運動しないならプロテインはいらないと思っていませんか?
その考えは「半分正解で半分は誤解」です。
プロテインはタンパク質を効率よく摂取できるようにした栄養補助食品であり、運動をしていない・している人に関わらず「タンパク質が不足している人」はプロテインの摂取をおすすめします。
逆に、運動していない人で食事から十分にタンパク質が取れてるのなら、あえて飲む必要はありません。
この記事では、運動しない人のプロテイン摂取について飲むメリット・デメリット、飲むと良い人or不要な人、健康維持やダイエットへの活用についてご紹介していきます。
運動しない人がプロテインを飲むメリット

運動しない人がプロテインを飲むメリットは、主に日々の健康維持やダイエット、美容に役立つということがあげられます。
日本人の食事は「炭水化物=主食」が多くなる傾向があり、たとえ1日の総摂取カロリーが適正な数値であっても、バランスをしっかり意識しないとタンパク質不足になりがちです。
食事の改善の難易度は(肉や魚・大豆製品などの)好みや、食べられる量にも左右されるため、すぐに変えて継続することが難しい方もいるでしょう。
そういった際にご自身の状況に合わせて摂取しやすいプロテインが役立ちます。
健康維持やダイエット・美容にどういう効果が期待できるのかを確認していきましょう。
タンパク質の補給で美容・健康維持に役立つ
タンパク質は筋肉だけでなく、皮膚・爪・髪・内臓といった体のほぼすべてを構成する栄養素です。
体の材料であるタンパク質が不足すると、以下のような悪影響が起こりやすくなります。
- 筋肉が落ちやすくなり、代謝が下がる(健康面で悪影響)
- 肌や髪の乾燥しやすくなり、シワや抜け毛の原因になる(美容面での悪影響)
そのため、タンパク質を必要な量しっかり摂ることは運動をしない方でも筋肉を維持し健康で活動的な毎日を過ごすうえで重要です。
食事からタンパク質を摂ることは理想ですが、現代は忙しい人が多く、朝・昼・晩の3食をしっかりバランスを考えて食べるのは、ライフスタイルによっては難しい場合もあるでしょう。
また、もともと食が細い、高齢になり食事の量が減ったなど、食事から必要な量を取るのが難しい方にも、手軽にタンパク質を摂取できるプロテインは健康管理のサポートに役立ちます。
間食・高カロリー食品の代替として使える
プロテインはタンパク質ですが、食品として摂取しやすくなるするためほとんどのプロテイン製品は味付けされており・炭水化物(糖質)と脂質も含まれています。
【一般的なホエイプロテイン(30 gスプーン1杯当たり)】
- カロリー(エネルギー):110 ~ 125 kcal
- たんぱく質:20 ~ 22.6 g
- 脂質:1.6 ~ 2.6 g
- 炭水化物:2.3 ~ 4.6 g(糖質はほぼ全量)
食事以外でカロリーの高いおやつを摂りがちな方は、間食をプロテインバーやドリンクにすることで、余計な糖質や脂質を減らしつつ、良質なタンパク質が補給できるので、置き換えてみるのもおすすめです。
置き換えについて以下の記事でも詳しく解説しております。
関連記事:プロテイン置き換えで健康的なダイエットを実現する方法
運動しない人がプロテインを飲むデメリット

プロテインの摂取については、慎重にならざるを得ないほど強烈なデメリット(病気や疾患によりドクターストップがある場合を除く)というものはないようです。
ですが、栄養補助食品なので「必要がない人」がとると、栄養バランスが偏ったりカロリーオーバーになる可能性が高まります。
一般的に運動習慣がある人がプロテインを飲むのは、タンパク質が消費される量が多い(運動中の筋肉の分解を防ぐ・運動後の体の回復などに使われる)からです。
食事から取る場合、代謝(食品が体の中で分解され、栄養素として吸収できる状態まで分解される作用)に時間とエネルギーがかかるので、こまめな補給を食事のみで行うのは効率的ではありません。
そのため、運動量の多い人はかんたんに摂取できて代謝がスムーズなプロテインを活用しています。
逆に、運動しない人は体に必要な量(筋肉が維持できる、現在状態を保てる)が取れていれば良いため、不要なプロテイン摂取により栄養過多やバランスを崩すことが懸念されるのです。
摂取カロリーオーバになりやすい
「間食・高カロリー食品の代替として使える」でお伝えしたとおり、一般的なプロテイン(味付けあり)には、タンパク質のほか脂質と糖質も含まれます。
平均的なプロテイン(ドリンク)のカロリー(エネルギー)は110~125 kcalです。※ホエイプロテイン1食分30 gあたり
「カロリーの摂りすぎは太る」ことを、ダイエットをしたことがある方はもちろん、したことがない人でもご存知の方がほとんどでしょう。
とくに運動しない方の場合は消費カロリーも少ないので、通常の量の食事にプロテインを追加した結果、摂取カロリーが消費カロリーより多くなりやすく、体脂肪が増える可能性があります。
プロテインのカロリーも含めて1日の合計カロリーが必要量をオーバーしてないか気をつけてください。
栄養バランスが偏りやすい
タンパク質は、代謝してアミノ酸に分解・再合成・利用する際に、多くの補酵素(ビタミンB群など)やミネラルが必要です。
プロテインは体づくり・健康維持に欠かせない栄養ですが、あくまでもタンパク質補給のサポート食品であり、代謝に必要な補酵素を含まない製品もあります。
タンパク質の摂取をプロテインに頼りすぎると、代謝によりビタミン・ミネラルを多く消費されたり、他の栄養素が不足するなどアンバランスになりがちです。
プロテインを含め、栄養バランスを考え始めると食事が面倒になるかもしれませんし、手軽に足りないものをサプリで補おうとしてしまうのも仕方がありませんが、自己判断で過剰な量のサプリメントを摂るのはやめましょう。
サプリメント頼りは経済的にも身体的にも負担になる可能性が高くお勧めできません。
そうならないよう、食事から5大栄養素(脂質・糖質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂ることを心がけてください。
運動しない人がプロテインをかしこく飲む3つのポイント

