BCAAの飲み方とは?トレーニングに最適なタイミングと効果を解説

トレーニングの相棒としてBCAAを摂取し始めようとしたものの、以下のように思っている方も多いのではないでしょうか?

  • BCAAが運動に良いことは何となく知っているが、結局いつ飲んだらいいのか分からない
  • プロテインや食事とは違う「BCAA」を飲む理由を知りたい
  • そもそも本当に飲む必要ってあるの?

BCAAの効果を最大限活用するすためには、正しい飲み方やタイミングを把握しておくことが重要です。

最初に結論から伝えると、以下の通りとなります。

【BCAAを飲むタイミングと飲み方のまとめ】

  • BCAAとは必須アミノ酸のうち、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つを配合したサプリメント、プロテインやリアルフードよりも素早い吸収速度を持つ
  • ①運動前、②運動中(特に長時間または運動強度が高いトレーニング)、③運動後に飲むことが一般的に推奨される
  • ①〜③にとることで、運動時の筋肉の減少を防止しつつ、疲労回復にも役立つことが期待されている
  • 運動をしない、バランスの良い食生活ができている方、EAAを飲んでる人はBCAAは不要、または過剰摂取にならないよう気をつける

この記事では「BCAAの飲み方」を主軸に、飲むタイミングや注意点、比較されやすいBAA・プロテインとの違いについてご紹介していきます。

BCAAを飲むタイミング【基本は運動前・中・後】

BCAAを飲むタイミング

BCAAの効果や特徴、飲むときの注意点など詳しいポイントは後述しますが、まずは飲むタイミングと摂取量の目安から解説します。

アミノ酸であるBCAAの主な役割は「筋肉を守る・疲労を軽減する」など補助的であり、トレーニング時の直接的なエネルギーではありません。

そのため、運動前の栄養補給として飲む場合は糖質(直接的なエネルギーとなる栄養素)と一緒に摂取することをおすすめします。

飲むタイミングごとに期待される効果が違うので、どのタイミングで摂取するのが良いか確認しておきましょう。

運動するタイミングによるBCAAの飲み方

トレーニングをする際のBCAAを飲むタイミングと、期待される効果は以下の通りです。

  • 運動前:運動30分~1時間前に摂取、 筋肉のエネルギー供給をうながすとともに筋肉分解をおさえる。
  • 運動中:長時間運動や高強度トレーニングの際には途中で摂取、疲労を軽減し筋肉分解をおさえる。
  • 運動後:直後〜30分以内に摂取、筋タンパク質の合成がうながされ筋肉の回復や成長をサポートする=筋肉痛の軽減が期待される。

運動前・運動中・運動後に飲むことが一般的であり「トレーニングしているのに筋肉が減ってしまう状態や、疲労を緩和すること」を期待して摂取するのがBCAAといえます。

飲む際の水分は、水のほかスポーツドリンクやジュースなど糖質を含むものもOKですが、過剰なカロリー摂取にならないよう量には注意してください。

起床時・就寝前のBCAAの飲み方

基本的には、販売しているメーカーの推奨(パッケージにある飲み方)通り、トレーニング前後にBCAAを飲むのが一般的だと思います。

ですが「筋肉の分解を防止する」ことを主な目的に、起床時と就寝前に飲むという話も聞いたことがあるかもしれません。

この時間帯に飲む理由は、睡眠中・起床時のエネルギー不足により、疲労回復が遅れたり筋肉の合成が進まない(筋肉が減る可能性もあり)状態を避けることが目的とされています。

トレーニング以外でもBCAAを摂取しようと思っている方は、起床時や就寝前もタイミングとしてみてください。

なお、就寝前に飲もうと考えている方は、以下の記事も参考にどうぞ!

関連記事:BCAAは寝る前にとるべき?筋肉や睡眠の質への効果と注意点

1回でどのくらいのBCAAを飲むべき?

