「増量期に筋肉を増やして、脂肪を落としたい」
「ダイエットしながら筋肉質な体は目指せるの?」
体を引き締めつつ、バルクアップを目指したい男性は多いもの。
しかし、やみくもに痩せるだけでは、貧弱な身体に見えてしまい理想的なボディメイクはできません。
筋肉を維持しながら脂肪を落とすためには、増量期と減量期の使い分けが重要です。
本記事では、この2つの期間中に食事をコントロールする理由や具体的な方法、増量期におすすめな筋トレを紹介します。
ガリガリな身体から細マッチョを目指したい方は、ぜひ参考にしてくださいね!
増量期やバルクアップの目的とは?
増量期とはその名の通り、筋肉を増やして体をボリュームアップさせるための期間です。
この期間中は、筋肉の原料となる栄養を十分に摂取して、強度の高い筋トレで筋肥大させることが狙いです。
常にオーバーカロリー状態のため脂肪も増えますが、気にせずバルクアップ向けの食事の徹底が大切となります。
- 普段の食事+500〜1,000kcal程度
- タンパク質・炭水化物多め
- 1日2〜3回の補食を挟んで、食事回数を増やす
- 体重×1.5〜1.7gのタンパク質
- 筋トレ直後、プロテイン+糖質の補給
反対に、減量期とは脂肪を落としながら筋肉をつける期間です。
高たんぱく質・低脂質・低糖質を意識した普段より少ない食事を意識することで、筋肉量は維持したまま脂肪だけを落としていきます。
増量期やバルクアップが必要な人とは?
増量期はすべての人に必要な期間ではありません。増量期が必要な人、そうでない人と明確に分けられます。
以下のいずれかに該当する方は、増量期を設けましょう。
①短期間でバルクアップしたい人
短期集中で筋肉を効率よく成長させたい方は、増量期が必要な場合があります。
急激な体重増加は体に負担がかかりやすいため、適切な方法で緩やかに目標数値を目指すことが大事。
男性の方でいわゆる「細マッチョ体型」を目指すなら、体脂肪率15%前後を目安に増量期から減量期へ切り替えましょう。
②食が細く痩せすぎな人
ガリガリな体型の方が、健康的な細マッチョへ肉体改造する場合も増量期が必要です。
食が細いハードゲイナーと呼ばれる方が、増量食を継続するのは案外大変かも知れません。
- 胃腸が弱い方は消化の良い食材を選ぶ
- 栄養管理アプリで摂取カロリーを記録
- 市販のプロテインやサプリで不足分を補う
- 脂質も上手に活用する
上記アイデアを取り入れて、最低でも1日3〜5回の食事回数に増やすことをおすすめします。
以下の記事にて、正しい食事管理のコツを詳しく解説しています。ぜひご参考にどうぞ。
③競技大会に出場する人
ボディビルダーやコンテスト出場の予定がある方にとって、圧倒的な筋肉量を育むために増量期は欠かせないサイクルです。
短期間で効率よくバルクアップさせる正しい知識を身につけていますが、限界まで体を追い込む過酷なレベルになります。
これから大会出場を目指したいと考えている方は、正しい知識を身につけて増量期に臨みましょう。
増量期やバルクアップ期間が必要な理由
ここからは、増量期と減量期を使い分けるべき理由を解説します。
①効率的な体づくりのため
生物学的に、ダイエットをしながら筋肉を増やすことはできません。
効率良く筋肥大を目指すためには、増量期と減量期を明確に分けることが重要です。
- 増量期=食事と筋トレで筋肉を増やす
- 減量期=筋肉を維持しつつ脂肪を減らす
特に増量期間中は、摂取カロリーや筋トレの頻度・強度を増やしつつ、不要な脂肪が蓄積されない生活を心がけましょう。
②体調を崩さないため
減量期間中にハードなトレーニングで追い込むと、筋トレ後の疲労回復が追いつかず免疫力が低下することも。
その結果、風邪や体調不良の原因となりえます。
体を絞る期間を短縮させる減量期には、体調管理やリスクマネージメントの意味合いもあることを念頭に置いてください。
増量期やバルクアップを制する食事のポイント
増量期やバルクアップを制するには、筋トレと同様に毎日の食事がキーポイントになります。
ここでは、以下4つの基礎知識を押さえましょう。
①カロリーのコントロール
筋肥大を目的とする「増量期」、筋肉を維持しながら脂肪を落とすための「減量期」。
各期間に目指す食事状況は以下の通りです。
- 増量期:オーバーカロリー(摂取カロリー>消費カロリー)
- 減量期:アンダーカロリー(摂取カロリー<消費カロリー)
各期間中に必要なカロリーの算出には、「Weight Gain Calculator」というサイトの活用が便利です。
英語表記ですが、性別や年齢、身長、現在の体重や目標値を入力すると、必要カロリーが計算されます。
特に以下2つの項目を押さえて、上手にカロリーをコントロールしていきましょう。
- Maintain Current Weight(現在の体重を維持するカロリー)
- Meet Weight Goal(目標体重を達成するために必要なカロリー)
②空腹状態を作らない
増量期を成功させるには、筋肉の合成時間をできる限り長く維持することが大切となります。
