筋トレの中でも大きな筋肉を鍛える「筋トレBIG3」と呼ばれる種目に入っているベンチプレス。
有名ではあるけれど、正しいやり方をわかっているでしょうか?また、もっと重い重量を上げたいと思っていませんか?
筋トレ初心者や独学で行っている方の中には、正しくベンチプレスに取り組めていない可能性も高いです。
間違えたやり方だと筋肉が成長できないだけでなく、怪我につながり危険も伴います。
そこで、今回の記事ではベンチプレスの基本や正しいやり方、100kgを上げるコツなどを解説していくので参考にしてください。
ベンチプレスで鍛えられる筋肉と効果
まずはベンチプレスの基本として、鍛えられる筋肉と効果について解説します。
鍛えられる筋肉
効率よくトレーニング効果を得るために、どこの筋肉を鍛えていることかを意識することは大切です。
そこで、まずはベンチプレスで鍛えられる筋肉を確認しましょう。
ベンチプレスでは、大胸筋をメインに、三角筋、上腕三頭筋も鍛えられます。
- 大胸筋:胸部にある平たくて大きな筋肉
- 三角筋:腕の付け根の盛り上がっている肩の筋肉
- 上腕三頭筋:上腕の背中側の筋肉
トレーニング中は、「ここを鍛えているんだ」と意識することで効果は増大するので、参考にしてください。
効果
ベンチプレスは一度にたくさんの筋肉を鍛えられるため、効率よく体を変えられます。
男性であれば、メインの大胸筋は面積が大きく、もともと皮下脂肪が少ない部位になるので、胸の中央に縦線が入り、メリハリのある美しい身体を実現可能です。
見た目への変化が表れやすいため、筋トレの楽しさを感じやすいとも言えます。
また、大きな胸板は男らしさが象徴され、Tシャツが似合うようになるというのもポイントです。
女性であれば、二の腕の引き締め、デコルテラインが綺麗になる、バストラインにハリができると言った効果を実感できます。
このように、男女ともに胸・肩・腕に関して理想の体に近づけられるのがベンチプレスのトレーニングです。
ベンチプレスを正しく行うポイント
ベンチプレスは、正しく行わないと怪我のリスクが高いので注意が必要です。
基本的に大きなバーベルを持って上下するトレーニングとなり、派生型もいくつかありますが、共通するポイントを紹介します。
ポイント①:手首を少し外側に向けてバーを握り、肩幅の1.5倍を目安に!
手首をまっすぐにしてバーを握るのではなく、少し外側に曲げて下から手首を見たときに「ハの字」になっている状態でスタートします。
その手の幅は、肩幅の1.5倍が目安です。
厳密には、手の幅で効く部位が異なるので種目によって異なりますが、まずは1.5倍から始めましょう。
ポイント②:肩甲骨を寄せて、ブリッジを作り、肩はベンチ台につけて、キープ!
ベンチプレスを行う時には、左右の肩甲骨を寄せて下げ、胸から胸部のラインが半円を描くブリッジと呼ばれる姿勢をとり、肩はベンチ台にしっかりとつけます。
ここを意識しないと、肩が前に出た状態でベンチプレスを行うこととなり、三角筋前部に負荷が逃げやすく怪我につながったり、効果が低くなってしまうので意識しましょう。
ブリッジを安定させるために、しっかり足を踏ん張って安定したフォームをキープして行います。
ポイント③:バーはみぞおちの少し上に下ろす!
