脂質制限ダイエットとは、摂取する脂質の量を抑えることで体重を落とすダイエット方法です。
ダイエット中でも米やパンなどの炭水化物を摂取できるほか、緩やかに体重が減っていくため健康的に痩せられるといった特徴を持ちます。
この記事では、脂質制限ダイエットの概要や糖質制限ダイエットとの違い、具体的に摂取を避けるべき食材などについて解説。
また、脂質制限のメリット・デメリットや取り組む際のポイントなどについても取り上げているため、ダイエットを検討している方はぜひ参考にしてください。
脂質制限ダイエットとは?
先述した通り、脂質制限ダイエットとは、食事で摂取する脂質の制限によって体重を落とすダイエット方法です。
脂質はカロリーが高く、摂取量が多くなると体重増加につながります。脂質の摂取量を抑えることで、摂取カロリーよりも消費カロリーの方が多くなる、というダイエットの原則を満たしやすくなり、体重減少が期待できるのです。
そもそも脂質とは、三大栄養素の1つであり、ビタミンAやD、E、Kといった脂溶性ビタミンの吸収をサポートするなど、体にとっては欠かせません。
同じダイエット方法でも、糖質ダイエットは、お米やパン、麺類などの炭水化物の摂取量を控えますが、脂質制限ダイエットは炭水化物を控える必要はありません。
脂質を抑えられればお肉も食べられるため、筋肉が落ちにくい特徴があります。
脂質制限ダイエットに取り組む場合、1日当たりの脂質の摂取量は、1日の摂取エネルギーの20%が目安です。
これは、大人の場合1日50gの脂質が目安となります。
例えば、ポテトチップスには1袋で約30gの脂質を含んでいるため、それだけで1日の目安の半分以上となるため注意が必要です。
現在の日本は食生活の欧米化の影響もあり、脂質を摂取しやすい環境にあります。そのため、脂質制限ダイエットに取り組む場合は、意識的にメニューや脂質の量を考慮する必要があるでしょう。
脂質制限ダイエットで避けるべき食べ物
脂質制限ダイエットは、脂質、特に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を含む食材の摂取を避けてください。具体的には以下のような食材が挙げられます。
- 脂身の多い肉
- 加工肉食品(ベーコンやウィンナーなど)
- マーガリン
- 揚げ物
- 炒め物
- インスタント食品
- ファーストフード
- 洋菓子類
- マヨネーズ
など
また、外食をする際には、洋食と比べて脂質が少ない和食を選ぶようにしましょう。
脂質制限ダイエットとはいっても、脂質の摂取をゼロにすることは不可能です。
そのため、調理で油を使用するときは、青魚やナッツ類などに含まれている良質な油を選びましょう。オリーブオイルもおすすめです。
脂質の過剰摂取によるリスク
脂質の摂取量が多いと、体内で余ってしまい中性脂肪が増えます。この中性脂肪をエネルギーとして消費しきれないと、内臓脂肪や皮下脂肪の増加につながるため注意が必要です。
また、脂質摂取量の増加は、血中の悪玉コレステロールの増加につながり、メタボリックシンドロームや動脈硬化といった生活習慣病のリスクが高まることも。
脂質の過剰摂取は体重増加による日常生活への支障や生活習慣病による健康面への影響などを伴うため日頃から摂取しすぎないように意識することが大切です。
脂質制限と糖質制限の違い
脂質制限と似たダイエット方法に糖質制限があります。
両者はそれぞれ異なる特徴を持っており、違いを以下の表にまとめました。
脂質制限 | 糖質制限 | |
制限する食べ物 | 肉類や油など脂質が多いもの | ご飯や麺類などの炭水化物 |
調理法 | 揚げ物や炒め物は控える | 特に制限なし |
食材の購入費用 | かかる | かかりにくい |
痩せるスピード | 比較的短期間 | 比較的時間がかかる |
食べ物を制限するという点は共通していますが、制限対象が異なるほか、調理方法や痩せるスピードなどにも違いがあります。
また、脂質制限は、脂質の少ない食材や調味料などを使用する必要があるため、食材の購入費用も高くなります。
糖質制限に関して詳しく学んでおきたい時は、以下の記事も参考にしてください!
