有名な体幹トレーニングの一つであるプランク、スポーツ選手やメディアなどで有名になったため、知っている方も多いのではないでしょうか。
器具がいらず自宅で手軽に鍛えられるため、運動初心者にもおすすめのトレーニング方法です。
しかし、以下のような悩みを持っている方は、トレーニングフォームが間違っている可能性があります。
- お腹に効いてる感じがしない
- なぜか腰が痛くなる
- 肩や腕など上半身がつらい
プランクは動きがなくシンプルで簡単だと思われやすい筋トレですが、正確なフォームでなければ効果が出にくいです。
そこで、この記事ではプランクで鍛えられる筋肉、正しいやり方、失敗しないポイントを詳しく解説していきます。
体幹を鍛えるメリットもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
体幹トレーニング「プランク」とは?
プランクとはうつ伏せの状態で前腕と肘、つま先を地面について体を一直線にした姿勢をキープする、腹筋をメインに鍛える体幹トレーニング。
専用器具が要らず、短時間で怪我のリスクが少なく、鍛えにくい体の内側の筋肉(=インナーマッスル)を効果的に刺激できることから運動療法にも取り入れられています。
体幹は胸・背中・腰・腹筋・お尻の体の広範囲を占める胴体全部であり、主にインナーマッスルで構成されています。
インナーマッスルは鍛えることで体を支える筋肉が強くなり、姿勢が安定し円滑な動きをサポートします。
体幹トレーニングを代表するプランクは、バリエーションが豊富であり違う角度、強さで筋肉に刺激を与えられるので、プランクの種類を組み合わせることで、バランスよく体幹全体を鍛えられるでしょう。
プランクで鍛えられる3つの筋肉
プランクでは腹筋群と呼ばれる、4層の筋肉で構成された腹筋をまとめて効果的に鍛えることが可能です。
ここからは腹筋群を構成する腹直筋・腹斜筋(内側・外側)・腹横筋の役割を説明していきます。
筋トレには「意識性の原則」があり、「どこの筋肉を鍛えるのかを意識することでトレーニング効果を高める」ことが知られていますので、筋肉の役割や部位を理解してトレーニングに役立てましょう。
【プランクが効く筋肉①】腹直筋
腹直筋はお腹の前面、皮膚に近い表層(アウターマッスル)にある筋肉です。
体幹部の前屈をメインに側屈(体を真横に傾ける)、回旋動作に関わるほか、腹筋群全体に共通しますが内臓の位置を固定したり腹圧を保つ等の働きもあります。
また、お腹がきれいに割れた腹筋(シックスパック)とはこの腹直筋を指し、もともと6段に割れた筋肉の隆起がお腹の表面に現れた状態となります。
【プランクが効く筋肉②】腹斜筋
腹斜筋は体の内側にある、お腹の両脇にコルセットのように巻きついた筋肉です。
表面にある「外腹斜筋」と、その内側にある「内腹斜筋」の2層で作られており、体を捻る動作のほか胸骨を引き下げる役割=呼吸にも関係しています。
インナーマッスルを鍛えることで基礎代謝の向上に役立ちます。
また、引き締まったウエストラインの実現に欠かせない筋肉と言えるでしょう。
【プランクが効く筋肉③】腹横筋
腹横筋は、腹筋群の中で一番体の内側(内腹斜筋の奥)にある腹部を覆う薄い筋肉であり、体の直接的な動きに関係しないことが特徴です。
腹式呼吸のようなお腹を凹ませる深い呼吸や、姿勢の維持、腰の安定性を高めるなど日常生活に貢献する役割を持ちます。
また、一番奥にあるインナーマッスルであり、体の動作に関係が少ないため、狙って鍛えるのが難しいことでも知られています。
プランクで得られる4つのメリット
プランクは運動をしない方、年配の方、もちろん日常的にトレーニングをされている方にもおすすめのトレーニングです。
日常動作の改善につながるメリットが多く、デメリットが少ない取り組みやすさが魅力。
ただし、体幹トレーニングは体の能力を向上させることがメインのトレーニングなので、プランクだけで筋肉の肥大化やダイエットは実現できません。
