べると高価格のため、筋トレに不慣れなうちは慎重に検討してから購入することをおすすめします。
【実践しよう!】ダンベルで鍛える大胸筋トレーニング11選!
ダンベル使った大胸筋トレーニングはバリエーション豊富であり、大胸筋全体や3パーツそれぞれを狙って鍛えることもできます。
ここからは、ダンベルのみで手軽にできるベンチ台なしのトレーニングと、ベンチ台を使ったトレーニングをパーツごとに紹介していきますので、初めての方はまずベンチ台なしから挑戦してみましょう。
大胸筋の上部・中部・下部と部位ごとにトレーニング方法を紹介していくので、鍛えられる部位を確認しながら取り組んでみてください。
【ベンチ台なし・上部】アッパーレイズ
アッパーレイズは、椅子に座った状態で行うトレーニング方法であり、大胸筋上部をメインターゲットに鍛えることができます。
アッパーレイズのやり方
- 椅子に座り、背筋はまっすぐ伸ばす
- ダンベルをもち、肘を90度にまげ脇を締める(スタートポジション)
- 肩と肘が平行に位置にくるまでダンベルを持ち上げる
- ゆっくりと、元の位置に戻す
- 2〜4を繰り返す
目安回数は10〜12回3セットです。
ダンベルを持ち上げる時に肘を動かすと腕や肩に負荷が逃げてしまうので、肘を90度にキープすることがポイント。
また、肩の高さまで肘が上がらない場合は重量が重すぎる可能性があるので、「持てる重さ」ではなく「持ち上げられる重さ」のダンベルを使用しましょう。
【ベンチ台なし・下部と内側】ダンベルアダクション
ダンベルアダクションは、鍛えにくい大胸筋下部と内側をダンベルのみで鍛えられるトレーニングであり、メリハリのある胸のアウトラインを作りに役立ちます。
ダンベルアダクションのやり方
- 片手にダンベルをもち、肩幅に足を開く
- 膝をまげ、お尻を後方に突き出して中腰になる
(上半身を角度は30〜45度程度に傾ける) - ダンベルを持たない手は、膝におく
- 脇を締め腕を伸ばしたまま、ダンベルを真横にふる
目安回数は左右10回を1セットとし、3セット行ってください。
ダンベルを横に振る時に、肘が軽く曲がるのは自然な動きなので無理に伸ばさないようにしましょう。
また、腕の力で持ち上げたり、素早く振って反動を使う、ダンベルを斜めに動かしてしまうと、いずれも大胸筋に負荷はかかりません。
脇を締めて胸の内側の筋肉が伸縮するのを意識しながら、ゆっくりとした動作で行うようにしてください。
【ベンチ台なし・下部】ダンベルプルオーバー
大胸筋を下部を刺激するダンベルプルオーバーは、大胸筋を縦に縮めて刺激する数少ない種目であり、トレーニングメニューに変化をつけたい時に取り入れられることが多々あります。
ダンベルプルオーバーのやり方
- 仰向けに横になる
- ダンベルを胸の上に持ち上げ、肘を曲げた状態で構える(セットポジション)
- 肘の角度をキープしたまま、頭の後ろにダンベルを下ろす
- 肘はそのままで、元の位置まで戻す
- 2〜4を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セット、1セットごとに60秒のインターバルをとりましょう。
肘をしっかり曲げる、肩甲骨を寄せて腰を動かさない(反動を利用しない)ことで、胸筋にしっかり負荷がかけられます。
【ベンチ台なし・中部から下部】フロアプレス
フロアプレスは、床に仰向けに横たわった状態で行うトレーニング方法です。
ダンベルの持ち方を変えることで、刺激の入り方が代わり中部〜下部まで鍛えることができます。
フロアプレスのやり方
- 両手にダンベルを持ち、床に仰向けになる
- 膝は立てて支えることで、フォームを安定させる
- 肘の上にダンベルと手首が来るように脇を締めて構える(セットポジション)
- ゆっくりとダンベルを腕が伸び切るまであげる
- あげきったら、肘が床につく寸前までゆっくりと下げる
- 3〜5を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セットです。
肘が床までしか下げられないので可動域は制限されますが、肩に余計な負荷がかからず痛めにくいので、初心者でも取り組みやすい種目です。
肩甲骨を寄せ、胸を張って行うことで大胸筋にストレッチがかかり、しっかり負荷を与えることができます。
また、ダンベルを逆手(手のひらを手前に向け下から握る)で持つことで、大胸筋下部を狙うことも可能です。
逆手は通常の持ち方より力が入りにくいので、やや軽めのダンベルで行うようにしましょう。
【ベンチ台あり・上部】インクライン・ダンベルプレス
大胸筋上部を鍛えるインクラインダンベルプレスは、分厚い胸板を作るのに適したトレーニング方法であり、角度が変えられるベンチ台を使用します。