関連記事:糖質制限はなぜ痩せる?メリットや注意点を守り安全に行う方法を解説
脂質制限ダイエットのメリット・デメリット
ここでは脂質制限に取り組むことでどういったメリット・デメリットがあるのか解説します。
自分は脂質制限ダイエットに取り組むべきなのか、他の方法を選ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。
メリット
脂質制限ダイエットの主なメリットは以下の通りです。
- 糖質を摂取できるため空腹にはなりにくい
- コレステロール値の減少につながる
- 健康的に痩せられる
脂質制限ダイエットでは、脂質の摂取を抑える一方で、ご飯やパンなどの糖質は制限しません。
そのため、糖質不足による空腹にはなりにくいでしょう。ご飯が好き、パンが好きといった人にとっては取り組みやすいダイエットだといえます。
また、脂質制限は体重の減少だけでなくコレステロール値の減少にも効果的。
肉や乳製品などの脂質が多い食材は、飽和脂肪酸を多く含んでおり、コレステロール値をあげてしまいます。
脂質制限によって、このような食材の摂取を減らせるため、結果的にコレステロール値の減少も期待できるのです。
そのほかにも、脂質制限ダイエットは、糖質制限と比べると、制限されるカロリーが少ないため、緩やかに体重が減っていきます。
急激な体重減少は体に大きな負担がかかりますが、そのような心配もありません。
デメリット
脂質制限ダイエットのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- ホルモンバランスに影響を与える恐れがある
- 不飽和脂肪酸を摂取しにくい
- 調理方法を考慮する必要がある
- 効果はすぐに出ない
脂質の摂取量が少なくなるとホルモンバランスに影響をあたえることがあります。
脂質は脂溶性ビタミンの吸収をサポートする役割を担っていますが、それができなくなることでホルモンの生成に必要な材料が不足する恐れがあるためです
また、摂取する食材を制限すると体内で合成できない不飽和脂肪酸が不足する恐れも。
不飽和脂肪酸は青魚やオリーブオイルなどに含まれている脂肪の構成要素です。不足状態に陥らないためにも、適度に不飽和脂肪酸を含む食材を食べる必要があります。
そのほかにも、料理をする際の調理方法にも常に気を使わなければなりません。
脂質制限ダイエットでは、茹でる、蒸す、煮るといった脂質を抑えられる調理方法が主流です。
炒める、揚げるといった調理方法は適していないため、自炊する際は調理方法を工夫しなければならず、手間がかかります。
脂質制限ダイエットは、糖質制限ダイエットとは違ってすぐに効果が現れるわけではない点にも注意してください。
個人差はありますが、効果が出るまで数週間から1ヶ月程度かかるとされています。
このようにメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在するため、それぞれを踏まえたうえで脂質制限ダイエットをするのかどうか検討してください。
脂質制限ダイエットを成功させるための4つのポイント
ここからは、脂質制限ダイエットを成功させるためのポイントを紹介します。
ポイントを押さえておくことでよりダイエットに取り組みやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
肉を食べるときは部位に注意する
脂質制限ダイエットでも、肉を食べることはできますが、食べる際には部位に注意してください。
これは、同じ肉でも部位によって脂質の量が異なるためです。
例えば、モモ、ヒレ、ムネ、ささみなどは脂質が少ないため、ダイエットにも適しています。
一方で、リブロースやサーロイン、バラなどは脂質が多いためできるだけ避けてください。また、ベーコンやソーセージなどの加工肉も脂質が多く含まれています。
揚げ物やジャンクフードは控える
脂質制限ダイエットでは、揚げ物や炒め物はできるだけ避けてください。これらの調理法は使用する油の量が多くなり、脂質の摂取量が増えてしまうためです。
また、ハンバーガーなどのジャンクフードやインスタント食品も脂質の量が多いため、ダイエット期間中は食べないようにしましょう。
一方で、我慢のしすぎはストレスになります。そのような時は、例えばテフロン加工が施されたフライパンを使って油なしで炒め物を作るといった対策が可能です。
間食するなら和菓子がおすすめ
脂質ダイエット中の間食は洋菓子よりも、和菓子を選びましょう。
これは和菓子の方が脂質量が少ないためです。
「ダイエット=間食禁止」のイメージを持っている人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。
ただし、和菓子は糖質量が多いため注意してください。
ナッツ類も間食に向いている
脂質制限ダイエットの間食としては、ピーナッツのようなナッツ類もおすすめです。
ナッツ類は、不飽和脂肪酸を摂取できるほか、たんぱく質や食物繊維も含んでいるなど、食材としても優れています。
ただし、ナッツの種類によっては脂質が多いため注意が必要です。また、ナッツは気軽に食べられるため、食べ過ぎないようにしましょう。
間食に関して、以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。
関連記事:【ダイエット中でもOK】間食を選ぶコツとおすすめ6選を紹介!