筋トレやダイエットの効果をより高める目的で行うと良いでしょう。
ここからは、プランクによって得られる4つのメリットをご紹介していきます。
【メリット①】基礎代謝UPによるダイエット効果
体の安定時(睡眠時など何もしてない状態)に消費するエネルギーが基礎代謝であり、基礎代謝が高い=エネルギー消費量が多く痩せやすい体質といえます。
年齢を重ねるうちに食事量や生活スタイルが変わらなくても体重落ちにくく、体に脂肪がつきやすくなる原因は基礎代謝の低下によるものです。
また、加齢以外にも栄養不足や運動不足による筋肉量の減少で基礎代謝は低下していきますが、プランクでインナーマッスルを鍛えることで、基礎代謝をあげ燃えやすいダイエット向きの体が作れます。
【メリット②】身体機能があがる
身体機能とは、歩く・立つ・座る・持ち上げるなど体を動かすあらゆる動作であり徐々に衰えていきますが、体幹を鍛え体の安定性が増していくことで、身体機能は向上していきます。
体が安定すると手足に力がスムーズに伝わりやすく、日常動作で力を発揮しやすい体に変化していきます。
また、腹部の筋肉が強化され内臓が正しい位置に留まることで、内臓機能が活性化され腸の動きを助けたり、食後の不快感や便通を改善させたりする効果が見込めることもメリットの一つです。
【メリット③】姿勢の改善と腰痛予防
前述したとおり、体幹の強化は体を安定させます。
プランクは姿勢を司る背骨の周りのある筋肉(脊柱起立筋)も鍛えられるため、背骨がしっかり支えられS字にカーブした理想的な姿勢が保てるのです。
悪い姿勢によって招かれる不調の1つに猫背による腰痛がありますが、姿勢の改善は腰痛予防にもつながります。
【メリット④】怪我のリスクが少ない
プランクは負荷が自重なので怪我のリスクが少ないトレーニングであり、筋トレ初心者や筋力の少ない女性でも安全に取り組みやすい種目です。
デメリットとして、
- アウターマッスルを鍛えたい方には効果が薄い
- フォームが崩れて腰痛が起こる可能性がある
以外はあまりありません。
トレーニング時間も、1回30秒程度を数セットだけなので短時間で終了します。
むしろ、長時間行うことでフォームが崩れ手や足、腰に刺激が逃げてしまい怪我を引き起こしたり、体幹が鍛えられなくなるので「正しいフォームで短時間」を徹底することが安全性を高めます。
正しいプランクのやり方
プランクで守るべきポイントは、正確なフォームをとり維持し続けることです。
短時間でも問題がないので、常に体幹に刺激が入っているかを意識することが必要であり、無理な姿勢を長時間続けることは避けましょう。
スタンダードなプランクのフォーム
まずは、スタンダートなプランクの基本フォームをご紹介していきます。
プランクの基本フォーム
- 四つん這いになり、肩の真下に肘(90度)をつく
- 足を揃えて伸ばし、つま先をたてて体を持ち上げる
- 頭からかかとまで一直線にし、顔は正面を向く
- この姿勢で20秒キープする
目安の回数は1回20秒×3セット、1回ごとに1分以内のインターバルを取りましょう。
頭を下に向けると肩〜背中が丸まりやすくなり、腹筋への刺激が弱まるので頭の位置もキープしてください。
もし、20秒のキープが辛ければ手のひらをにぎる、足を少し開くことで重心が安定して体制を保ちやすくなります。
また、呼吸も忘れず息を吐く時にしっかりお腹を凹ませる意識を持つことが大切です。
プランクの姿勢が取れない方へ
両肘で体を支えられずプランクの姿勢が取れない方は、腕や肩の上半身の筋肉が不足しています。
その場合は、腕を伸ばした状態で行うプランク=ハイプランクから挑戦してみてください。
具体的なやり方はこの後の記事でご紹介していきますが、腹筋への負担が軽く腕立て伏せの姿勢が取れる方なら取り組みやすいトレーニングとなります。
失敗しないプランクの実戦ポイント
プランクが失敗してしまう原因は、姿勢が崩れることです。
