マシンピラティスの資格とは?利用者がチェックするポイントをご紹介

ピラティスの資格に興味を持つ方の多くは、トレーナー志望やピラティスへの理解を深めたい方が多いと思います。

実際「ピラティス×資格」を調べると、ピラティストレーナーを目指す人に向けたスクールの説明・資格の記事が多く、ジムでこれからピラティスを習いたい方向けの説明は少ない印象です。

ピラティスを始めたい時に、トレーナーの資格を気にされる利用者は多くないのかもしれず、記事が少ないのかもしれません。

ですが、この記事ではピラティスを習いたいけど、どんなトレーナーがいるジムを選んだいいのか?に注目し、

  • そもそもどんな資格があって、何を見たらいいのか?
  • 資格のないトレーナーはOKなのか?

など、ピラティスのトレーナーの選び方と資格について利用者がわかりやすいようにご紹介していきます。

少しでも気になっている方にとって、ピラティスジムやトレーナーを選ぶときの参考になれば嬉しいです。

日本にはピラティスの国家資格がない!

ピラティスは約100年前に考案されて以来、発祥国のドイツはもとより、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどを含め30カ国以上で広く普及しています。

日本では2000年以降にマットピラティスが健康やダイエットに良いとして定着し、ここ数年はマシンピラティスが急速に拡大中です。

これだけ世界中で人気のピラティスですが、現在オーストラリアには国家資格があるものの、日本を含み多くの国にはピラティスの国家資格はありません。

そのため、ピラティストレーナーは国際的な教育基準を認定している非営利組織PMA(ピラティスメソッドアライアンス)に
所属している団体が提供する資格をとるケースが多くなっている
ようです。

また、当然PMA以外の団体もあります。

  • PAA(ピラティス アライアンス オーストラリア):オーストラリアで国家資格として認められたカリキュラムを提供
  • JAPICA(日本ピラティス指導者協会):日本人体型に合わせたピラティスを開発、資格を提供

日本ではPMA所属団体が多いので、利用者がトレーナーを調べるときはPMA認定団体の資格保有者をよく目にするかもしれません。

ピラティスの資格の特徴や取得費用

PMA加盟団体によるピラティスの資格には、以下のようなものがあります。

  • PHI Pilates
  • BASI
  • balanced body
  • Peak Pilates
  • FTP Pilates
  • STOTT PILATES

それぞれの特徴や取得にかかる費用も紹介していきますので、参考にしてください。

PHI Pilates

PHI Pilates Japan

リハビリテーションとコンディショニングとしての「ピラティス」を、正式に継承している団体のひとつがPHI Pilatesになります。

【PHI Pilatesの特徴】
・マシンごとに細分化された8つの資格認定コース+特別プログラム」
・基本は対面レッスン(一部オンラインコースあり)+学習専用アプリ

マット/プロップス(※1)/バレル/チェア/タワー/リフォーマー/ユアバック®︎の細分化された8コース+特別プログラム(ユアバック®︎)がPHI Pilatesの特徴です。

※1:小道具を利用したマットピラティス

初めて資格認定コースを受験する場合は、まずマットかリフォーマーの受講が必要であり、修了後に小道具や各マシンを使用する他コースの受講が可能となります。

【資格習得の時間と費用】(マット/リフォーマー)
費用:254,100〜 277,200円 (税込)(他、任意でテキスト代)
場所:全国各地
時間:4日間(全日10-18時)
試験:公認試験官の前で実技指導+口頭試問

全国各地で資格認定コースを開催しており、基本は対面式のレッスンですが、プロップス・バレル・ユアバック®︎の3コースはオンラインでも受講可能です。

ほか、指導者になるために必要な機能解剖学(筋肉・骨・体の働きと特徴、連動をを学ぶ学問)を学ぶための専用学習アプリ(有料)が用意されているのも大きなポイント言えます。

隙間時間で手軽に学べるアプリを活用することで、初学者がつまづきやすい難解な学問を挫折せずに学べぶことができるでしょう。

BASI

BASIピラティス
BASIピラティス

ピラティスの原則に忠実であることを損なわずに、最新の科学的知見を取り入れているBASIは、指導者の成長に必要な総合的な教育・サポートを行なっている団体です。

【BASIの特徴】
・日本国内で4,000人以上インストラクターを輩出す実績
・医療従事者に特化したプログラム
・オリジナルスタイルのピラティスに、独自の手法を組み合わせている