筋合成が活性化されやすいのは、体の栄養状態が良好なときです。
また、1日3回の食事だと空腹時間が生まれてしまい筋分解が促進されてしまう場合も。
筋合成を高めるためにも、1回ずつの食事量は増やしすぎず、少量分散型に調整する方法が有効です。
1日5〜6回に食事回数を増やして食事間隔を空けすぎないようにしましょう。
③PFCバランスを意識
増量期だけでなく減量期も、PFCバランスを意識した偏りのない食事が大事です。
PFCバランスとは、摂取カロリーのうち3大栄養素が占める割合を示したもの。
- P:タンパク質(Protein)
- F:脂質(Carb)
- C:炭水化物(Carbohydrate)
各期間中の理想的なPFCバランスの目安は以下の通りです。※目標や体質によって個人差あり
■増量期
- P:タンパク質(Protein)30%
- F:脂質(Carb)20〜30%
- C:炭水化物(Carbohydrate)40〜50%
■減量期
- P:タンパク質(Protein)30〜40%
- F:脂質(Carb)10〜20%
- C:炭水化物(Carbohydrate)30〜40%
PFCの中でも、脂肪になりづらく、筋肉の原材料となるタンパク質は重要な栄養素です。
以下に挙げる増量期向けの栄養豊富な食材を摂取して、効率よく筋肉を育てていきましょう。
・牛肉:筋肉や筋力を増やす「クレアチン」が豊富な食材。筋肥大や筋合成時に必要な「亜鉛」「鉄分」といったミネラル分も含まれる。
・鶏肉:胸肉に含まれる「カルノシン」は、疲労回復や脳のリラックスに効果的。糖質過多になりやすい増量期中の糖化を防ぐ働きも期待できる。
・豚肉:高タンパク&低脂質なヒレ肉も筋肥大向けのおすすめ食材。筋合成を促す「ビタミンB群」は、3大栄養素のエネルギー代謝時の補酵素としても不可欠です。
・サーモン:高タンパク食材で、筋合成に欠かせない良質な脂質を含むバルクアップ効果の高い食材。筋肉のインスリン感受性を高める「オメガ3脂肪酸」も豊富。
④低GI食品を積極的に摂る
GI値とは、血糖値の昇降に関わる数値です。
糖質が多い高GI値の食材を摂ると、インスリンという血糖値を下げるホルモンを大量分泌させます。
インスリンが過剰分泌されて血糖値が急降下すると、体に脂肪を溜め込み太りやすい体質に。
精神不安や食後の眠気、糖尿病や肥満といった様々な悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
増量期に低GI値の食材を活用して脂肪の蓄積を抑えられれば、減量期がぐっと楽になるはずです。
以下の食材リスト(GI値55以下)を参考に、糖質の質を見直していきましょう。
- 【穀物】玄米、そば、全粒粉パン、オートミール、ライ麦パン、パスタ(全粒粉)
- 【野菜類】さつま芋、玉ねぎ、大根、きのこ類、葉物野菜
- 【果物】りんご、バナナ、葡萄、柑橘類
増量期やバルクアップ・筋肥大におすすめの筋トレ5選
増量期や筋肉を効率よく増やしたい時におすすめのトレーニングを5つご紹介します。
- ラットプルダウン
- ベンチプレス
- パラレルスクワット
- プッシュアップ
- ダンベルカール
以下、順番に解説していきます。
増量期向けの筋トレ①:ラットプルダウン
ラットプルダウンは、専用マシンを使用するウエイトトレーニングの一種です。
主に広背筋や脊柱起立筋、菱形筋など背面を鍛える効果に優れ、基礎代謝を向上させ太りにくい体質に。
背面の大きな筋肉が鍛えられるので、姿勢の改善や肩こりの解消も期待できます。
鍛えるときには「肩をしっかり下げる」ことが重要。正しいフォームを身につけ、トレーニング効果を最大化させましょう。
【ラットプルダウンの正しいやり方】
- 背中を真っ直ぐにして椅子に座る
- 肩幅より少し広めのポジションでバーを握る
- 息を吐きながら、バーを首〜鎖骨付近まで下ろす
- 息を吸いながら、肘が伸び切らない位置まで戻す
- 1〜4を繰り返す
【実践のポイント】
- 常に胸を張った姿勢で行う
- 肩甲骨を引き寄せるイメージで
- 勢いや反動を使わない
- バーを下ろす時は肘を下に落とす(後ろに引かない)
- 首の後ろにアームを引く時、首だけを前に曲げない
- 10〜15回が実施目安
広背筋を鍛えるトレーニングは他にもあります。以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
増量期向けの筋トレ②:ベンチプレス
スクワット、デッドリフトと並ぶ「筋トレBIG3」のひとつ。仰向け状態で高い負荷をかけて行うプッシュアップです。
主に大胸筋や小胸筋をメインに、三角筋(肩)や上腕三頭筋を連動して鍛える効果があります。
効果的かつ安全に鍛えるためには、正しいフォームや動作が大切です。
特に初心者の方は、下記4ヶ所をすべて接地させた安定性の高いフォームで行う意識を持ちましょう。
- 後頭部
- 肩甲骨
- 臀部
- 左右両足
【ベンチプレスの正しいやり方】
