この記事をご覧の方の中には、テニスがなかなか上達しないことにお悩みの方もいらっしゃると思います。
- フットワークが遅い
- 技術に体が追いつかない
- 正確なフォーム、体勢が維持できない
このように、一人ひとり伸び悩みの理由は違ってきますが、「体づくりが不足している」ことが原因の1つかもしれません。
テニスは上半身と下半身の筋肉を無駄なく連動させてボールを打ち、緩急がありつつも常に動く全身スポーツのため、持久力と瞬発力が必要となります。
パフォーマンスを最後まで維持してプレーをするためには、下半身・体幹・上半身(主に背中と肩)を筋トレで鍛えることが大切です。
ただし、テニスの上達に影響が少ない筋肉や、間違った鍛え方により体のバランスが崩れてしまうと、かえって上達を阻んでしまう可能性もあります。
そこで、この記事ではテニスの上達につながる筋トレに注目し鍛えて欲しい筋肉と種目、筋持久力の伸ばし方について詳しくご紹介します。
あなたのテニスのお悩み解決や、上達の糸口になれば幸いです。
テニスで活躍する筋肉と筋トレの目的
冒頭でテニスに筋トレは必要とお伝えしましたが、経験者の方であれば得意とするプレースタイルや目標があると思います。
体づくりについてはテニスのプレーで自然に身についた筋肉で十分という考え方もあり、ご自身のプレーや現在の課題解決に筋トレが合っていなければ、無理に筋トレを重視することはありません。
しかし、テニス初心者やテニスを含め運動経験が少ない方には、体づくりや怪我の防止につながる筋トレを積極的に取り組むようおすすめしています。
テニスで活躍するために鍛えてほしい筋肉
テニスのパフォーマンスアップのために意識して鍛えてほしい筋肉は以下の通りです。
下半身(大臀筋・大腿四頭筋・内転筋群)
└体を支え踏み込みや回旋動作でパワーを生み出す
体幹(腹斜筋・腹直筋)
└体のバランスを取る、安定性を保つ、フットワークの改善につながる
上半身(広背筋・大胸筋・肩)
└下半身の力をボールに無駄なく伝える為のねじる動作につながる
よく「ボールは全身を使って打つ」と言われている通り、テニスでは腕の力で打つ「手打ち」になってしまうと肘や手首を痛めやすくなります。
手打ちにならないよう、腕の筋肉よりも全身の連動(=ねじりの動作)を無理なく行うための筋肉を鍛えることが重要です。
また、筋持久力の強化もテニスで筋トレを行う目的と言えます。
誤って筋肥大に向いたトレーニングにならないよう、目的に沿ったトレーニング方法を確認していきましょう。
低重量×高回数の筋トレで筋持久力を伸ばす!
筋持久力とは「筋肉を長時間動かし続けられる力」です。
試合によっては長時間プレーになるテニスでは、心肺と筋肉いずれの持久力も高めておくと良いパフォーマンスを保てます。
ダンベルやケーブルなど負荷をのせる筋トレで筋持久力を上げるには「低重量(持ち上げられる最大重量の65%以下)×高回数(15回)」が基本です。
スクワットやサイドランジなど、自重(自分の重さで負荷をかける)トレーニングでも、高回数を行うことで筋持久力が鍛えられます。
1セット15回を3セット、セットごとの休憩は30秒を目安に行いましょう。
ここからは下半身・体幹・上半身を鍛える筋トレメニューをご紹介していきます。
道具が不要で自宅で行える種目のほか、ダンベルやベンチなど道具が必要な種目もあるので、ジムをご利用する際には取り組んでみてください。
下半身の筋トレ|瞬発力とパワーを生み体を支える
下半身を強化することで、しっかりした踏み込みができ瞬発力とパワーが生まれ、安定したフォームを作ることができます。
また体を大きくねじるためには、臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋のお尻の筋肉)と股関節の動きが大切です。
腰をまわすこと=体をねじるイメージを持たれがちですが、実は腰椎(背骨のうち、腰部分にある5個の骨)は5〜10度程度しか動かすことが構造上できません。
体をねじる動作は「45度動く股関節と、35度動く胸椎(背骨のうち胸部分にある12個の骨)」が大きな役割を果たしています。
つまり、回旋動作が主体のテニスの上達には下半身の強化が必須と言えるのです。
筋トレ①:ノーマルスクワット
ノーマルスクワットは、大臀筋・大腿四頭筋・ふくらはぎ・ハムストリングスなど下半身の主な筋肉をまとめて鍛えられる筋トレの王道種目です。
スポーツをしている方であれば、ほとんどが経験ある種目でしょう。
