多くの人が、腕や胸の筋肉を鍛えるトレーニングとイメージしている腕立て伏せ。
実は、背中の筋肉である背筋群にも効果的な筋トレ種目としておすすめです。
本記事では、背筋トレーニングに役立つ腕立て伏せのバリエーションとともに、正しく実践するためのポイントを解説します。
あなたも腕立て伏せを活用して、引き締まった背中を手に入れましょう!
腕立て伏せで背筋を鍛えられる理由
その名のとおり、「腕」を酷使するツラい運動のイメージが強い腕立て伏せ。
確かに、腕の上腕筋群や胸の大胸筋へ多くの刺激を与えて鍛えられるトレーニング種目ですが、身体の前側だけでなく背中や脇腹にも効果が得られます。
肩甲骨を引き寄せる動きによる背中へのトレーニング効果にプラスして、背中を構成する筋肉群を同時に鍛えられる運動として、腕立て伏せは良いトレーニングです。
効率良く、自宅などの小スペースで実践できる背中のトレーニング法を探しているなら、まずはスタンダードな腕立て伏せを取り入れましょう。
腕立て伏せで鍛えられる背筋とはどのあたり?
腕立て伏せを実践する前に、背中にある筋肉の位置や特徴を知っておくことは重要なポイント。
どんなトレーニングも鍛えている場所を意識して取り組めば、効果アップに繋がります。
以下で解説する4つの筋肉は、腕立て伏せによる背筋トレーニングで特に意識すべき部位です。
- 僧帽筋
- 広背筋
- 大円筋
- 脊柱起立筋
僧帽筋
僧帽筋は、首から肩、さらに背中まで広がる表層の筋肉。
上部、中部、下部の3つに分かれており、肩甲骨のスムーズな動きをサポートしています。
また、僧帽筋を意識した動きは、首や肩コリを軽減させる効果も期待できておすすめです。
広背筋
背骨を中心として左右対称に存在し、肩甲骨の下から骨盤まで伸びる筋肉が広背筋です。
僧帽筋と同じく肩甲骨の動きに作用するほか、逆三角形のカッコイイ背中を造るために鍛えるべき部位。
腕立て伏せによって広背筋をトレーニングすれば、姿勢の改善効果も期待できます。
大円筋
背筋のインナーマッスルである大円筋の位置は、脇の下。
上腕骨と肩甲骨を繋ぐように存在し、広背筋をサポートする筋肉とも言えます。
普段はなかなか意識しづらいインナーマッスルも、正しい腕立て伏せをおこなえば効果的にトレーニングすることが可能です。
脊柱起立筋
背骨に沿って縦に伸びる脊柱起立筋は、背中側で最大の大きさを持つ筋肉です。
人間の直立姿勢を保つのに重要である他、物を持ち上げたり身体を反らせるなど、日常の動きにも脊柱起立筋が大きく関わっています。
背中は自重のトレーニングメニューが豊富。
カッコいい背中を目指す筋トレ初心者は、次の記事も参考にしてください。
関連記事:広背筋を鍛えて逆三角形体型を目指す!おすすめな自宅での筋トレ7選
腕立て伏せの基本とコツ
本格的に取り組むなら、腕立て伏せの正しいやり方をマスターすることが重要です。
このセクションで紹介する基本のフォームとコツを掴み、トレーニング効果をアップさせましょう!
腕立て伏せの基本的なやり方
- 床にうつ伏せで寝る
- 肩の真下になる位置で手を付く
- 脚は肩幅よりやや狭い程度に開き、つま先を床に付ける
- 頭からかかとまで一直線になるよう体勢をキープ
- 息を吸いつつ肘を曲げ、身体を床に近づけていく
- 床ギリギリのところで3秒静止
- 息を吐きながら肘をゆっくり伸ばし、4の体勢まで戻す
腕立て伏せのコツと注意点3つ
腕立て伏せで背中の筋肉にアプローチする上で、注意すべきポイントは次の3つ。
確かな手ごたえを得たいなら、是非コツを掴んで実践してください。
- 正しい姿勢で実践する
- 呼吸を上手に使う
- 腕立て伏せで鍛えられる筋肉群に意識を向けて動かす
1.正しい姿勢をキープする
筋トレの効果を引き出すために重要なのは、正しい姿勢を理解して実践することです。
腕立て伏せの基本的なやり方をもう一度チェックしながら、正しく美しいフォームで取り組みましょう。
腕の力だけに頼るような間違ったやり方は、怪我を誘発する原因になります。
2.呼吸を上手に使ってリズミカルに
腕立て伏せが単なるツラいトレーニングだと感じるなら、呼吸を味方に付けましょう。
ポイントは、身体を鎮めながら息を吐き、持ち上げるときに息を吸うこと。
無意識のうちに息を止めてしまうと身体に無駄な力が入ってしまい、腕立ての効果が半減する恐れもあります。
3.腕立て伏せで鍛えられる筋肉群に意識を向けて動かす
鍛えたい部位に意識を向ければ、筋トレも効果アップします。
筋肉の位置については、本記事のイラストでもう一度確認しましょう。
背筋に効く!腕立て伏せのバリエーション7選
ではここから、おすすめの背筋トレーニングメニューを7種目ご紹介します。
各種目ごとの推奨回数は、20回を1セットとして3セット。
とは言え、慣れるまで無理は禁物です。
正しいフォームを身に着けつつ、自分の体力に合ったプッシュアップ(腕立て伏せ)を実践しましょう。
- 二ーリングプッシュアップ
- インクラインプッシュアップ
- リバースプッシュアップ
- ワイドプッシュアップ
- ナロープッシュアップ
- バックプッシュアップ
- クラッピングプッシュアップ
二ーリングプッシュアップ
二ーリングプッシュアップは、膝を床に着いておこなう腕立て伏せ。
今回ご紹介するプッシュアップメニューの中でも初級編だと言えます。