BASIは日本のピラティス教育の先駆者であり、日本国内でピラティスインストラクターを4000人以上排出する実績を誇ります。

コースはマット資格とコンプリヘンシブ資格(マットとマシンの両方の資格)の2つ。

【資格習得の時間と費用】(マット/コンプリヘンシブ)
費用:298,000円 〜990,000円 (税込)
場所:全国各地(一部オンライン可)
時間:186〜500時間以上
試験:筆記+実技(課題の提出)

ほか、医療従事者や医療系専攻の学生向けに設定されたコースがあるのも、BASIの特徴です。

医療現場に取り入れられるピラティスとして、医師や理学療法士、柔道整復師、運動化学の学位を習得した人を対象にしています。

balanced body

Balanced Body
Balanced Body

バランスドボディは、未経験の方でも総合的に指導力のあるピラティスインストラクターとして活躍できる教育プログラムを提供しているスクールです。

【バランスドボディの特徴】
・ピラティスマシンのトップシェアメーカーが手がける資格習得スクール
・自主練でzen placeのスタジオが利用できる
・コアアラインの独立したコースがある

バランスドボディ社は、ピラティスマシン開発の世界トップメーカーであり、日本のピラティススタジオでも同社のマシンが多く使用されています。

マシンを知り尽くしたバランスドボディで学ぶことで、どのスタジオでもマシン操作に躊躇せず、通用するインストラクターが目指せるでしょう。

また、バランスドボディのスクールを日本国内でスクールを運用するのは、全国130のピラティススタジオをもつzen place。

養成スクールの受講者は無料でzen placeのスタジオを使った自主練習が行えます。

【資格習得の時間と費用】(マット/コンプリヘンシブ)
費用:335,000〜930,000円 (税込/セット料金)
場所:東京都内・静岡・大阪・名古屋(一部のコースはオンラインあり)
時間:150〜350時間
試験:筆記+実技

特徴の1つにあるコアアラインとは、筋力やバランス、歩行など機能的な動きの改善を目的にした、立ったまま扱える唯一のピラティスマシンです。

マシンのうち、リフォーマーに偏りがちのピラティススクールが多いなか、バランスドボディではコアアラインをしっかり学べる独立したコースが用意されています。

Peak Pilates

peakpilates
Peak Pilates

ピーク・ピラティスは、高品質なピラティス教育とジョセフ・ピラティス氏の伝統を引き継ぎながら現代のニーズを捉えた進歩的なプログラムを提供している団体です。

【ピーク・ピラティスの特徴】
・認定資格はマットとエクイップメント(マシン)の2つ
・モジュール方式で着実に実力が身に付く

資格はマットとマシン(エクイップメント)のシンプルな2コースです。

【資格習得の時間と費用】(マット/マシン)
費用:330,000〜1,048,300円(税込)
場所:表参道・鎌倉(他静岡・名古屋・広島などで開催実績あり)
時間:500時間以上

マットもエクイップメントもそれぞれ3段階のレベルに分かれ、各レベルは複数のモジュール(単位)で構成されています。

モジュールを全て終えたあと実技と筆記試験に合格し、規定の時間まで見学・個人練習・指導をおこなうと、次の段階のレベルに進める仕組みです。

段階的にじっくり学んでいくため、初心者でも挫折ぜずに着実にピラティスインストラクターとして実力を身につけられるでしょう。

FTP Pilates

FTP Pilates
FTP Pilates

FTPは1991年にロンドンで誕生したフィットネス組織であり、日本では2000年からFTP Pilatesとしてピラティスインストラクターの養成を行っています。

【FTP Pilatesの特徴】
・マットピラティスに重点をおいたコース
・比較的短い履修時間

リフォーマーを履修するコースもありますが、マットピラティスを重点的に学ぶことができるのがFTP Pilatesの強みであり特徴です。

【資格習得の時間と費用】(マタニティ/マット)
費用:132,000〜181,500円(税込)
場所:全国各地(関東・中部地方が中心)
時間:各コース9〜36時間(ピラティス資格保有者を含む)
試験:コース受講後・筆記+実技試験あり