脂質を制限できるように自炊する
脂質制限ダイエットに取り組む場合、自炊がおすすめです。なぜなら自炊であれば、自分で調理方法や使用する調味料、食材を自由に選べるためです。
外食をすると、調理方法や調味料、食材を選択しにくく、脂質を摂取しすぎてしまう恐れがあります。
例えば、脂質を抑えるためにサラダを頼んだものの、かかっているドレッシングに脂質が多く含まれているといったケースも考えられます。
自炊であれば自分で調整ができるため、脂質制限ダイエットも成功しやすくなるでしょう。
脂質制限ダイエットにおける2つの注意点
ここでは脂質ダイエットに取り組む際の注意点を2つ紹介します。
誰でも陥りがちなポイントであるため、ぜひ参考にしてください。
極端な制限をしない
脂質の摂取量を抑えることが大切ですが、肉を一切食べないといった極端な制限はしないようにしましょう。これは、脂質が不足すると健康面に影響を及ぼす可能性があるためです。
脂質は三大栄養素の1つであり、ホルモンや細胞膜を構成するほか、臓器の保護、ビタミンの吸収促進など、体にとって重要な役割を果たしています。
脂質摂取の摂取量が極端に減ると、これらの働きも十分に機能しなくなる恐れがあります。 健康的に痩せるためにも、極端な制限はしないようにしましょう。
糖質制限と同時に行わない
脂質制限と糖質制限は同時に行わないでください。
これは、両方を同時進行すると、食べられる食材が限られてしまい、栄養不足に陥る可能性があるためです。
脂質制限のメリットの1つは、糖質を制限する必要がない点です。
また、糖質制限は脂質は通常通り摂取できます。しかし、両方を一気に行うとこれらをどちらも摂取しにくい状況となり、ストレスも溜まってしまいます。
どうしても両方のダイエット方法を行いたい場合は、行うタイミングをずらしましょう。
脂質制限ダイエットに向いている人
脂質制限は、以下のような方に向いているダイエット方法です。
- 炭水化物を食べたい人
- 自炊をしている人
- コレステロール値が気になる人
脂質制限ダイエットの特徴の1つが炭水化物の摂取は制限されない点です。
そのため、ダイエット中でも米やパンは通常通り食べられます。炭水化物が好きでダイエットをしたい方に向いている方法だといえるでしょう。
また、自炊を日頃から行っている人にもおすすめのダイエット方法です。
自炊であれば、調理方法や食材、調味料、食べる量などを自分でコントロールできるため、脂質の摂取量を減らしやすいといえます。
ほかにも、コレステロール値が気になっている人にも脂質制限ダイエットは向いています。
コレステロール値の上昇は脂質の取りすぎが原因となっている可能性が考えられるため、摂取量を減らすことで数値も下げられるでしょう。
一方で、脂質制限をすると、さっぱりとした味付けの食事が多くなるため、物足りなく感じられるかもしれません。濃いめの味付けが好きな方は、他のダイエット方法の方が向いているでしょう。
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今回は、脂質制限ダイエットの概要やメリット、デメリット、糖質制限との違いなどについて解説しました。
脂質制限ダイエットは、肉や油などの脂質を制限することで体重を落とそうとするダイエット方法です。
糖質制限とは違い、ダイエット中でも米やパンなどの炭水化物は摂取できるほか、緩やかに体重が減っていくため、健康的に痩せられる点が特徴です。
一方で、脂質制限をするために、調理方法や食材、調味料など、細かく配慮しなければなりません。そのため、自炊をする方や炭水化物が好きな方におすすめのダイエット方法だといえます。
一人で脂質制限に継続して取り組むことは簡単ではありません。そのようなときは、プロに相談してみてはいかがでしょうか。
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