下ろす位置を固定していないと、肩や肘の怪我につながるので注意が必要です。
みぞおちの少し上に下ろすことにより、前腕が地面と垂直になるので肩や肘への負担が少なくなり怪我を回避します。
ベンチプレスのトレーニング6種類
ここからは、ベンチプレスのトレーニングを6種類紹介していきます。
まずは、上で解説した、正しく行うポイントを意識しながら基本から入っていきましょう。
ベンチプレス(基本型)
これが基本となります。この基本を押さえて、必ずセーフティー(安全バー)をセットして進めます。
ベンチプレス(基本)のやり方
- ベンチ台に仰向けに転がり、バーを握る。
この時、注意するポイントと動画のポイントを意識。 - 肩甲骨を寄せて肩を落とし、息を大きく吸い込む。
- ラックからゆっくりとバーを外す。
- バーをみぞおちの少し上に下ろす。
- 息を吐きながらバーを少し曲線を描きながら上げていく。
- 姿勢を意識したまま2~5を繰り返す。
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは、グリップ幅を基本より少し狭くする方法です。
扱える重量は低くなりますが、大胸筋の内側、上腕三頭筋を狙って鍛えることができます。
やり方は、基本の動作と同様です。手首の位置を肩幅の1.5倍ではなく肩幅よりも少し小さめで行います。
足上げベンチプレス
足上げベンチプレスは、名前の通り足を上げて行うベンチプレスです。
足を最初からあげておくことにより、ブリッジはできず足を踏ん張れないので扱う重量は一気に落ちます。
ですが、このトレーニングによるメリットは、上半身を集中して鍛えられること、正しいフォームを確認ができることです。
また、疲れて重いものを持ちたくない時に行う方もいるようです。バリエーションのひとつに加えてみてはどうでしょうか。
やり方は、基本の動作の①の時に足を上げてあとは同様です。
ワイドグリップベンチプレス
ワイドグリップベンチプレスは、バーベルを持つ手幅を広くして行うものです。
通常の位置より握りこぶし3~4個と広めにセットして行います。
手幅を狭くするナローグリップでは大胸筋の内側を中心に刺激を与えましたが、ワイドグリップで大きく刺激が入るのは大胸筋の外側です。
手幅が広くなるので、ベンチプレスを下ろせる位置が浅くなってしまうこともあり気になるかもしれませんが、無理に下げようとすると肩関節への刺激が強くなりすぎて怪我のリスクが高まります。
痛みを感じる手前の位置で止めて、無理なく行いましょう。
同じく、基本のやり方の1の時の手幅を広くして進めます。
インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、頭側を高くする姿勢で出来るようにベンチの角度を30~40度の傾斜をつけて行います。
大胸筋の上部や三角筋前部に大きく刺激が入るので、鎖骨から盛り上がる厚い胸板を作ることが可能です。
傾斜の影響で肩が前に出てしまい、負荷が三角筋前部に逃げてしまうことが多々あるので、そうならないようにバーを鎖骨に向けておろすよう意識すると肩が前に出るのを抑えられます。
胸を張ってしっかり大胸筋上部に負荷をかけていきましょう。
デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは、インクラインと同じく傾斜を作ります。
今度は頭が低い位置で行うので、動画のように傾斜のつけられるベンチを使うか、傾斜のつけられるベンチがなかった場合はお尻を上げてトレーニングするという2パターンがあります。
傾斜のつかないフラットベンチだと体勢が不安定となるので、できれば傾斜のつくベンチを使うか、なければジムのトレーナーやパーソナルトレーナーの指導下での実践がおすすめです。
他にも、メインとなる大胸筋を鍛える方法は多くあります。以下の記事で解説していますので、参考にしてください!
ベンチプレスの効果を高めるベストな頻度
ベンチプレスにも色々な種類があることがわかりました。
次に、それらのベンチプレスの効果を高めるために、初心者におすすめの頻度を解説していきます。
- メイン3セット
- 週3日
初心者は、メインセット3セットを最低ノルマとして、時間や余力がある時にメインセットの前後にプラスすることがおすすめです。
始めからノルマを多く掲げると、やらなくてはならないの強迫観念にかられ、メンタル面に逆効果をきたします。
更に、超回復の原理を考え、トレーニングとトレーニングの間は1~2日は必ず空ける必要があり、初心者がこれ以上行ってしまうと怪我や疲労のリスクが高まり危険です。
また、毎回同じ内容を続けていても、神経系の刺激の面で効果が半減してしまうので、週3回のトレーニングはそれぞれ異なる回数と重量でセットを組みましょう。
例えば以下のように行います。
1日目(最も一般的な8回セット法。8回1セットがなんとか上がる重量。3セット出来たら次回から2.5kg増やします。)
- 余裕があればアップ メインより軽重量 8回×2~3セット
- 最低ノルマ メイン重量 8回×3セット
- 余裕があればダウン メイン同重量か以下 6回×2~4セット
1~2日空ける
2日目(6回がなんとか上がる重量)
- 余裕があればアップ メインより軽重量 6回×2~3セット
- 最低ノルマ 1回目より重い重量 6回×3セット
- 余裕があればダウン メイン同重量か以下 4回×2~4セット
1~2日空ける
3日目(MAXの重量に週1回だけ挑戦。怪我防止のためアップ必須)
- メインより軽重量 3セット
- MAX重量(1回)挑戦 ×1セット
- メイン重量 4回×3セット
- 余裕があればダウン メインと同重量か以下 3回×2~4セット
上の例では8回を指定しましたが、目的別で上げられる重量や回数が変わってくるので以下も参考にメニューを作ってみましょう。
- 筋力向上:3~7回上げるのがやっとの重量
- 筋肥大が目的:8~12回上げるのがやっとの重量
- 筋持久力向上目的:13~20回上げるのがやっとの重量
トレーニングをはじめたばかりで慣れないうちや負荷が急に強くなった時は筋肉痛になってしまうこともあるかもしれません。驚くことなく、以下の記事を参考にしてみてください。
重くてベンチプレスができない場合は?