マタニティやシニア向けの指導ができるコースのほか、立位で行うマットピラティスなど、クライアントの状態やニーズに特化したカリキュラムを提供しています。

STOTT PILATES

STOTT PILATES
STOTT PILATES

ピラティスにより怪我のリスクを避け、筋肉の強さ・柔軟性・持久力を追求するトレーニングで、クオリティーオブライフの向上をめざすのがストットピラティスです。

【STOTT PILATESの特徴】
・世界NO1ピラティスブランド
・ニーズに合わせた多彩なアプローチが学べる

カナダに本部を置くストットピラティスは世界150箇所以上に展開しており、世界NO1ピラティスブランドとも言われている、高品質でリハビリテーションに重きを置く流派のピラティスとなります。

マットや各種マシンを使ったコースのほか、傷害や妊娠中などクライアントの特殊な体の状態に対応できるコースが学べることも特徴です。

【資格習得の時間と費用】(マット)
時間:最低95時間以上(IMP初級マットコース)
試験:詳細は要問い合わせ
※費用・場所は、ストットピラティスの認定資格を受けられるスクールにより異なります。

また、マインドフルネスや筋膜に特化したコースなど、他のピラティスにはない独自のコースが多数あることも、ストットピラティスならではの魅力と言えるでしょう。

ピラティスの資格は大きく分けてマットとマシンの2種類

PMAが認定してる団体は数多くあり、資格の種類もその団体独自のものになります。

各団体ごとに違う資格ですが、ピラティスの資格は大きく分けると「マットとマシン」の2種類です。

基本的にはマットの資格を習得してから、マシンの資格を取る順番になっている団体が多く見受けられます。

そのため、有資格者のピラティストレーナーのなかには、マット専門とマット&マシンのどちらも可能な方がいるのです。

ピラティストレーナーがまず目指す資格はマットが多い

ピラティスの資格を取りたいと思う方の多くは、まずマットピラティスの資格を目指すことになります。

民間資格なのでマットの資格がなければ、マシンの資格が取れないという決まりはありません。

しかしながら、マットはマシンと比較すると

  • 資格習得までの難易度(学習時間や費用、技術面など)が低い
  • トレーナーを目指す方にとって、ピラティスをゼロから体系的に学ぶことができる

など、マシンピラティスの資格を目指す人にとっても、マットの土台があるほうが学びやすいと言えるでしょう。

そのため、多くのスクールでは「マット資格を持っていること」をマシン資格を学ぶ条件に設定しているため、実質ピラティスの資格を目指すならマットからとなっているようです。

マシンの資格はリフォーマーが代表的

マシンピラティスを習いたい方がイメージするマシンの多くは、リフォーマー(ベット型の大型器具)ではないでしょうか?

【マシンピラティスでつかう器具】

  • リフォーマー
  • キャデラック(トラピーズテーブル)
  • チェア
  • バレル(ラダーバレル)
  • 脊椎矯正装置(スパインコレクター)

上記のように、ピラティスで使われる主なマシンは6種類ありますが、リフォーマーは負荷の調整や可能な運動の種類が多い=
その人の状態に合わせられるため、マシンピラティスを代表するものとなっています。

マシンピラティスの資格で特徴的なことは、リフォーマーかそれ以外の器具かで資格が分かれている場合があることです。

  • 代表的な6種類すべての器具を扱える資格
  • リフォーマーだけの資格
  • リフォーマー以外の器具の資格(器具の種類ごとに資格がある団体もあり)

など、団体によっては、マシンピラティスの資格が細分化されていることもあります。

無資格トレーナーがいるのはなぜ?

一般的にジムのトレーナー(例えばパーソナルトレーナー)や、前述した通りピラティスにも国家資格がないので、無資格でも他人に指導すること自体なにも問題はありません。

ですが、利用者目線で考えてもトレーナー視点で考えても、トレーナーが資格を取らずに無資格のままで活動するメリットは無いはずです。

問題にはならないものの、メリットがない(むしろ無資格だと信頼性や安心感を得にくい)無資格のトレーナーがいるのはなぜでしょうか?