プランクの基本姿勢は「肩からかかとまでを一直線に保つ」状態なので、お腹に刺激を感じない、肩や腕ばかりきつい場合は姿勢が崩れており効果を得ることができません。
そこでここからは、プランクのNG姿勢と失敗しない実践的なポイントをご紹介していきます。
ぜひご自分のフォームをチェックしてみてください。
【ポイント①】お尻を高く持ち上げない
姿勢の維持に疲れてくると、楽な姿勢を取ろうと自然にお尻が上にもちあがっていき、腹筋への負荷が弱くなります。
プランク中に腹筋への負担が軽くなったと感じたら、お尻が上がっているかもしれません。
常に筋肉への負荷を意識して、姿勢を一直線にするよう気をつけましょう。
【ポイント②】お尻を下におろさない
体を支えきれずお尻が下がり床に近くなる状態も腹筋への刺激は弱くなり、さらに腰を痛める原因になります。
腰がそった状態で無理に継続してもプランクの効果は望めません。
姿勢を保てる時間が短くても良いので正しいフォームで行いましょう。
【ポイント③】呼吸をとめない
トレーニングで体に力が入ると、思わず呼吸を止めてしまうことがありますが、酸欠や血圧上昇で心肺機能に負担をかけるので危険です。
深い呼吸は腹横筋や腹部のインナーマッスルが使用されるので、「できるだけ長く吸って長く息を吐く」腹式呼吸を行うと良いでしょう。
【ポイント④】限界まで続ける
プランクは1回20秒、30秒などさまざまな時間設定がありますが、まずは短い時間からスタートして正しいフォームを保つことに集中してください。
フォームが保てる限界の時間まで続けて、徐々に維持時間を伸ばしていくことで効果的なトレーニングを継続できます。
初心者であれば20秒でもキツく感じるのがプランクです。
初めから1分以上できる方は正しいフォームがとれておらず、腹筋に負荷がかかっていない可能性あります。
負荷を感じない方は、スマートフォンなどで動画を撮って正しいフォームがとれているかを見直すようにしましょう。
【効果を高める】プランクのバリエーション
筋肉は常に同じ刺激を与えるより別の角度から刺激を与える方が、より効率的に成長していきます。
プランクはまとめて腹筋群を鍛えらえれるトレーニングですが、フォームを変えることで筋肉へ違った刺激を与えられるため、基本のプランクが継続できる方はプランクのバリエーションに挑戦してみましょう。
ハイプランク
ハイプランクは別名「ストレートアームプランク」と言うように、腕を伸ばした状態で行う方法です。
肘で支えるプランクより負荷が少ないため、腕立て伏せの姿勢ができる方であれば問題なく行える初心者向けのトレーニングになります。
ハイプランクのやり方
- うつぶせになり、肩の真下の位置に手のひらをつく
- かかとをあげ、つま先を床につける
- 伸ばした腕とつま先で体を持ち上げる
- 頭からかかとまで、一直線の状態で30秒キープ
目安回数は1回30秒を2〜3セット
ハイプランクは腕で体を支えるため腕の負担が強くなります。
腕に重心が偏らないよう、必ず手のひらを肩の真下に置き体を安定させて、腕の負担を減らすようにしましょう。
サイドプランク
サイドプランクは、別名「サイドブリッジ」とも呼ばれる、横向きの姿勢で片手と足で一直線にした体を支えるプランクです。
腹斜筋や腹横筋に刺激が入りやすい反面、重心が安定しにくい姿勢なので、体幹をある程度鍛えた方向けのトレーニングとなります。
サイトプランクのやり方
- 足を揃えて横向きに寝転び、肩の下に肘をつく
- 足の側面と肘を使って体を持ち上げる
- 腰をできるだけ高くあげて、脇〜踵まで一直線にする
- 20秒キープする
目安の回数は1回20秒×3セット、1回ごとに30秒〜1分以内のインターバルをとってください。
持ち上げた体は前後に倒さず床と垂直になるよう、地面についている手でしっかり支えましょう。
また、空いている片手は腰に手を当てると安定した姿勢がとりやすくなります。