- 目線の位置にバーが来るよう調節して仰向けになる
- 上記4点(頭・肩・臀部・両足)が接地しているかを確認
- 肩甲骨の位置でバーを外してキープする
- 大きく息を吸い込んで、お腹に力を入れる
- みぞおちより少し高い位置にバーをゆっくり下ろす
- バーが胸まで来たら真っ直ぐ上へリフトする
実践のポイント
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- 脇は開きすぎない
- けが予防に必ず安全バーをつける
- バーを持ち上げる時は、お腹や脚の力を抜かない
- 初心者は10回✖️3セットが実施目安
大胸筋に特化したトレーニングを、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご参考にどうぞ。
増量期向けの筋トレ③:スクワット
スクワットは下半身全般を鍛えられる筋トレBIG3のひとつ。
大きな筋肉を使うスクワットは消費カロリーが大きく、減量期にも取り入れたいエクササイズです。
直立状態から膝を曲げ伸ばしする運動なので、大腿四頭筋や下腿三頭筋、大臀筋といったお尻周りの筋肥大に効果的。
引き締まったお尻やヒップアップを目指したい人にもおすすめのトレーニングです。
【スクワットの正しいやり方】
- 足を肩幅程度に開く
- 膝とつま先は45度に開く
- 股関節を曲げて、重心を真下に下ろす
- 床と太ももが平行になる場所までお尻を落とす
- 膝が伸び切らない所までゆっくり戻る
実践のポイント
- 膝はつま先より前に出さない
- しゃがむ時に膝が内側に入らない
- 猫背姿勢にならない、やや胸を張った姿勢を維持
- かかとを浮かせない
- 呼吸は止めずに一定のリズムで
スクワットの正しいフォームを再確認したい方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
増量期向けの筋トレ④:プッシュアップ
大胸筋や上腕三頭筋(胸部)を鍛える代表格のプッシュアップ(腕立て伏せ)。
上半身を鍛える自重トレーニングのひとつで、体幹やインナーマッスルの強化や筋力強化に効果抜群。
男らしい分厚い胸板や、女性のバストアップにも欠かせない筋トレになります。
自重で負荷が足りない場合、市販のプッシュアップ器具や椅子を用いると効果的。大胸筋の可動域が広がって、より強度な刺激が大胸筋に伝わりますよ。
プッシュアップだけに限りませんが、毎日行うと手首や関節に負担がかかり慢性疲労となります。
他のトレーニングと組み合わせて隔日で行うと、良い結果をもたらしてくれるでしょう。
【プッシュアップの正しいやり方】
- 肩幅より広めに手を開き、手を八の字(内側)に向ける
- 体が一直線のまま、胸が床に着くギリギリの位置まで下ろす
- 腕の力で全身を元の位置まで戻す
実践のポイント
- 大胸筋に刺激が入るよう正しいフォームで行う
- 腕力が弱い女性は、つま先ではなく膝をついてもOK
- 腰は反らさず、体を真っ直ぐ保つ
- 肩甲骨を寄せて胸をしっかり張る
以下の記事で大胸筋を鍛えるトレーニングの応用編を紹介しています。
増量期向けの筋トレ⑤:ダンベルカール
ダンベルカールは両手にダンベルを持って、腕を曲げて二の腕を鍛える筋トレの一種。
「腕を太くする」「上腕前方に張り出す男性らしい力こぶを作る」トレーニングとして人気です。
主に腕を曲げるときに収縮する上腕二頭筋、その下の上腕筋、上腕と前腕を結ぶ腕橈骨筋を鍛えられます。
ダンベルカールのフォームは比較的シンプルなので初心者の方でも取り組みやすく、上腕二頭筋を鍛える入門トレーニングとしておすすめです。
【ダンベルカールの正しいやり方】
- 直立して両手にダンベルを持つ。脚は肩幅程度に開く
- 上半身が反らないように腕を曲げて、ダンベルを持ち上げる
- 上腕二頭筋への負荷を意識し、限界まで持ち上げる
- ゆっくり肘を伸ばして、ダンベルを下げる
実践のポイント
- 肩は上げない(負荷が軽くなってしまう)
- 脇は自然な位置に開く(脇を締めると肩が上がるため)
- ダンベルを上げるとき、肘を前方に出すと負荷が高まる
以下の記事にて、上腕二頭筋のトレーニング効率を高める負荷別エクササイズを詳しく紹介しています。「自分の難易度に合うトレーニングがわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
増量期やバルクアップを制するならパーソナルジムへ!
増量期を成功させる食事のコツや、筋肥大におすすめトレーニングを紹介しました。
2つの期間を意識的に使いこなせると、ボディメイクやダイエットの成功率もぐっと上がるでしょう。
また、ストレスやリバウンドリスクを抑えて理想体型を目指したい方には、パーソナルジムの活用もおすすめです。
プロのトレーナーに適切な筋トレや食事法を指導してもらうことで、着実に理想体型へ近づけます。
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