ピラティスは資格取るまでに数ヶ月から1年以上かかることがあるので、現在資格のないトレーナーは働きながら資格習得を目指している方が多いと思われます。

誰でも未経験からスタートするのは当然ですが、利用者の立場として習いに行ってるのにトレーナーも「勉強中です、学習中です」といった態度と指導をしてくるようでは不安を感じるかもしれません。

もちろん、そのようなトレーナーはジムのリスクにもなるので、無資格であってもしっかり研修を重ね「指導者としての技術がないまま利用者に教えることがない」ように努めているでしょう。

有資格者or無資格者?トレーナー選びの考え方

ここまで、PMA認定団体の資格や特徴をご紹介してきましたが、そもそも利用者はトレーナーをどう選んだらいいのでしょうか?

資格は一定の技術・知識を習得していることの証明にはなりますが、資格がある=良いインストラクターとは言い切れません。

前述した通り、現在進行形でトレーナーとして働きながらピラティスの資格習得を目指してる(=無資格)方もいるでしょう。

そのため、資格の有無だけにかかわらずトレーナーを選ぶ場合は、以下のポイントを考慮してみてください。

口コミやレビューなど、過去の実績を調べる

トレーナー個人や所属するジムの方針によりますが、実績やトレーナーとしての考え方(指導方針)を載せているケースは多々あります。

また、口コミは実体験を載せているので広告よりも参考になる面もありますし、多くの人がすでにチェックしているでしょう。

リアルな体験談のため参考になる反面、客観性が薄く、その人の考えやその時の感情などに左右されやすいため、非常に極端な意見が集まりやすい部分もあります。

そのため口コミを見る際は、良い意見と悪い意見の両方を見るようにしてください。

身体機能に関係する資格をもっている

ピラティスそのものの資格は持っていなくとも、ピラティストレーナーとして指導する際に活かせる「体に関係する資格」は多数あります。

  1. 柔道整復師(整体師)
  2. 理学療法士
  3. フィットネストレーナー資格

ピラティスの資格を目指す際に、団体によっては身体に関係する有資格者向けのコースを設定しているほど、ピラティスと相性が良い資格と言えます。

上記のうち1と2は国家資格であり、身体の解剖学や生理学に詳しく、身体機能の回復などの知識や技術を持ってることから、ピラティスの指導にも役立つ資格です。

また、3のフィットネストレーナーにも国家資格はありませんが、ピラティスと同じく国内外に代表的な資格があり、体の仕組みのほか指導方法やプログラム制作に秀でています。

ここまではマシンピラティスを始める時、トレーナーはどう選んだらいいのか?

ピラティスの資格を持っているかに注目してお伝えしていますが、トレーナーを含め、ジムやスタジオ選びを失敗したくない方は、ぜひこの記事も参考にしてみてください。

関連記事:【失敗しないために】マシンピラティスのジム・スタジオの選び方を解説!

資格は目安!利用者は体験してジムとトレーナーを確認しよう

この記事では、マシンピラティスにどんな資格があり、利用者は何チェックしたらいのか?を利用者視点でご紹介してきました。

マシンピラティスの資格は、いろいろな団体が様々な名前で提供していますが、いずれも知識と実技を時間をかけて履修して資格を取ることには変わりはありません。

ピラティスを習いたい方は、トレーナーがピラティスの資格を持っているのか?

その資格がマットだけなのか、マシン(またはリフォーマーや全部の器具)も含むのかだけをチェックしても良いでしょう。

資格はトレーナーが一定の知識と技術をもっていると証明してくれるものであり、利用者としては安心材料になる1つの目安です。

結局のところ、古い言い方ですが「百聞は一見にしかず」

あなたの条件(価格や、やりたいこと、立地など)に合うジムであれば、トレーナーが選べないところもあるので、トレーナーの資格の有無に関係なく体験してみるのも大切です。

指導方法やコニュニケーションの取り方、相性が合うかは実際に体験してみなければ掴みにくく、ピラティスでできることや疑問を解消するチャンスとも言えるでしょう。

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