この記事を読み、いざベンチプレスをやってみよう!と意気込んでも、運動経験がなかったり、力がなかったりでバーだけでも重すぎてベンチプレスができないとう状況も考えられます。
そんな時は、ダンベルで行うことがおすすめです。
ベンチプレスと同様の方法で、バーベルを持って行うというだけですが、慣れないうちはバランスを崩しやすいので軽めのダンベルから始めて徐々に重くしていきましょう。
仰向けに寝てから上にあげるよりも、ベンチに腰掛けてダンベルを膝に置いた姿勢から仰向けに寝転がる反動で、ダンベルをスタート位置に上げると無理なく始められます。
以下の記事では、大胸筋をダンベルで鍛える方法を解説していますので、参考にしてください!
ベンチプレスで100kgを上げるためのコツ
筋トレが習慣化して、ベンチプレスにも慣れてくると、ベンチプレス100kgを目標に掲げたくなる方が増えていくようです。
最初から100kg上げてしまう方もいるのですが、平均的には体重70kgの一般的男性が100kgのベンチプレスを上げるには3年以上かかるといわれています。
3年ときいてやる気をなくすことなく、より早く100kg上げられるように正しいベンチプレスのトレーニング方法を確認していきましょう。
セット数
扱う重量や回数で筋肉への刺激が変わることを念頭において、メニューを考えます。
セット数については、初心者は3セットから始めましょう。
慣れてきたらセット数を増やしますが、6セットほどに留めておきます。
これは、トレーニングの質を落とさないためです。
超回復の原理を意識
毎日同じメニューをこなすウエイトトレーニング愛好家にも初心者にも沢山いるようです。
ですが、100kgあげられるように強くなるという観点からは同じメニューを続けるのは不向きとなります。
休息日をもって回復を重視することが最近の主流で、それが超回復の原理です。
トレーニング後の筋肉は、筋繊維の破壊・回復・超回復を繰り返しながら少しづつ強くなります。
毎日トレーニングを行うということは、回復されないまま次のトレーニングを行うことになり、筋繊維が更に破壊されてしまうということになるでしょう。
回復にかかる時間は筋肉にもよりますが、48~72時間といわれているので、1~2日空けることが大切です。
食事に注意しながら体重を増やす
100kgという高重量を扱うために最も手っ取り早い方法は体重を増やすこととも言えます。
単純に食べまくって体重を増やすのもありですが、以下のような適切なポイントを押さえてスムーズに筋肉を発達させて増やしましょう。
- タンパク質をしっかりとる
- 糖質もしっかり補給
- 栄養バランスを考える
- トレーニング前後の食事の意識
筋トレと食事に関しては、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
正しいフォーム
ベンチプレス100kgを目指すには、この記事で紹介した正しいベンチプレスのフォームを参考にして基本に忠実に記録をのばしていきましょう。
パワーフォームという、縦のアーチと横のアーチを意識したフォームも、高重量があがりやすくなるポイントです。
胸や腹を上に突き出す縦のアーチ、肩甲骨を寄せて胸を張る横のアーチを意識して、腰だけブリッジのように反ってバーベルを上げると、全身の力がバーベルに集中して伝わりあがりやすくなります。
ただし、このパワーフォームばかり練習すると、筋力アップが疎かになりかねないし、反動であげてしまう場合もあるので要注意です。
パーソナルジムでベンチプレスを取り組もう
今回は、ベンチプレスのトレーニングについて紹介してきました。
1人で黙々とトレーニングするのもいいですが、1人だと「これで合ってる?大丈夫?」「本当に効果あるの?」など不安を感じることも出てくるでしょう。
筋トレに不安を感じたり、最初から自分に合う筋トレを行いたい方にはパーソナルジムがおすすめです。
ELEMENTでは、お客様1人1人の希望に沿ったトレーニングプランを提供し、初心者や体力に自信のない方でもそれぞれのペースで通っていただいています。
体験トレーニングも随時開催しておりますので、お気軽にご参加お願いします。