ダイエットの方法が数多く登場している中で、定番になりつつある炭水化物ダイエット。
炭水化物を含む食品を食べる量を減らすという分かりやすい方法ですが、単純に減らすだけではありません。
正しく取り組む際には、注意すべき点も多いです。
今回は炭水化物ダイエットの正しい方法や効果、レシピ、注意事項などを解説します。
炭水化物ダイエットとは?

炭水化物ダイエットは、数あるダイエット方法の中でも、効果が出やすいと評判になっています。
簡潔にどんなダイエットなのかというと、糖質である炭水化物を含む食品を食べる量を減らすダイエット法です。
炭水化物は、お米・小麦粉・さつまいもなどの、穀類や芋類に多く含まれているので、これらの食品の摂取を普段の食事から減らしていくダイエットとなります。
とはいえ、本当に炭水化物を抜くだけで痩せられるの?と疑問に感じる方もいると思いますので、減量しやすい理由を解説します。
炭水化物を制限すると減量しやすい理由

炭水化物の摂取量を抑えると体重が減りやすい理由を4つご紹介します。
理由①:貯蓄されるグリコーゲンが減るから
炭水化物は、エネルギーとして利用されますが、必要のない分はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられます。
グリコーゲンには、自身の3~4倍の水分が結合しているため、蓄える分が増えるほど体内の水分量が多くなるのです。
そこで、炭水化物の摂取量を減らすと、貯蓄されているグリコーゲンを消費して身体のエネルギーを補給していくため、一緒に溜め込まれていた水分も消失します。その結果、体重が減りやすくなるのです。
理由②:脂肪細胞の肥大予防が期待できるから
炭水化物は、消化されるとグルコースとなって血液から細胞へ運ばれてエネルギー源となります。
血液中にグルコースが増えるとインスリンが分泌されてグルコースを肝臓や筋肉に取り込んで血糖値を下げていく仕組みとなっています。
しかし、グルコースが多くなりすぎると肝臓や筋肉の許容量を超えてしまい、インスリンは不要なグルコースを体脂肪(中性脂肪)へと変換するのです。
その結果、脂肪細胞として溜め込み、体脂肪が増えて太るという流れになります。
炭水化物の量を減らすことで、この流れが少なくなり体脂肪の合成を抑えられるため減量しやすくなるわけです。
理由③:脂肪を分解して新たなエネルギー源が作られるから
当たり前ですが、身体の機能を維持するためには最低限エネルギーが必要です。
もしダイエットによって体を動かすエネルギー源である炭水化物を減らしてしまうと、減った代わりとなるエネルギー源を作らなければなりません。
炭水化物の代わりに登場するのが、体内に蓄積されている中性脂肪を分解して肝臓で作られる「ケトン体」という物質。
このケトン体が炭水化物に代わって、エネルギー源となって体を動かしてくれるようになります。
ケトン体が生成される際に、中性脂肪が分解されて減ることから減量しやすいといえるのです。
なお、ケトン体が作られる期間に個人差はありますが、およそ2週間ほどが効果の出始める目安となるので様子を見てみましょう。
理由④:糖質依存から抜け出せるから
「甘いものをやめられなくてダイエットがうまくいかない」という経験のある方も多いのではないでしょうか?
麻薬に似ている依存性を、脳が糖質に示すことがあるため、甘いものを我慢すると尚更欲しくなる方はおそらく糖質に依存しかけているのかもしれません。
炭水化物を摂る量を減らすことで、脳の糖質依存を減らせます。
自然と間食や甘いものへの欲求が減っていき痩せやすくなるのも炭水化物ダイエットで痩せやすい理由の一つです。
炭水化物ダイエットを効率よく行うポイント