前述した通り、BCAAは直接的なエネルギーではないため、運動時に飲むときは糖質と一緒に摂取するほうが効率的です。

糖質とBCAAの1回あたりの摂取量も、飲むタイミングで変わります。

  • 【運動前】糖質:30g程度/BCAA:5~10g
  • 【運動中】糖質:10~20g/BCAA:5g(運動中こまめに取る総量)
  • 【運動後】糖質:30~50g/BCAA:5~10g(プロテインと併用すると吸収効率が良い)

体重1kgあたりの糖質とBCAAの摂取量の計算方法は以下の通りです。

  • 【糖質】体重(kg) × 0.5~1.0g/時間(運動強度が低い場合は0.5、高い場合は1.0で計算)
  • 【BCAA】 体重(kg) × 0.1~0.2g/回(運動前・中・後で分けて摂取する場合は3回)

例として体重60kg、軽い運動強度のトレーニングを1時間行う場合の計算を見てみましょう。

  • 糖質:低強度運動: 60kg × 0.5g = 30g/1時間(運動後にも糖質をとる場合は+30gで合計60gが目安)
  • BCAA:1回あたり: 60kg × 0.1g = 6g(運動前・中・後に分けて飲む場合: 6g ÷ 3 = 2gずつ摂取)

水分は15分〜20分ごとに200〜300ml程度をこまめに取るとよいのですが、運動強度による発汗量は個人で異なるため、あくまで目安として考えてください。

BCAAの飲み方の注意点を解説

BCAAの飲み方の注意点

必須アミノ酸(11種類)は体内で作り出せない成分なので、食品やサプリメントなど常に外から摂取することが必要な栄養素となります。

動物性タンパク質(肉・魚・卵)と植物性タンパク質(穀物・豆類など)を取り入れたバランスの良い食事から、必須アミノ酸をとるのが基本です。

ですが、体内で必須アミノ酸になるまで=消化吸収されるまでには時間がかかりますし、なかなか全種類を食事から全てを取るのが難しい場合もあります。

そのため、下記のような「運動を重視・習慣化」しており、効果的なトレーニングを目指す人は、運動前後のサポートに役立つアミノ酸=BCAAをサプリメントから効率的に摂取しても良いでしょう。

  • 筋トレやエネルギー消費の激しい持久系スポーツを習慣化している
  • 運動後の疲労回復を重視している

ただし、体に欠かせない成分であっても「過剰摂取」になれば、健康被害のリスクが心配されます。

運動習慣がない場合や毎食しっかりバランスの良い食事ができている人がBCAAを飲む際は、過剰摂取にならないように気を付けましょう。

BCAAの特徴と摂取で期待される効果

当たり前のようにBCAAについてご紹介していますが、トレーニングされる方以外にはまだまだマイナーなサプリメントだと思いますので、特徴と期待される効果をまとめていきます。

あらためてBCAAとは、11種類の必須アミノ酸(人体に必ず必要なアミノ酸であり、体内では合成できないもの)のうち、バリン・ロイシン・イソロイシンの3成分を配合したサプリメントです。

特徴は以下3つになります。

  • 消化の負担が少なく吸収が早い
  • 筋肉の分解をおさえる
  • 疲労を軽減・回復をサポートする

いずれも、トレーニング時のお悩みをサポートする効果が期待されるため、最近では運動習慣のある方に注目されています。

ここからは、これらの特徴と効果について1つずつ紹介していきますので、確認してみましょう。

消化の負担が少なく吸収が早い

手軽な栄養補助食品が数多くある中でも、BCAAは「消化の負担が少なく吸収が早い」ことが顕著な特徴です。

食べ物の状態(調理済み・生・加工食品)や食品(肉・野菜・穀物や豆類など)によって、大きく左右されますが、かならず「代謝(※1)」が必要なため、食べてから体内で実際に活用されるまで時間がかかります。

