最近、話題となっている「プランク」というエクササイズ。
自宅の一室やマンションなどの狭いスペースでも実施でき、初心者でも始めやすい筋力トレーニングとして人気です。
しかし、プランクは手軽に始めることができる分、正しいフォームで始めることが重要と言えます。
特に初心者はNGフォームで実施してしまいがち。間違ったまま実施しても結局効果がでないかった…なんて結果にもなりかねません。
この記事では、「プランク」の正しいトレーニング方法(姿勢)や、プランクを継続しやすくなるコツを解説していきます。
腹筋の筋力アップ以外にプランクで期待できる効果や、正しいプランクの姿勢、初心者がやってしまうNGフォーム、プランクに取り入れられるトレーニング機器もご紹介しますので、参考にしてください。
プランクとは腹筋全体を鍛えられるトレーニング
プランクはお腹前面の筋肉(腹直筋)や、インナーマッスルと呼ばれる腹部深層の筋肉(腹横筋や深層筋)、脇腹の筋肉(腹斜筋)などの腹筋群を主に鍛えるトレーニングとして効果的です。
こういった筋肉はシックスパックやくびれを手に入れるためにも重要なので、お腹周りに悩んでいる方に人気のトレーニングとなっています。
さらに、腹筋以外にも二の腕や背中などの筋肉にも刺激を与えられたり、高くない負荷で始められたりするので、初心者でも取り組みやすく、おすすめです。
プランクで期待できる効果
プランクを継続することで、お腹全面やインナーマッスル、脇腹の筋肉を鍛える以外の効果も期待できます。
ここでは、プランクで期待できる効果について深堀りしてみましょう。
ダイエット効果
プランクで筋肉量が増えると、基礎代謝が向上します。
基礎代謝とは、上向きで横になった状態で肉体的・精神的に安静にし、睡眠状態ではなく、体を動かさずに24時間で消費するエネルギー量です。
基礎代謝が高まると普段の生活を送るだけでも消費カロリー増えるため、痩せやすい体質になります。
腹筋も鍛えられることで、引き締まったお腹を手に入れることも可能です。
体幹(インナーマッスル)が鍛えられる
プランクを行うことで体幹(インナーマッスル)が鍛えられます。
インナーマッスルを鍛えることで、以下のような効果が期待できます。
- アウターマッスルの動きの向上
- 姿勢改善
- ぽっこりお腹の改善
もし、姿勢やぽっこりお腹に悩んでいる方は、インナーマッスルを鍛えることで、改善する手助けになるでしょう。
腰痛対策
体幹部の筋力が鍛えられることで、腰に負担の少ない姿勢を取りやすくなります。
腹筋が衰えてくると、肋骨のガードがゆるみます。すると、内臓の動きが低下し、基礎代謝が下がって脂肪がつきやすい体質になってしまうのです。
腹筋と背筋は「拮抗筋(きっこうきん)」という対の関係にあり、腹筋が衰えると背筋も衰え、背骨が歪み始めます。
その背骨の歪みが腰痛の原因となってしまうのです。
体幹部の筋力を鍛えることで、腹筋や背筋の筋力低下を抑制し、腰痛の対策となります。
競技パフォーマンスの向上
プランクで体幹部が鍛えられることで、競技パフォーマンスの向上も期待できます。
なぜなら、体幹部が安定すると、そこから派生する腕や足の筋肉を滑らかに動かせるようになるからです。
一瞬で状況が刻々と変化するスポーツにおいて、動きの安定性はパフォーマンス向上に欠かせません。
また、競技中の怪我予防にもつながるため、安全かつパフォーマンスアップを狙いたい方は、プランクを普段のトレーニングに入れ込んでみましょう。
猫背の改善
プランクは、猫背の改善も期待できます。
猫背は腹筋が縮み、背筋が引き伸ばされた状態です。
猫背になってしまう原因の一つが、体を支えるためのインナーマッスルが衰えていること。
プランクでインナーマッスルを鍛え、腹筋と背筋のバランスと整えることで、猫背の改善にも繋がります。
プランクの基本姿勢
次にプランクの正しいフォームと、NGフォームをご紹介します。
正しいフォーム
正しいフォームでプランクを行うには、以下のポイントに注意しましょう。
- 両手両足を肩幅に開く
- 背中のラインをまっすぐに保つ
- 肘とつま先の4点に重点を置き、前腕で補助的に身体を支える
- 自然な呼吸を保つ
まずは正しい姿勢を30秒間キープしましょう。30秒間が楽に達成できるようになれば、時間を1分間に伸ばしたり、他の種類のプランクにも挑戦してみてください。