インクラインダンベルプレスのやり方
- ベンチシートを30〜45度に設置する
- ダンベルを両手にもち、ベンチに仰向けになる
- ダンベルを胸の真横に、手の角度をややハの字(内側)に構える(スタートポジション)
- 腕を床が垂直になるよう、まっすぐ伸ばす
- 肩甲骨をしっかり寄せて、ダンベルを元の位置までゆっくりさげる
- 3〜5を繰り返す
目安回数は1セット8〜12回を3セット行いましょう。
腰部分がベンチから多少離れるのは自然ですが、お尻が持ち上がりベンチから離れてしまうと、ベンチ台で設定した角度より体の体制が浅くなり胸に刺激が入りにくくなるので、お尻を持ち上げないよう意識してください。
【ベンチ台あり・上部】インクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライは、大胸筋上部を狙って鍛えられる種目です。
胸の上部を鍛えて見栄えのあるデコルテラインを作りたい方は取り入れてみてください。
インクラインダンベルフライのやり方
- ベンチの角度を30〜45度に設置する
- 両手にダンベルを持ち、ベンチに腰をかける
- ベンチに体を倒し、天井方向に腕を伸ばしてダンベルを持ち上げる
- ダンベルは向かい合わせるように持つ(スタートポジション)
- 肩甲骨を寄せ、胸が開き切るまでダンベルを真横に下ろす
- ゆっくり元の位置にもどる
- 4〜6を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セットになります。
この種目もベンチからお尻を浮かせないようにし、腕を下げる時に肩甲骨をしっかり寄せることがポイントです。
また、ダンベルを下げる時に肘を開いて腕を外側に伸ばしてしまうと、上腕と肘に強い負荷がかかり怪我のリスクが高まるので、肘は曲げて行うよう注意してください。
【ベンチ台あり・中部と内側】ダンベルプレス
ダンベルプレスは主に大胸筋中部を鍛えるトレーニングですが、フォームを工夫すれば鍛えにくい内側の筋肉も刺激することができます。
ダンベルプレスのやり方
- ベンチ台に仰向けになる
- 両手にダンベルをもち、胸の真横に構える
- 胸が張るように肩甲骨を落とす(スタートポジション)
- 天井に向かって垂直にダンベルを持ち上げる
- あげきったらゆっくりと元の位置に戻す
- 3〜5を繰り返す
内側を刺激する場合は、スタートポジションからダンベルをやや内側に向かって持ち上げるようにしましょう。
目安回数は1セット10回を3セットです。
ダンベルプレスは手首に負担がかかりやすい種目のため、手首をそらした(寝かした)状態でダンベルを持って行うと痛める可能性があります。
怪我を防止するためにも、手首を立てて行うよう意識してください。
また、肩の関節が硬い方はダンベルが胸につくかつかないか程度の高さまで下ろすことに留め、無理して下げすぎないようにしましょう。
【ベンチ台あり・中部】ダンベルフライ
ダンベルフライは、肘を固定して肩と胸の力を使ってダンベルを持ち上げるため、より強いストレッチを与えられる種目です。
ダンベルフライのやり方
- ダンベルを両手に持ち、ベンチ台に仰向けになる
- ダンベルは手のひらを向かい合わせて胸の上、垂直に持ち上げる(スタートポジション)
- 肘を少しずつ曲げながら、胸を開くように横にダンベルを下げる
- 下ろした肘の角度は90度よりやや広めにする
- ゆっくり元の位置に腕を戻す
- 2〜5を繰り返す
目安回数は1セット10〜15回を3セット。
肘は伸ばさず、ダンベルを下ろす深さを胸の位置までにすることが安全に行うポイントです。
肘を伸ばすと腕や肩に余計な負荷がかかり大胸筋への刺激は減ります。
また、ダンベルを深く下ろすことで可動域は広がり大胸筋にも強い負荷がかけられますが、肩を痛めやすくなるので胸に負荷をかけつつ肩を痛めない適切な範囲(胸の位置)までに止めるよう注意することが大切です。
【ベンチ台あり・中部】ダンベル・スクイーズプレス
ダンベルを向かい合わせた状態で押し付けながら持ち上げていく種目がダンベル・スクイーズプレスになります。
大胸筋中部を狙ったトレーニングであり初心者にもおすすめですが、慣れないうちは腕に負荷が逃げやすいので、動画でしっかりフォームを確認してから初めてください。
ダンベル・スクイーズプレスのやり方
- 両手にダンベルをもち、ベンチに仰向けに寝る
- 胸の前でダンベルを可能な限り力を入れて合わせる(スタートポジション)
- 肘が伸びきるまで、まっすぐダンベルを上に持ち上げる
- 元の位置(胸の前、胸につかない高さ)までダンベルをゆっくり下げる
- 2〜4を繰り返す
目安回数は1セット8〜12回を3セットであり、1セットごとに最大60秒のインターバルを挟みながら行いましょう。