効率よく炭水化物ダイエットを成功させたいのであれば、これから解説するポイントを守ってみてください。
炭水化物をどこまで抑えるか
一言で炭水化物を減らすといっても、どの程度に抑えるべきなのかも知っておきましょう。
ローカーボを提唱する健康関係の協会では、一食の炭水化物の量は20~40g、1日にすると3食なので60~120gを推奨しています。
ただ、厳密に1食20gと固執しなくても、1日120gまでと考えて臨機応変にばらけているくらいの方が調整しやすいです。
また、ごはんが主食の場合はおかずも食べますが、麺類は単品になってしまうことが多く、麺でお腹を満たすため糖質の摂取量が多くなりがち。
そのため、炭水化物ダイエットに試み中はなるべく麺類は避けるのが無難でしょう。
炭水化物以外の栄養のバランスを考える
炭水化物を減らす話ばかりしてきましたが、手軽にお腹を満たしやすい炭水化物を減らすことでエネルギー不足になることがあります。
代謝が落ちる原因にもなるので、炭水化物以外でバランスよく食べることが大切です。
たんぱく質・脂質
炭水化物を減らすのであれば、たんぱく質と脂質をとってエネルギー補給をするようにします。
とはいえ、どちらも長期間食べ過ぎると体に負担がかかるのでバランスが大切です。
バランスよく食べるコツとしては、魚・肉・豆腐を毎日片手の手のひら分ずつ食べる、油を使う料理を一品食べる、脂ののっている魚を使うなどがあるので参考に取り入れてみてください。
脂質の摂取に関して、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:糖質制限中は脂質をしっかり摂るって本当?脂質の違いと取り方を解説
野菜や水分を十分に
体の調子を整えてくれる栄養素である食物繊維・ビタミン・ミネラル・水分が豊富に含まれている野菜をしっかり食べることはダイエットの基本です。
炭水化物の少ない野菜としては、ほうれん草・小松菜・白菜などの葉物野菜、アボガドが挙げられ、逆に炭水化物の多い野菜として挙げられるのは、サツマイモ・南瓜・玉ねぎ・人参など。
水分は体の60%を占める大切な成分なので、不足すると代謝がうまくいかなくなり消費も上手にできなくなり太りやすくなることもありえます。
目安としては、体重1kgあたり40mlの水分量となるので、50kgの人は2Lを目安に飲むのがおすすめです。
3食ずっと炭水化物ダイエットを意識しすぎない
炭水化物のことだけ考えて過ごすのも精神的にまいってきてしまいやすいです。もう少し気軽に考えて、夜だけ炭水化物を意識するという方法もあります。
日中に比べて活動量が減って消費量も少なくなる夜のごはんは控えめにすると、続けやすくおすすめです。
最初は晩御飯から制限をし始めて、慣れてから朝昼も制限していくと効果を上げながら無理なく続けられます。
また、コンビニ食でも炭水化物ダイエットが可能です。ポイントとしては、パスタサラダやワンタンスープなど、炭水化物が比較的少ないものを選んだうえで、肉や魚のおかずでボリュームを補います。
炭水化物ダイエットにおすすめのレシピ
炭水化物ダイエット中は、食べるものに悩んでしまうので自分で作ってしまうのが簡単かもしれません。朝食で、炭水化物+タンパク質を摂るのがおすすめです。
ここでは炭水化物とタンパク質を摂りやすい、おすすめレシピを紹介していきます。
脂肪燃焼スープ

ダイエット中にかたよりがちな栄養補給にもなります。
材料は例えばなので、色々入れ替えてみることも可能です。その時に、カリウムが豊富な野菜、ミネラル・ビタミンが摂れる具材、抗酸化作用の強い具材を使い、食べ応えを増したければ具材を大きめにカットするなど工夫ができます。
【材料】
- トマト缶 1缶 (生トマト3玉でも可)
- 玉ねぎ 1玉
- セロリ 1/4玉
- 人参 1/2本
- キャベツ 1/4玉
- パプリカ 1個
- 舞茸 1パック
- 水 400cc
- コンソメキューブ1~2個 (顆粒タイプは小さじ2~4)
- ローリエ(あれば) 1枚
【作り方】
- 野菜を一口大にカット
- 深い鍋にすべての材料を入れて、中火で煮立たせる
- 弱火にして野菜が柔らかくなるまで煮込んで完成
サーモンのバター煮

鮭、ミニトマトは抗酸化作用豊富です。抗酸化作用のある食材は血液の流れをサポートし、美容効果も高めます。
今回のレシピではカレー粉をまぶしているので、鮭の臭みを感じにくくさせていますので苦手な方にもおすすめです。
【材料】
- 生鮭 1切れ
- カレー粉 少々
- 小麦粉 少々
- 無塩バター 10g・5g
- ポン酢 小さじ1~2
- 好きな野菜(ミニトマトやブロッコリーがおすすめ) たっぷり
【作り方】
- 生鮭にカレー粉と小麦粉をまぶす
- フライパンを熱して、バター10gを溶かし、①を焼く
- ①を取り出したフライパンにバター5gと野菜を入れて蓋をして蒸し焼きにする
- ③をお皿に盛り付け、ポン酢をかけて完成
オートミールリゾット

オートミールには炭水化物が含まれますが良質で、栄養価も高く制限中でもおすすめできます。
タンパク質も摂れて、食物繊維もしっかり摂れて便通が気になる方にもおすすめです。
【材料】
- オートミール 40g
- まいたけやしめじなど 方手のひらくらい
- コンソメ 小さじ1/2~1
- 豆乳 100ml
- チーズ 1掴み
【作り方】
- オートミール・キノコ・コンソメが入った鍋に、材料がヒタヒタになる程度の水を入れる
- ①を水分がなくなってくるまで加熱
- 豆乳とチーズを加えてなじんだら完成
とろろ昆布と梅のうどん