記事の後半でご紹介する「プランク・チャレンジ」では、1日目には20秒のプランクから開始し、5日目に30秒、7日目に40秒のプランク実施といった流れで、プランクに取り組む時間を徐々に長くする方法もあります。
プランクの際に肘への負担が気になる方は、サポーターやトレーニングマットの使用もおすすめです。
NGフォーム
せっかくプランクを頑張っていても、NGフォームを取っていると効果があるエクササイズにはなりません。以下のポイントは特に初心者が陥りがちなNGフォームです。
- お尻が上に突き出ている
- 顔が上がっている
まず、お尻が上に突き出ていると、骨盤が前傾してしまい、腹筋に正しい負荷がかからなくなってしまいます。
一方で、お尻が下に沈んでしまっていても腹筋への負荷がかからなくなるので気をつけましょう。
また、顔を上げてしまう場合も同様に、腰がそり、腹筋への刺激が低下してしまいます。顔が上がっているとお尻が下がる原因にもなります。
NGフォームにならないためにも、目線を自分の腕に持っていったり、身体の軸を1本の棒のようにまっすぐ保つイメージを持ったりすると正しいフォームが取りやすいです。
プランクのアレンジメニュー
基本のプランクに慣れてきたら、型の違うプランクに挑戦してみましょう。ここでは、数種類のプランクをご紹介します。
ロー・プランク
ロー・プランクは、両肘を床につけ、体重を肘と肘上(前腕部)とつま先で支える基本的なプランクのフォーメーション。腹筋に効くだけではなく、基礎代謝の向上、猫背の改善、腰痛対策にも効果があります。
【具体的なプランクのやり方】
- うつ伏せで足を伸ばす
- 両腕は肩幅に開き、肘と腕で上半身を起こす
- つま先を立て、下半身をリフトする
- 頭〜かかとまで一直線にする
- この姿勢をキープ
【実施回数の目安】
30秒×2セット
【実施のポイント】
- お尻を上げすぎない
- お尻を下げすぎない
- 体が一直線になるように実施
ハイ・プランク(ストレートアーム・プランク)
ハイ・プランク(ストレートアーム・プランク)は両腕を伸ばした姿勢で行うプランク。
通常のプランクでは、腹筋や背筋・体幹を鍛えることができますが、ハイ・プランクでは腕への負荷も高まります。二の腕の周りに筋肉をつけ、シュッとした二の腕を手に入れたい方にはハイ・プランクがオススメです。
【具体的なハイ・プランクのやり方】
- うつ伏せで足を伸ばす
- 腕を肩幅に広げ、肩の真下につく
- ついた腕を伸ばす
- つま先を立て、かかとを上げる
- お尻を上げて、体のラインをまっすぐにキープする
【実施回数の目安】
30秒×3セット
【実施のポイント】
- 手幅が広がりすぎないように注意
- 一直線をキープする
- 呼吸を安定させる
サイド・プランク
サイドプランクはプランクの応用フォームです。片肘を床に着けて、体を横に向けま、脇腹に力を入れて体をまっすぐに保ちます。
脇腹に負荷をかけながら、足の筋力と体幹を同時に鍛える効果があります。美しいくびれを手に入れたい方に試してもらいたいエクササイズです。
【具体的なサイドプランクのやり方】
- 横向きになり、曲げた肘を床につく
- 足は重ねて伸ばしておく
- 前腕部と足で体を支え、腰を浮かせる
- 足を伸ばし、まっすぐにキープする
【実施回数の目安】
20秒×3セット
【実施のポイント】
- 正面からみた姿勢だけではなく、上から見た姿勢も一直線に保つ
- ふくらはぎが床につかないように注意
片足プランク
片足プランクは、ロー・プランクから、片足を床と平行になるように持ち上げるプランクの応用フォーム。
他のプランクフォームと同様にお腹にも効く上に、腕の力で足を交互に持ち上げるため、腕のエクササイズにもなります。
太もものたるみが気になる方は、ハムストリングスのエクササイズもでき、お尻も鍛えられるので美しいボディをキープしたい方にオススメのエクササイズです。
【具体的な片足プランクのやり方】
- ロープランクの姿勢を作る
- 片足をお尻の高さまで上げる
- 体と足のラインが一直線になるようにキープ
- これを左右の足で交互に行う
【実施回数の目安】
30秒×3セット
【実施のポイント】
- 身体を一直線に保つ
- 足をお尻の高さまで高く上げる
- 股関節が広がるように脚をやや広げて上げる
片手・片足プランク
片手・片足プランクは片足プランクから、上げた足と反対側の腕を前に伸ばすエクササイズ。