スクワットに関しては正しいフォームからアレンジまで以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
筋トレ②:サイドランジ
サイドランジも下半身全体を鍛えることができるトレーニングであり、内転筋群や臀筋群にも効果的です。
足に動きがあることで、スクワットとは異なる刺激を筋肉に与えることができます。
体幹の筋トレ|ねじりと体の安定性を作る
胴体部分すべてが体幹となりますが、主に鍛える部分はお腹周りの筋肉である腹直筋と腹斜筋になります。
どの姿勢からでも素早くポジションを取るためのフットワークや、体勢をしっかり固めて正確なフォームで打ち返すには強い体幹が重要です。
また、サービスやスマッシュなど強く打ち込むショットの際も、軸がぶれないことで全身の筋力を損なわず無理なくボールに力を乗せることができるでしょう。
筋トレ③:プランク
体幹トレーニングの代表種目とも言えるプランクは、腹直筋を含めお腹のインナーマッスルに効果的。
姿勢を保つことで筋肉が鍛えられる=動きがなく怪我のリスクが少ないので、取り組みやすいのもメリットです。
プランクに関しては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考に取り組んでみてください。
筋トレ④:サイドプランク
サイドプランクは横向きの姿勢で体を一直線にして支えるプランクであり、腹斜筋や腹横筋に刺激が入りやすい種目です。
片腕と足先だけで体を支えるため安定性が悪く、プランクよりは少し難しい筋トレと言えます。
上半身の筋トレ|全身の力を活かしてボールを打つ
上半身で鍛えたい部位は、背中の筋肉(広背筋や脊柱起立筋など)と大胸筋・肩(ローテーターカフ)になります。
ローテーターカフとは肩周りにある、4つのインナーマッスル(肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋)の総称です。
普段意識する方は少ない目立たない部位ですが、肩の安定性=打ち込み動作のコントロールに関わるため、テニスにおいては最重要な筋肉と言えます。
また、テニスでは肩も怪我をしやすいので、しっかり鍛えて怪我のリスクを下げましょう。
筋トレ⑤:エクスターナルローテーション
ローテーターカフのうち、肩関節を外側に回す(外旋)動きで棘下筋や小円筋を刺激する種目が、エクスターナルローテーションです。
ダンベルやケーブル、チューブなど道具を使って行います。
筋トレ⑥:サイドレイズ
サイドレイズは三角筋(肩の表面筋肉)を鍛える種目ですが、ローテーターカフも刺激することができます。
ただし、腕の上げる高さ、手のひらの返しなど細かい注意点が多いため、狙い通りに筋肉を刺激するのがやや難しいトレーニングと言えるでしょう。
筋トレ⑦:ダンベルプルオーバー
ベンチとダンベルを使って行うダンベルプルオーバーは、大胸筋と広背筋を鍛えるのに効果的です。
ダンベルが体の上にくるフォームをとるため、安全に特に注意して行ってください。
筋トレ⑧:バックエクステンション
背中の筋肉、脊柱起立筋を鍛えるバックエクステンションは「背筋運動」のことであり、多くの方は行ったことがあると思います。
姿勢の改善や腰痛予防が期待できますが、間違って行うと逆に腰を痛める可能性があるので、フォームをしっかり確認してから取り組みましょう。
筋トレと体のケアはセット!ストレッチで疲労を回復
負荷をかけた体をしっかり回復させることで筋肉は成長していくため、トレーニングと体のケアはセットです。
放置して回復が遅れると、筋トレをしたことでかえって怪我のリスクが高まることや、痛みが続き他のトレーニングに影響が出る可能性も十分あります。
そのため、トレーニング後は必ず静的ストレッチや筋膜リリース、マッサージなどで体をクールダウンさせて疲労回復を促しましょう。
テニスを上達させる正しい筋トレはプロを活用しよう!
この記事では、テニスの上達に筋トレが必要な理由や、鍛えてほしい筋肉、筋トレ種目についてご紹介してきました。
テニスは華麗なテクニックに注目してしまいがちなスポーツですが、高い持久力と瞬発力も同時に求められるハードな全身運動です。
技術の習得とともに、筋トレによる体づくりを進めることで、着実にテニスの伸び悩みや成長への不安をクリアしていけるでしょう。
ただし、筋トレはテニスを上達させる手段であり目的ではありませんので、適切な重量設定や回数で安全に鍛えるのが理想的です。
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