消化してから吸収するまで食品の場合は短くても数時間かかることに対して、BCAAはおよそ30分。

主に骨格筋で代謝されるため、肝臓に負担がかからないことも利点とされています。

※1代謝:摂取した食品を胃で消化し、主に肝臓で栄養素を分解して吸収→活動するエネルギーとして利用したり、体の修復を行う一連の流れのこと。

筋肉の分解をおさえる

カロリー消費とともに筋肉量をキープしたり増やす目的でトレーニングを行なっていても、栄養が不足していると逆に筋肉の分解が進み減ってしまうことがあります。

これは、エネルギー不足のほか体内の栄養バランスが崩れている場合におこりやすい現象です。

エネルギーになる栄養は糖質であり、筋肉の材料はタンパク質であるため、BCAAは直接的なエネルギーでも体の材料ではありません。

ですが、BCAAは「間接的にエネルギー供給をサポートし、筋肉の分解をおさえる(※2)」役割をもちます。

また、必須アミノ酸が不足すると、筋肉の合成が後回しにされるため、運動の際は目的にあったタイミングで、こまめにBCAAを取り入れると良いでしょう。

※2:3つのアミノ酸のうち、ロイシンは筋タンパク質の合成を促進する役割が特に強い。

疲労を軽減・回復をサポートする

トレーニング後は静的ストレッチや休息をとることで、筋肉を十分ほぐして休ませることは一般的ですが、体の内部の疲労回復も大切です。

タンパク質はもちろん必要ですが、材料だけでは疲労の軽減や回復(=筋肉の修復)にとって、十分とはいえません。

BCAAのうち、特にバリン・イソロイシンは筋タンパク質の修復を促す作用が期待されており、筋肉の成長や疲労の回復をサポートする効果が見込まれています。

どれを飲む?BCAA・EAA・プロテインの違い

どれを飲む?BCAA・EAA・プロテインの違い

トレーニング時に取り入れるサプリメントとして、EAA・プロテインのほうがBCAAより有名かもしれません。

体に良い成分でも適当に飲むのはおすすめできませんし、金銭的にも負担が大きくなるので、それぞれの違い・BCAAと一緒に飲む意味があるのかを考えて摂取してください。

まず、気にしてほしい飲み方はこの2点です。

  • EAAとBCAAは併用しない(する必要がない)
  • プロテインとBCAAは併用OK、飲むタイミングをずらす

必須アミノ酸11種類すべてを配合したものがEAAであり、BCAAはもともと含まれているので過剰摂取にならないよう併用は避けた方が無難です

EAAとBCAAは成分が重複しているため、必須アミノ酸全てをバランスよく摂取するならEAA、運動時の効果を期待する方はBCAAのように、ご自身が何を重視しているのかを考えて選びましょう。

また、タンパク質であるプロテインと、アミノ酸であるBCAAは併用しても大丈夫です。

どちらもトレーニング前・後に取り入れることで、栄養不足による筋肉の分解を緩和したり・合成を促すことが期待されます。

ただし、消化吸収する速度の違いがあるので、トレーニング前に飲む場合はプロテインを先、BCAAが後のようにタイミングをずらすことを意識してください。

もしBCAAをダイエットに活用しようとしている方は、以下の記事も参考にしてください!

関連記事:BCAAはダイエットに必要か?期待される働きと特徴を解説!

BCAAだけじゃないサプリの飲み方はプロに相談を!

この記事では「BCAAの飲み方」のご紹介をメインに、飲むタイミング、注意すること、比較されやすいBAAやプロテインとの違いについてまとめていきました。

筋肉への働きかけ(分解を緩和し、合成をサポートする)が強いBCAAは、定期的な運動習慣があり効率的な体づくりを目指している方には、心強いサプリメントと言えます。

逆に、バランスの良い食事ができており運動されない方は、BCAAの効果は実感しにくくあまり必要としないかもしれません。

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