普通のプランクよりも体を支える面が少ないため難易度が高まります。体幹・上半身・下半身のつながりを強化し、バランス感覚も養えるエクササイズです。
【具体的な片手・片足プランクのやり方】
- ロープランクの姿勢になる
- 片足をまっすぐ伸ばし、上げた片足と反対側の片手をまっすぐ伸ばす(例:左足×右足)
- 上げた足と手を交代し、交互に行う
【実施回数の目安】
左右各20秒×3セット
【実施のポイント】
- つま先と肘を起点とし、お尻の高さをキープする
- 姿勢が傾かないようにする
片手・片足サイドプランク
片手・片足サイドプランクは、サイド・プランク中に上になっている足を空中に上げ、上になっている腕を垂直に伸ばした応用プランク。
片手・片足プランクと同じくプランクの中でも難易度が高いメニューです。
足を開くため両足の中殿筋への負荷が増し、足の引き締め効果が高まります。また、体を支える部位も減るので、バランスを保つために体幹へもしっかりと負荷がかかるトレーニングです。
【具体的な片手・片足プランクのやり方】
- サイドプランクの状態になる
- 上になった足を上げる
- 腕になっている手をまっすぐ伸ばす
- 姿勢をキープする
【実施回数の目安】
左右各20秒×3セット
【実施のポイント】
- 足は高く上げたままキープする
- 腕と足をまっすぐ伸ばす
- 呼吸を止めないように注意
プランクをアレンジする際に使える道具
プランク自体は道具なしでも取り組めますが、道具を使うことでアレンジ可能です。
ここでは、プランクをアレンジする際に使える道具をご紹介します。
バランスボール
プランクにバランスボールを取り入れることで、体幹への刺激を増すことができます。
方法は、床に両腕付く代わりにバランスボールに両腕をつき、プランクの姿勢を作ります。
ここで注意すべきなのは、腰が反らないようにお腹とお尻に力を入れて、身体を一直線に安定させることです。
身体が安定したら、バランスボールを前方に押し出し、元の位置に戻す運動を繰り返すことで、筋肉への刺激を強化できます。
プッシュアップバー
ハイ・プランク(ストレートアームプランク)を行う際には、プッシュアップバーを使用するとプランクの姿勢がより保ちやすくなります。
ハイプランクでは通常のプランク(ロー・プランク)よりも腕への負荷が高まります。プッシュアップバーを取り入れることで、手首への負担を軽減しながらハイプランクに取り組むことが可能です。
プッシュアップバーはプランクに加え、腕立てふせ(プッシュアップ)にも使用できるので、あると便利なエクササイズアイテムの1つです。
腹筋ローラー
腹筋ローラーと、プランクを交互に取り入れる運動方法もあります。
プランクは静的ですが、腹筋ローラーの動きがあるエクササイズと組み合わせることで、負荷を大きくできます。
「腹筋を割りたい」方は、プランクと交互にローラーでのエクササイズも実施してみてください。
プランクの効果を最大化する2つのポイント
せっかくプランクを行うなら、効果を最大限にしたいですよね。次に、効果的なプランクを行うために重要なポイントをご紹介します。
正しい姿勢で取り組む
プランクの効果を最も高めるのは正しい姿勢です。
先ほど紹介したように、頭が下がったり、お尻が上がっていたり、猫背になっていたりすると、身体の軸がずれてしまい、正しく刺激が入りません。
身体が一直線になるように正しい姿勢をキープしましょう。
鏡やスマホで自分のフォームを確認しながら取り組むのがおすすめです。
継続する
プランクは、1日に30秒〜1分という短い時間で始められますが、すぐに効果が得られるわけではありません。
20〜30日間継続して取り組むことで徐々に効果が現れるエクササイズです。
しかし、簡単に取り組めるとはいえ、継続することのハードルは高くもあります。
そこでプランクを継続して行うためにおすすめしたいのが、「プランク・チャレンジ」です。
プランク・チャレンジとは
「プランク・チャレンジ」はプランクを30日間継続して行うシンプルなプログラムです。
アメリカで話題となり、日本でも取り入れる方が増えました。
プランク・チャレンジは基本的に30日間のプログラムで、初日は20秒、3日目は30秒、5日目は40秒というように徐々にプランクの時間を伸ばしていきます。
30日後には5分(300秒)のプランクに取り組めるようになるようなプログラムです。
プランクの代わりにできる体幹のトレーニングは?