ダンベル・スクイーズプレスで効果が感じられない場合、胸でなく腕の筋肉を使ってしまうことが原因かもしれません。
大胸筋に正しく負荷をかけるには、ダンベルを常に力一杯くっつけた状態にすることが重要なポイントです。
ダンベル同士が離れたり、胸の中心から偏った状態で行うと、左右のバランスが崩れ腕で重さを支えてしまうので胸に刺激が入らなくなります。
胸の中心でダンベルをしっかり合わせることを常に意識しましょう。
【ベンチ台あり・下部】デクライン・ダンベルプレス
デクライン・ベンチプレスは、体に傾斜をつけた状態で行うダンベルプレスであり、大胸筋下部を狙って鍛えることができます。
デクライン専用の台もありますが、ジムでも置いてない場合があるので、通常のフラットベンチを使った方法をご紹介します。
デクライン・ダンベルプレスのやり方
- ベンチに仰向けなり、膝を曲げて足をベンチに乗せる
- ダンベルを持った両手を胸の上にまっすぐ持ち上げる
- 膝から上半身まで一直線になるようお尻と腰を持ち上げる(スタートポジション)
- みぞおちの高さまでダンベルを下ろす
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 3〜5を繰り返す
フラットベンチに足を乗せて角度をつける際には、ベンチから体が滑らないよう滑り止めシートを背中にはさむ等の対策を取りましょう。
また、ダンベルを下ろす時は、肘が常にダンベルの真下にきているか注意して行ってください。
【ベンチ台あり・下部】デクライン・ダンベルフライ
大胸筋下部に向かって、強いストレッチをかけられる種目がデクライン・ダンベルフライです。
下部を鍛えると胸の輪郭を明確にできるので、立体感のある大胸筋を作ることができます。
デクライン・ダンベルフライのやり方
- ベンチに仰向けなり、膝を曲げて足をベンチに乗せる
- ダンベルを持った腕を胸の中心からまっすぐ上に持ち上げる
- お尻、腰を持ち上げ、膝から頭までを一直線にする(セットポジション)
- 腕を広げ肘を曲げて、ダンベルを肩より下に下げる
- 元の位置にもどす
- 3〜5を繰り返す
デクラインは頭がお腹より下がった状態で行うので、しっかりお尻と腰を持ち上げた姿勢をとりましょう。
※ご紹介した通常のベンチで行う方法は、やや安定性に欠けるためジムにデクライン専用の台があればそちらを使用してください。
また、ダンベルを下ろす時は、息を吸って、胸を広げることで胸が張り大胸筋に刺激が入りやすくなります。
ここまでダンベルを使って大胸筋を鍛えるトレーニングメニューを紹介してきましたが、他にも大胸筋を鍛える方法はあります。
以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
【立体感を意識する】バランスの良い大胸筋の作り方
体を逞しく見せることや、美しいボディメイクに欠かせない大胸筋を鍛える時は、筋肉の厚みや左右のバランス=立体感を意識することが大切です。
前述の通り、上部・中部・下部の各パーツと胸の中央部分では、それぞれ筋繊維の量や伸縮のしやすさにより発達の仕方が異なるため、一気に厚みを持ったメリハリのある大胸筋を作るのは難しいことがわかります。
また、生活習慣などの影響でもともと体の筋肉は左右均等でないケースがほとんどなので筋トレも、より筋力が弱い方のメニューを増やすなど、バランス調整が必要です。
つまりバランスが良く立体的な大胸筋を手に入れるには、トレーニング方法を覚えるとともに「全体のボリュームUPさせ、必要なパーツを整えていく」など、順序だてたメニュー作りにも徐々に取り組んでみると良いでしょう。
メリハリのある理想の大胸筋を作るならパーソナルジムへ
ダンベルを使った大胸筋トレーニングは、自宅でも取り組みやすく理想の大胸筋を作りに効果的なアプローチと言えます。
特に大胸筋は筋トレ効果が目に見えてわかりやすいので、モチベーションを保ちながら続けやすいが良い点です。
しかし以下のような理由から、立体的でバランスの取れた大胸筋作りには難点も多く、専門的な知識があるほうがより良いと言えます。
- 各パーツの筋トレ効果の出やすさが違う(中央と下部は鍛えにくい)
- ダンベルの正確なフォームを身につけるのに時間がかかる
- 各パーツの成長を意識したメニューの組み立てが必要
- ある程度筋肉がつくと、負荷が低いので成長しにくくなる
短期間で正しいフォームや自分のトレーニングに必要な知識を身につけ、自宅での筋トレに活かしたいならパーソナルトレーニングを検討してみてください。
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