これなら炭水化物を摂りながらもヘルシーになります。
食べるときはよく混ぜ合わせるのがおすすめです。
【材料】
- 冷凍うどん 2玉
- ★水 500ml
- ★白だし 80ml
- ★みりん 大さじ1
- ★醤油・おろし生姜 各小さじ1/2
- とろろ昆布 6g
- 梅干し 2~3個
- かまぼこ 6切れ
- 揚げ玉 大さじ3
- 青ネギ 適量
【作り方】
- かまぼこを7ミリ幅に切り、青ネギは小口切りにする
- 冷凍うどんを熱湯でさっと茹でてほぐし、水気を切ってそれぞれの器に盛る
- 鍋に★を入れて人煮立ちさせて、うどんを盛ったそれぞれの器に注ぐ
- ③の器に残りの材料を盛って完成
炭水化物ダイエットを行う際の注意点

炭水化物ダイエットは、効果が期待できることは確かですが、極端な制限を続けてしまうと良いことばかりではありません。
健康を崩しては意味がありませんので、注意点として解説していきます。
コレステロールが上昇しやすい
炭水化物を減らすと、その分脂質やタンパク質の摂取が増え、悪玉コレステロール(LDL)の上昇につながることがあります。
特に、脂身の多い肉やバター、加工食品に含まれる飽和脂肪酸を摂りすぎると、動脈硬化を招きやすく注意が必要です。
体重減少だけを重視して肉や乳製品に偏るのではなく、青魚やナッツ、オリーブオイルなど不飽和脂肪酸を含む食品を取り入れることで、健康的にダイエットを続けやすくなりますので、意識してみましょう。
他の栄養素が減りやすい
上の話と逆になりますが、炭水化物の制限を意識しすぎることから、食事全体の量を減らしてしまい必要な栄養素が不足しがちです。
ご飯やパンなどの炭水化物には、糖質だけでなくタンパク質や食物繊維、ビタミンやミネラルも含まれているため、制限するとそれらの栄養素も不足しやすくなります。
過度に制限すると栄養不足を招き、体調不良につながる恐れがあるので注意が必要です。
筋肉量や代謝が落ちる

糖質制限をすることでエネルギー摂取が普段より少なくなると、体はもともとある筋肉を分解しエネルギーにしていくことになります。
筋肉量が落ちてしまうと、基礎代謝も低下する悪循環が起こり健康的な痩せ方とはいえなくなってしまうのです。
炭水化物ダイエットの体重減少の要因が脂肪が落ちたではなく、筋肉量が減ってしまったとならないように注意しましょう。
最近では、体重計で筋肉量を計測できるものもありますので、購入するのもおすすめです。
なお、筋トレと炭水化物の関係について以下の記事で解説していますので、参考にしてください!
関連記事:【筋トレ効果UPに欠かせない】炭水化物の役割と必要な理由を解説!
リバウンドしやすい
炭水化物を制限することで、一時的に体重は落ちやすいのですがリバウンドしやすい点も覚えておいた方がいいでしょう。
体重が一時的に落ちるのは、炭水化物制限により、体内のグリコーゲンが減少して水分も一緒に抜けるからです。
そこで体重が減ったと思って炭水化物を再び摂取するようになると、水分が戻って体重もすぐに増えてしまいます。
さらに、炭水化物不足で筋肉量が減少、エネルギー消費が低下すると太りやすくなるので、適度に炭水化物を摂取しつつ、ダイエット終了後にも急激に炭水化物を増やさずに筋トレや運動を取り入れるのがおすすめです。
低血糖や昏睡、意識障害のリスクがある
炭水化物の摂取を減らすことで体の中の糖が不足してしまう問題も出てきます。
血糖値が正常範囲以下になってしまい、頭痛や手足の震え、ふらつきなどの症状が出てくる低血糖のリスクが高まってしまうのです。
さらに、脂肪の分解で作り出されるケトン体が酸性のため、増えすぎると血液が酸性に傾きます。人間は本来弱アルカリ性であるため体のバランスを保つために水分が使われてしまい脱水状態に導かれるというリスクも。
極端に炭水化物を減らすことは健康への悪影響にもなるので、糖質の目安量を参考にして適度な制限をして健康的に進めていきましょう。
炭水化物ダイエットを成功させるためには運動や睡眠も重要

糖質制限して成功しやすいと知られる炭水化物ダイエットですが、単純に減らしたところで健康的に痩せられるわけではありません。
ダイエットは、食事だけではなく、運動や睡眠もとても大切な要素です。適度な運動でストレス解消し、質の良い睡眠で体の疲労を回復させて過ごすことで、筋肉の働きがよくなり理想的な瘦せやすい体となっていきます。
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