運動しない人のプロテイン摂取は、必須ではないことはご紹介した通りです。
- タンパク質不足ならプロテインで補うのは有効
- 十分足りているなら、カロリーオーバーになりかねないので飲まない
- たくさん運動する日があれば飲む
といったように、ご自身の食習慣や活動状態に合わせて、柔軟に活用していくのがサプリメントのよい使い方と言えるでしょう。
運動しない人の場合「どんな時にどんなふうに飲むのが良いか?」
3つのポイントにまとめたのでチェックしてみてください。
①必要な時だけでOK!無理に毎日飲まない
運動しない(デスクワーク中心・日常生活以外あまり動かない)20〜30代の男女が健康維持のために1日に必要なタンパク質量と、食品の目安は以下の通りです。
【タンパク質と食品の目安】
- 男性 65g/1日
鶏むね肉 約150g・魚(鮭など)約100g・納豆1パック - 女性 50g/1日
鶏むね肉 約100g・魚(鮭など)約80g・納豆1パック
上記以外に、肉・魚・大豆製品より少ないものの、卵・乳製品・野菜・穀類にもタンパク質は含まれます。
この量が多いか少ないかは人によりますが、こんなに食べられないと思う方は日常的にタンパク質が不足している可能性があるので、継続的にプロテインで補うのが良いでしょう。
しっかり食べられている!と思う方は、タンパク質不足の可能性は少ないので毎日飲むと過剰摂取になるかもしれません。
普段から足りている方は、運動量が多い日や食事を抜いてしまった場合など、タンパク質が不足する時だけ摂取するといった飲み方で十分だと思います。
②飲むタイミングを工夫する
プロテインを効果的に飲むタイミングについては、朝食・間食・就寝前など様々いわれています。
運動しなくても毎日飲むなら、タイミングを決めたほうが習慣化しやすくなりますし、状況に応じて飲むならタイミングに神経質になる必要はないでしょう。
いつ飲むかはご自身の生活スタイル次第ですが、それぞれの飲むタイミングをまとめますので、参考にしてみてください。
朝食時:食事量が少ない・朝は食べられない・忙しい方向き
体の回復のため就寝時にもタンパク質が消費されており、体がタンパク質を必要としている状態のため、プロテインを飲むとエネルギーチャージと1日の筋肉量の維持(筋肉の分解を抑制)に効果が期待できる。
間食:おやつを摂る習慣がある方、ダイエット中の方向き
食事と食事の間が長い場合も、筋肉の分解(カタボリック=代謝が下がる)が起こりやすくなるため、補助的にプロテインをとると筋肉量維持に役立ちます。
おやつとして飲む場合も、脂質+糖質(高カロリー)なお菓子ではなく、プロテインで代用するほうがカロリーを抑えられるでしょう。
就寝前:運動しない人はメリットが少ない
睡眠中は成長ホルモンが分泌される時間帯であり、タンパク質を補給することで、筋肉・体組織の修復や免疫維持に役立ちますが、運動しない方の場合はこの時間にプロテインを飲むメリットが少ないと言えます。
この時間にのむなら消化の負担やカロリーの摂りすぎにならないよう、水や無糖の豆乳などで割ったドリンクタイプのプロテインを選択するのがおすすめです。
関連記事:プロテインは寝る前に飲むべき!その理由と具体的なタイミングを解説
③タンパク質はこまめに補給する
1日に必要な量のタンパク質はご紹介した通りですが、食事からタンパク質が十分に取れなかったとしても「プロテインをまとめて摂取して一気に補う」という飲み方はやめましょう。
人間の身体は摂取したタンパク質をほぼ全量消化吸収できるとされていますが、筋肉の材料(合成に使える分)になる量には限界があり、その量は1回あたり20〜30gです。
筋肉の合成に使われず余ったタンパク質はエネルギーとして消費され、まだ余りがあれば最終的に体脂肪になります。
そのため1回あたりの適正量をまもって、こまめに摂るほうが効率的です。
運動しない人もプロテインは状況次第で活用できる

この記事では、運動しない人でもプロテインを飲んでいいのか?の疑問についてまとめていきました。
まず、プロテインは優秀な栄養補助食品ですが、誰にでも必須なサプリでも万能なサプリでもありません。
運動をする・しないに関わらず、日常の食事のなかでタンパク質が不足してしまう場合、手軽にタンパク質を補えるプロテインの摂取はおすすめです。
運動しない人で食事から十分に必要なタンパク質が取れている方は、カロリーオーバーや栄養バランスを崩す可能性があるので、無理に飲まなくても良いでしょう。
タンパク質自体は体を構成する栄養素のため、健康な体づくりや見た目(美容)の維持に役立ちます。
しかし、本当にプロテインがあなたにとって必要なのか、どの程度飲めばよいのかなど、迷うポイントはいくつもあると思います。
迷ったら個別指導に長けたプロに相談するのも、選択肢の一つです。
当ELEMENTジムは「1回30分の時短トレーニング×手ぶらOKで続けやすい」とのお声をいただくパーソナルジムであり、運動や栄養に関するプロが揃っています。
健康管理や美容維持にはプロテインを含むサプリメントの摂取だけでなく、運動を取り入れることも有用です。
今運動をしていない方でも、ちょっと気になるな?と思う方は、随時開催の体験レッスンにお越しください。お気軽なご参加をお待ちしております。