リバースプランク
リバースプランクは通常のプランクとは逆の姿勢、仰向けで行うトレーニングであり、腹筋だけでなく、背中、お尻、太ももの下半身もまとめて鍛えることができます。
リバースプランクのやり方
- 足を揃えて伸ばして座る
- 指先を足の方に向けて手を地面につける
- 足と手を使って、下半身を持ち上げる
- 上半身から下半身まで一直線にする
- 30秒から1分キープする
目安の回数は1回30秒〜1分×3セット
リバースプランクでは、つま先をしっかり伸ばすことが下半身への刺激を強めるポイントです。
疲れてくると自然とお尻が下がるか腰が上がりそってしまうので、つねに一直線を意識して行うようにしましょう。
ワンレッグプランク
ワンレッグプランクは、片足を上げて行うプランクであり重心の支えが減ることで、姿勢の維持が難しくなり腹筋やお尻の筋肉に強い負荷がかけられます。
ワンレッグプランクのやり方
- 足を揃えて伸ばし、うつぶせに寝る
- 肘を肩の真下につく
- 足と前腕〜肘で体を持ち上げ一直線にする
- 片足を浮かせてバランスをとり30秒キープ
- 足を入れて左右交互に行う
目安の回数は、左右各足で1回30秒×3セット、左右1回ごとに30秒のインターバルをとりましょう。
浮かせた足のかかとをお尻の高さまであげ、途中でお尻が上がらないよう直線を保つことがポイント。
目線も床を向かず、前をむきましょう。
力が入ると呼吸が浅くなりやすいので、リラックスした深い呼吸を意識してください。
スパイダープランク
全身を刺激するスパイダープランクは、プランクの姿勢から足を左右交互に動かして行う方法です。
足を動かすことで体の重心がぶれやすく、プランクの中でも難易度の高い上級者向けのトレーニングと言えるでしょう。
スパイダープランクのやり方
- プランクの基本姿勢をとります
- 肘はやや外側にむける
- 外側に円を描くようにひざをひじに近づける
- 左右交互に足をまげ、5回繰り返す
目安回数は左右各5回
姿勢を崩さないためにも上半身は極力動かさずに、足を素早く動かすことがポイントです。
重心がブレずに安定して行える方は、10回〜20回ぐらいまで挑戦してみてください。
プランクツイスト
プランクツイストは、プランクの基本姿勢から腰を左右に捻る動きを加えたトレーニングです。
腹筋、特に脇腹に強い刺激を与えることができ、お腹周りの引き締めに最適なプランクと言えます。
プランクツイストのやり方
- プランクの基本姿勢をとります
- 腰を床につくぐらいまで左右に捻る
- 1分間繰り返す
捻る動作中も、上半身のフォームは崩さずにお腹への負荷がかかっていることを意識してください。
腰からお尻を床につくギリギリまでひねることで、お腹周りへ効果的に刺激を与えやすくなります。
プランクは毎日の継続が大切
筋肉はダメージを回復する時に成長し、回復には48〜最大72時間ほど休息期間が必要なため、通常の筋トレはトレーニング間隔をあけて行います。
ですが、体幹トレーニングで刺激の入る筋肉は筋肉量が少なく、回復が24時間以内に終了するため毎日おこなって大丈夫です。
プランクで得る効果は胴体の安定や基礎代謝UP、身体機能の向上など、目に見えやすい部分ではなく即効性もありません。
初めは効果が実感できにくいかもしれませんが、毎日コツコツ続けること重要です。
より体の機能を上げるなら、パーソナルトレーニングへ
ここまでご紹介した、さまざまなプランクができるようになっていれば体幹もかなり向上してるはずです。
体の安定性や向上した身体機能は、他の筋トレの効果も押し上げてくれるでしょう。
もし、あなたがプランク以外の体幹トレーニングに挑戦したい、また向上した身体機能を活かして理想の体型を目指したいなら、マンツーマンレッスンのパーソナルトレーニングをおすすめします。
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