ここまでプランクの効果や取り組み方をご紹介しましたが「自分にプランクは合わないかもしれない」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のためにプランクの代わりにできる腹筋のトレーニングをご紹介します。
シットアップ
シットアップ(腹筋運動)も、プランクと同じく腹直筋(腹筋)に効果があるトレーニング。
学校の体育の授業でもお馴染みで、腹筋を鍛えるエクササイズといえば真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。
お腹全体のトレーニング効果が期待でき、腸腰筋というインナーマッスルや太もも前面の大腿直筋といった筋肉を同時に鍛えることができます。
筋力がアップすることで、基礎代謝の向上によるダイエット効果も期待できるエクササイズです。
【具体的なシットアップのやり方】
- 仰向けの状態になる
- 膝を立てる
- 両腕を胸の前でクロスする
- 腕と太ももが触れるまで上体を持ち上げる
- ゆっくりを上体をおろす
- 4と5を繰り返す
【実施回数の目安】
10回×3セット
【実施のポイント】
- 腰に負担がかかりすぎないよう注意
- 上体が上がらない人は、足首を押さえてもらってもよい
クランチ
クランチは、膝を90度に曲げた状態のまま肩甲骨辺りから上体を丸めるトレーニングで、腹直筋を集中的に鍛えられます。
腹直筋はシックスパックとも言われる筋肉なので、特に「お腹を割りたい」「シックスパックを手に入れたい」という気持ちが強い方が取り組みたいエクササイズです。
【具体的な片手・片足プランクのやり方】
- 仰向けの状態になる
- 膝と股関節を90°に曲げる
- 手を頭の後ろで組む
- おへそをのぞきこみ、肩甲骨が床から浮く程度まで上げる
- 頭が地面につくギリギリまで下ろす
- 4と5を繰り返す
【実施回数の目安】
10回×3セット
【実施のポイント】
- お腹に意識を集中する
- 勢いをつけすぎない
- おへそをのぞきこみ、上体浮かせる際に呼吸を止めない(呼吸を吐く)よう注意
もし、他の腹筋トレーニングについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
キレイなくびれやシックスパックを手に入れたいならパーソナルジムもおすすめ
この記事では腹筋を鍛えるエクササイズである「プランク」をご紹介しました。
プランクでは、シックスパックを手に入れるために重要な腹直筋に加え、腹横筋などのインナーマッスル、腹斜筋(わき腹)などの腹筋を鍛えられます。
また、筋肉を鍛える以外にも、腰痛対策や競技パフォーマンスの向上、猫背の改善といった様々な効果も期待できます。
しかし、正しいフォームで取り組めなければ、効果は期待できません。
特に初心者のうちは、お尻が突き出ていたり、顔が上がってしまうなどのNGフォームをとりがちです。必ず正しいフォームで取り組めているか確認しながら行いましょう。
もし自分一人で正しく鍛えられる気がしないという方は、パーソナルジムもおすすめです。
パーソナルトレーニングでは、トレーナーが一人ひとりのレベルや目標に合わせて、やり方やメニューをアドバイスします。記事内でご紹介した「プランク・チャレンジ」に挑戦したいときも、正しいフォームの指導や継続ためのお手伝いをさせていただきます。
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