まずは低い負荷で、腕立て伏せの基本的なフォームに慣れたいという人におすすめです。
【二ーリングプッシュアップのやり方】
- 両膝を床に着き、両手は肩の真下に置く
- 脇は締めたまま上体を前に倒し、素早く起こす
- 1~2の動作を繰り返す
インクラインプッシュアップ
床ではなく、テーブルやトレーニング用のベンチ、または動画のように椅子などを使うのが、インクラインプッシュアップ。
二ーリングプッシュアップ同様に、比較的低い負荷でトレーニングしたい人に適した種目です。
安定していれば椅子などでも代用できるため、隙間時間の気分転換にもおすすめ。
背中だけでなく、胸や上腕など上半身の広い範囲の筋肉群にアプローチできます。
【インクラインプッシュアップのやり方】
- 肩幅よりやや広く両手を広げ、台に置く
- 両足を伸ばして身体を安定させ、つま先立ちになる
- 頭から足までが一直線になったところで、肘が90度になるようゆっくり曲げていく
- 3~4の動作を繰り返す
※動作2の足幅は、狭いほど負荷が高くなります。
ベストなバランスを保ちつつ無理は控えましょう。
リバースプッシュアップ
テーブルやトレーニングベンチを使う種目では、リバースプッシュアップも背中に効果的。
まずはスタートポジションで体勢が崩れないよう、注意しながら進めましょう。
負荷が高めのトレーニングで、特に手首に不安がある方は注意が必要です。
【リバースプッシュアップのやり方】
- テーブル(またはベンチ)に背を向け、指先が自分の方向に向くよう両手を付く
- 膝を真っすぐ伸ばし、踵(かかと)で体重を支える
- 肘が90度に曲がるよう、床に向かってゆっくり腰を下ろしていく
- 床ギリギリのところまできたら、肘を伸ばしつつ身体を持ち上げる
- 2~4の動作を繰り返す
腕立て伏せの効果を上げつつ、手首や肘へのダメージを軽減できるバリエーションはほかにもあります。
以下の記事も参考にしてください。
★関連記事:プッシュアップバーを使って背筋を鍛える!効果アップの秘訣を解説
ワイドプッシュアップ
基本的な腕立て伏せより手幅を広めにとるのが、ワイドプッシュアップの特徴です。
スッキリとした背中はもちろん、胸の大胸筋も効果的に鍛えられるトレーニングは、魅力的な上半身造りに欠かせません。
【ワイドプッシュアップのやり方】
- 両手足を床につき、四つん這いになる
- 足は肩幅程度に開き、両手は肩幅の1.5倍を目安に広げる
- 頭から足先までが一直線になるようイメージして、つま先立ちになる
- 肘の角度が90度になるよう、ゆっくり曲げて身体を床に近づける
- 床に触れる直前まで身体を下したら、ゆっくり肘を伸ばす
- 3~5を繰り返す
ナロープッシュアップ
手幅を狭くしておこなうナロープッシュアップも、負荷は比較的高め。
また、バランスを崩しやすいフォームであることに注意しながらトライしましょう。
【ナロープッシュアップのやり方】
- 手足を床について四つん這いになり、肩幅より狭い広さで手幅をとる
- 頭から足先までが一直線になるようイメージして、つま先立ちになる
- 脇を締めた状態で肘を曲げながら、身体を床に近づけていく
- 床に触れる直前まで身体を下したら、手の平で床を押すようにして身体を持ち上げる
- 2~4の動作を繰り返す
バックプッシュアップ
背中の広背筋に効く腕立て伏せでは、バックプッシュアップもおすすめ。
手をつく位置を少し変えるだけで、腰への負担を軽減し、背中により大きな刺激を与えられるのがポイントです。
肩甲骨をギュッと引き寄せるイメージで取り組んでみてください。
【バックプッシュアップのやり方】
- うつ伏せで寝転がる
- 両手は肩幅より少し開き、胸の下につける
- 足を伸ばしてつま先立ちになる
- 肘を曲げて上体をゆっくり下ろす
- 床ギリギリの位置で3秒間静止
- 身体をゆっくり持ち上げて戻す
- 3~6の動作を繰り返す
クラッピングプッシュアップ
クラッププッシュアップは、素早く短時間で、強い緊張を筋肉に与えるトレーニング法を指す「プライオメトリック」の一種で、プライオプッシュアップとも呼ばれます。
基本的な腕立てに手を叩く動作が加わるため、今回ご紹介したバリエーションの中では負荷が最も高い種目です。
手首などに不安がある方は要注意ですが、スタンダードな腕立てをマスターした後のステップアップとして取り入れてみましょう。
【クラッピングプッシュアップのやり方】
- 両手を肩幅程度に開き、床につく
- 足を伸ばしてつま先立ちになる
- 肘を曲げながら上体を下げ、手を離して拍手
- すばやく手を床につく
- 3~4の動作を繰り返す
※クラッピングプッシュアップについては、1セット5回程度から始め、無理のない回数を設定しましょう。
他にも背筋を鍛えられるトレーニング方法は多いです。以下の記事も参考にしながら鍛えてみてくださいね。
関連記事:【初心者でもできる】ジムで背筋を鍛えるために効果的な方法を解説
美しい背筋のトレーニングは、腕立て伏せがおすすめ!
「腕立て伏せ」は、小さなスペースでも実践可能な筋トレ種目。
正しいやり方で習慣化すれば、背筋を効果的に鍛えることが可能です。
だからこそ、自分の体力に合うベストな方法をいち早く見つけられるプロの指導がポイントとなります。
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